tkykさんの映画レビュー・感想・評価

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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.0

人間関係や登場人物の心情の変化はささやかでありながら正確に描写しており、起こる出来事のスケールは非常に小さいながらも観終わった後の変化は劇的に感じられた。
山添と藤沢の話がメインでありながら、登場人物
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ネクスト・ゴール・ウィンズ(2023年製作の映画)

3.8

アメリカ人コーチが現地の文化を受容しつつ、チームを戦う集団に変えていく様は王道的な展開であり、何も考えずに楽しめた。ただ、主人公が乗り越えた葛藤とその結果たどり着いた結論が「楽しむ」に収斂していたのは>>続きを読む

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.3

不条理映画としてぶっ飛んだものが観られると期待していた分、提示されたものは期待外れだった。理屈が通らない場面であっても「こんなの見たことない!」と思えれば、不条理映画として上出来だと思うが、本作では特>>続きを読む

イースタン・プロミス(2007年製作の映画)

3.9

ヴィゴ・モーテンセンの只者じゃない感がとにかく炸裂している作品だった。有名なサウナでの素っ裸格闘シーンは半分コメディのようにも感じたが、ヴィゴ・モーテンセンの存在感故に緊迫感もあった。

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

とにかく世界観が素晴らしかった。その圧倒的な世界観の中で女王の寵愛を巡る争いを繰り広げるエマ・ストーンとレイチェル・ワイズの演技はとても見応えがあった。複数の人間関係がそれぞれの利己心によって不可逆的>>続きを読む

パンチドランク・ラブ(2002年製作の映画)

3.7

アダム・サンドラーの不安定な感じはとても良かった。劇中のナンセンスに見える場面も彼の不安定な精神を体現しているようだった。

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

圧倒的な世界観と映像は魅力的だったし、内容もとてもランティモスっぽいと感じた。とにかくセックス描写が満載でエマ・ストーンの体当たりの演技は素晴らしかったと思う。世界観で言えば所々でキメラみたいな奇天烈>>続きを読む

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.7

胸糞映画の代表に挙げられることがある本作だが、その実前半の巧みな演出が観客に感情移入させている点には関心した。卵を貰いに来た青年の行動はパッと見では全く気にならないはずなのに少しずつ映画内の一家同様観>>続きを読む

麻薬密売人 プッシャー(1997年製作の映画)

3.8

グラグラと揺れ動くカメラワークはドキュメンタリー感を醸し出していた。ドキュメンタリーテイストで描かれるのは麻薬密売人のてんやわんやであり、そのドタバタ感がひっきりなしに動くカメラワークと合っていた。>>続きを読む

籠の中の乙女(2009年製作の映画)

3.8

とにかくシュールな場面の連続でランティモス節全開な作品だった。本作の「外界と全く接点がないとどうなるか」という主題以上に本作は突発的な暴力描写が印象的だった。

ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

4.0

人生の不条理をここまでコミカルに描いた作品は初めて見た。デュードことリボウスキがのらりくらりと事態に巻き込まれていく姿はとても愉快で、本当はダメダメ人間であるはずのリボウスキの暮らし方が少しだけ憧れに>>続きを読む

エンド・オブ・ウォッチ(2012年製作の映画)

3.9

手持ちカメラで撮影されたモキュメンタリー風の作りがLAの物騒さを表現していた。テイラーとザヴァラの軽妙なトークは2人のバディ感を非常に見事に表していた。LAの大小様々な騒ぎの中に麻薬カルテルが関わる闇>>続きを読む

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

マーロのイライラが募る前半からタリーという救世主が現れて人生が華やかになる後半…とはいかない何とも辛く、それでも全てを肯定してくれるような絶妙なバランスの作品だった。

本作はとにかくシャーリーズ・セ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

3.7

ゆったりとした雰囲気の中で淡々とクッキーとキングの友情が成立してゆく過程が描かれていた。出てくるドーナツが形は不揃いであるが美味しそうだったのが印象的だった。

市子(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

市子を演じる杉咲花の魅力も然ることながら彼女を探し続ける義則を演じる若葉竜也の佇まいや表情がとても素晴らしかった。
無戸籍である事の苦しみやそれに伴う自我の喪失への恐怖が杉咲花の儚い雰囲気から表れてい
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インターステラー(2014年製作の映画)

4.9

センス・オブ・ワンダーとは何か、SFとは何かという問に対する唯一にして最高の答えのような作品だと思う。映像と音楽がその動静まで含めて完璧に一致した結果、高度な映画体験を生み出していた。
それでいて物語
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.9

カウリスマキ作品は初めて鑑賞したが、素っ気なさの中に豊かな感情の変化を感じられた。
役者の演技のテンションは一目見て癖ありと分かる程素っ気なく、感情がこもってないようなものである。しかしその素っ気なさ
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

3.6

小難しい事をダラダラ話しながら殺しの準備をするまではその小難しさがどことなくスタイリッシュに思えたが、殺しに失敗して以降は復讐をするために飛び回っているだけであまり面白みが感じられなかった。

Saltburn(2023年製作の映画)

3.7

バリー・コーガンは良かったが、一族を乗っ取る話としては弱く感じた。一人一人を手玉にする過程が性急に思えた上に最後に種明かしして万事解決したかのようにしてるのはあまり頂けなかった。

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.4

ほとんどゲゲゲの鬼太郎の知識は無い状態で鑑賞したが非常に優れた作品だった。因習村ホラーからノワールそして超能力バトルと色んなジャンルを横断しつつそのどれもが非常にクオリティが高かった。そして作品の随所>>続きを読む

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

4.2

1人の少女の成長とそれを侵食する戦争を鮮明に描いた作品だった。
トットちゃんが出会う人や体験は彼女を肯定し、成長させる存在であり、トットちゃんがそういった存在と触れる時のワクワク感や瑞々しさが前半は印
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ナポレオン(2023年製作の映画)

4.0

一大スペクタクルな映像の連続で見応えがあった。一つ一つの歴史的出来事は意外とあっさりと片付けられている印象だったが、物語の本質は歴史的出来事の叙述というよりもナポレオンとジョゼフィーヌの関係性に重きが>>続きを読む

ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.6

前半の不時着シーンから見応えがあった。島に不時着してからもテンポよく話が進むので退屈せずに観られた。1番良かったのはテロリストを車もろともライフルで撃ち抜く場面であり、とても痛快な場面だった。
ただ傭
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.6

入れ替わりながらのアクションは観ていて楽しかったが、ストーリーは非常に雑に思えた。ドラマを観ていない自分にとっては全く説明されないキャラクターが多いのでイマイチキャラクターに魅力を感じられなかった。と>>続きを読む

反撥(1964年製作の映画)

3.7

冒頭の瞳のどアップにギョッとさせられたのに象徴するように本作は顔のショットが非常に印象的だった。キャロルの表情、特に視線は常に不安定で彼女がどんな状態なのか全く掴みどころがなかった。
そしてその不安定
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

3.8

超王道のストーリーだが、見終わった後は清々しい気持ちになり、日本のウィスキーが飲みたくなった。
主人公の1人である高橋はちょっとどうかと思うぐらい怠惰でウィスキーに関して全く無知であるが、その知らなさ
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

ゴジラが現れる場面は2億点、それ以外の場面はマイナス2億点総じてギリ普通の映画になっているという印象だった。
とにかくゴジラが現れる場面は全てゴジラの怖さに圧倒されっぱなしだったが、ゴジラが出なくなる
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.0

3時間以上にわたって繰り広げられる策略と暴力に満ちたドラマは人間の欲望に対する執着と取り憑かれた人々の狂気と暴力性をドライに描いていた。
策略にまんまと取り込まれるディカプリオの「何も分かってない」感
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イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.8

意外にもアクション場面が少ないのが印象的だった。その分マッコールが動いた時の残酷さはどうかと思うレベルだった。
アクション要素が抑えられた分描かれているのは市井の人々との交流であり、マッコールの善良さ
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不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

3.9

異色な存在である2人のラブストーリーであるがその味わいは苦いものだった。作品冒頭から注がれる視線や言動はエミの疎外感や異色さを表していた。それに加えてアリに対しても非常に強烈な差別感情が注がれるため、>>続きを読む

ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.9

ひたすらアクションを垂れ流すシリーズの極北とも言える作品だった。日本の場面は大阪コンチネンタルの妙な日本観とアクションがマッチしてある意味面白かった。
終盤のパリのシーンはもはや撮影の裏側に思いが至る
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オペレーション・フォーチュン(2023年製作の映画)

3.4

久しぶりに「つまらない映画を観た」と思わせてくれる作品だった。何一つとして印象に残る場面が無く、キャラクターもあまり立っていなかった。
個人的にはジェイソン・ステイサムが無双してくれれば満足だったが、
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ジョン・ウィック:パラベラム(2019年製作の映画)

3.8

馬を用いたアクションが印象的だった。それに加えて終盤のコンチネンタルでの銃撃戦も見応えがあった。しかし肉弾戦になるとキアヌ・リーブスの動きに鈍重さが少し感じられた。

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

3.8

1作目に続いて本作も2度目の鑑賞だったが地下道での銃撃戦はやはり見応えがあった。その上敵キャラが魅力的だったのも印象的で特にルビーローズのキャラはとても良かった。

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.8

ジョンウィックは既にテレビで観ていたので2度目の鑑賞だった。黒電話に象徴されるようにレトロチックな世界観が改めて見ると新鮮だった

ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.9

普通の主婦が王様の墓を掘り当てるというストーリーだけで観たくなったが、それが実話である上に王様が悪名高いリチャード三世であるというのでより一層面白そうに感じた。

正当に評価されない主人公がリチャード
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