tkykさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)

3.7

あらゆる事がとんとん拍子で起きるので、良く言えばテンポが良かったが悪く言えばどうでもよく感じた。
特にジェーンがマイティ・ソーになる事や最後の展開はもっと丁寧に描いて欲しかった。物語内でそうなるべき必
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ディアスキン 鹿革の殺人鬼(2019年製作の映画)

3.8

ジョルジュが狂人なのは当然としても、映画作りを手伝うドゥニースも狂人であり、ラストは唐突でありながら必然性を感じた。何かに取り憑かれた人は多少なりとも常軌を逸した行動に走る事をブラックコメディ気味に示>>続きを読む

タバコは咳の原因になる(2022年製作の映画)

4.1

初めてカンタン・デュピューの作品を観たが、かなりぶっ飛んだコメディだった。そこそこグロい描写が多く、それが作品のスパイスになっており、自分好みだった。

初っ端から日本の特撮をオマージュしたような怪物
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パリはわれらのもの(1961年製作の映画)

3.9

ジャック・リヴェット的としか言いようのない世界観が繰り広げられていた。ジャック・リヴェット的な世界観とは世界を裏で支配する何かが現実に徐々に侵食してくる世界観であり、言い換えれば陰謀論的な世界観とも言>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

4.0

難しいことを一切考えずに笑える作品だった。夫はモラルセンターの役割を担っているので観ている側も夫婦の感情が理解しやすかった。ブラックコメディとしても誰が観ても笑えるネタばかりだった。フランス映画らしく>>続きを読む

ラルジャン(1983年製作の映画)

3.9

ロベール・ブレッソン的と言うしかない程に特殊な作品だった。それは主に3つの点で感じられた。

1つ目は異様なまでに手のアップが多い点である。動作主の表情や全体は見せず、動作を行う手だけを映すカットが非
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ある秘密(2007年製作の映画)

4.2

壮絶な半生を、時系列を交差させる事で推進力をそのままに描いていた。前半はフランソワの幼少期の葛藤が描かれるが後半ではその葛藤が個人的な妄想ではなく、背景に両親の過去が絡んでいることが示される。
本作を
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なまいきシャルロット(1985年製作の映画)

4.1

オープニングのジュークボックスから流れるSara Perche Ti Amoで一気に掴まれ、シャルロットの魅力が終始光る作品だった。
思春期特有の子供っぽさと大人らしさが混じった特有の雰囲気と振る舞い
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伴奏者(1992年製作の映画)

4.5

全ての場面が格調高い上に視線や表情で心理描写しており、まさに「映画を観ている」と思わせる映画だった。
格調の高さは上流社会の煌びやかさだけでなくソフィやイレーヌの表情にも表れていたし、彼女達の存在こそ
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検察官/勾留(1981年製作の映画)

3.8

舞台はほとんどが警察署内にも関わらず、延々と続く会話を飽きずに観ることが出来た。人物の撮り方や編集によって、会話劇に奥行きを持たせており、その点で映画的だった。
特に人物の撮り方は印象的で、複数人が1
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女っ気なし(2011年製作の映画)

4.0

ヴァンサン・マケーニュの童貞臭さと母娘のセクシーさが良い具合にマッチしており、3人の交流が観ていて心地良かった。
3人とも一面的なキャラではなく、彼らなりの優しさが垣間見えるので愛着が感じられた。
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遭難者(2009年製作の映画)

3.7

シルヴァンの常識では考えられない行動によって関係性が変化するのが、些細な話だが面白かった。常識では考えられない行動とは言っても表面上は悪くなさそうな行動なのでシルヴァンが困惑するのも分からなくはない。>>続きを読む

7月の物語(2017年製作の映画)

3.7

「みんなのヴァカンス」に通じるものを感じる作品だった。どちらの作品もある特定の期間の終わりに向けた話である事で共通しており、人同士の関わりがその期間限りのものである事が一抹の儚さを感じた。
本作は「み
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勇者たちの休息(2016年製作の映画)

3.4

連続鑑賞の2本目だったので途中で強烈な眠気に襲われ、部分的に内容を覚えていない箇所もあった。ドキュメンタリーと知らずに最初は観ていたが画面の雰囲気はギョーム・ブラックそのものでロケーションが際立ってい>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.5

最高に眼福なバカンス映画だった。映る風景全てが最高に映えていたので自分もあんな場所でバカンスを過ごしたいと思った。
登場人物も愛着を感じさせるキャラなので観ている間笑えたりホッコリした。
起こる出来事
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グリーンバレット(2022年製作の映画)

4.5

今回も見事に色んなキャラが魅力的だったし、アクションも最高だった。ミスマガジン6人のキャラが全員ちゃんと立っていただけでなく、終盤のアクションは演技素人とは思えないレベルの高さだった。アイドル映画とア>>続きを読む

やさしい人(2013年製作の映画)

3.8

初めてギョーム・ブラック監督の作品を観た。「エリック・ロメールの後継者」みたいな評価をちらほら見かけていたのでとても気になっていた。本作だけを観た印象だとカメラワークや編集といった映像面は非常にロメー>>続きを読む

激怒(2022年製作の映画)

3.4

髙橋ヨシキ氏の初監督作品であり、規模が小さめということもあってなのか全体的にチープさを感じた。あまりにも設定やストーリー、照明が安っぽかったが、良い風に捉えれば監督の主張をカリカチュアした作品ともとれ>>続きを読む

灼熱の魂 デジタル・リマスター版(2010年製作の映画)

3.6

画面の力強さはやはりドゥニ・ヴィルヌーブだと思った。ただ全体を通してかなり静かめの作品なので途中で強烈な眠気に襲われた。宗教間の対立は自分にとってあまり馴染みがない上に過去と現在を交互に見せるので話に>>続きを読む

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

映像体験に特化した作品だった。ジョーダン・ピール作品と言えば社会派ホラーというイメージが非常に強いが、本作はそのイメージと異なり、新たな側面を見せていた。

髙橋ヨシキさん曰くシャマランは「ムーを真顔
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.9

15歳の少女を巻き込んで何してんだよ!と言いたくなる話だった。その当時のフランスだったら受け入れられたのかもしれないが、今の感覚では正直どうかと思うような作品だった。
しかしポーリーヌを演じたアマンダ
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美しき結婚(1981年製作の映画)

3.9

「共感しにくい女性」はもはやロメール作品の十八番なんだと思うようになったが、本作はそれでも強烈に感じた。まさに冒頭のラ・フォンテーヌの「夢想にふけらない人がいようか。空想を描かない人がいようか。」がそ>>続きを読む

飛行士の妻(1980年製作の映画)

3.9

エリック・ロメールらしい偶然から巻き起こるドラマが今回も面白かった。その上本作は自分が観てきたロメール作品の中でも1番伏線が張られていた様に感じ、それが印象的だった。
伏線として書き置きやメモが何度も
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C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

4.0

様々な演出によって躍動感が感じられ、寓話的な雰囲気があった。しかし登場人物の微妙な気持ちの変化は現実的であり、共感を覚える部分もあった。
特にザックに関しては父親の望む姿と自分が望む姿の間で葛藤し、そ
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女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

モキュメンタリーのホラー映画としてなかなかの良作だった。儀式の禍々しさが観られたし、徐々に事態が悪化していくので飽きずに観られた。

祈祷師ミム役のサワニー・ウトーンマとミン役のナリルヤ・グルモンコル
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哭声 コクソン(2016年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

2時間半が長く感じる程にまとまりが無く、薄く感じた。やってる事は「エクソシスト」と「CURE」を足したような事だがその両方の良さがあまり感じられない作品だった。

こういった土着信仰ホラーは禍々しさや
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緑の光線(1986年製作の映画)

3.8

共感しにくいヒロインとさまざまな迷信によって寓話的な雰囲気があった。とにかく誰かと一緒じゃないと気が済まないヒロインは自分には全く共感できなかったが、唯一「相手のことを観察して色々考えているのに自分に>>続きを読む

パリのランデブー(1994年製作の映画)

3.8

なにか非日常的な出来事が起こる訳ではないのに、偶然が介在する事で人間の面白さが感じられた。
特に「7時のランデブー」はコミカルでありながらちょっとだけスリリングで、「偶然と想像」の第1話を彷彿とさせた
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セルビアン・フィルム(2010年製作の映画)

3.8

まさに「人でなし」の映画であり、こんな映画を撮るなんてどうかしてるとも思った。観終わった後は気持ちがガクッと落ち込み、真面目にこの映画について考えるのが難しい程だった。
しかし時間を経て振り返るとこの
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.3

圧倒的なスケールで実話をベースにした社会派のアクション映画を作り、それがちゃんとヒットする韓国社会と韓国映画の成熟ぶりがとても羨ましくなった。ソマリアを舞台にしていながら隅々まで手が行き届いている事が>>続きを読む

ボイリング・ポイント/沸騰(2021年製作の映画)

3.9

寿司屋でホールのバイトをしている飲食店業の端くれとして、このレストランの様子の端々に「あるある」と感じた。 それと共に飲食業界に携わる人たちのプライドや業界のハードさをヒシヒシと感じた。
冒頭の開店前
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.7

PTA作品は初めて観たが、面白さよりも困惑が勝った。子供でありながら大人っぽくあろうとするゲイリーと、大人でありながら奔放な生活を続けるアラナの恋模様自体は微笑ましいが、あらゆる出来事が唐突に起こり、>>続きを読む

グレイマン(2022年製作の映画)

4.0

ストーリーなどあって無いような作品だったがアクションと、何よりもアナ・デ・アルマスを最大限楽しめた。
チェコでの市街戦のシーンは金がかかっているだけあって非常に豪快だった。
ただライアン・ゴズリングと
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バッドマン 史上最低のスーパーヒーロー(2021年製作の映画)

4.0

5秒に一度は笑っていたんじゃないかと思うほど笑いっぱなしの作品だった。パロディと下ネタと皮肉がてんこ盛りで、これをコメディ映画に仕立て上げる辺り、さすがフランスだと思った。その上アクションはキレキレで>>続きを読む

コンジアム(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

POVホラーとして文句なしの作品だった。全てのPOV画面に理由がある上にそれを恐怖演出に活かしているため、POVだからこそのホラーになっていた。その上で恐怖演出も不気味で強烈だったので単純にホラーとし>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじだけ読むとありきたりすぎるホラーであり、実際に観てもホラー演出はごく普通だが、本作のテーマはA24製作とあって普通のホラーでは見かけないものになっていたし、それを古典的なホラー映画のあるあるを>>続きを読む