センス・オブ・ワンダーとは何か、SFとは何かという問に対する唯一にして最高の答えのような作品だと思う。映像と音楽がその動静まで含めて完璧に一致した結果、高度な映画体験を生み出していた。
それでいて物語の内容も人間ドラマの側面、SFとしての側面の両方で現実を超越した展開を描いており、映画ならではのフィクション性が十二分に表れていた。人間ドラマの側面で言えば「愛」の力が奇跡的な結末をもたらす。SFの側面で言えば現実では限りなく不可能なブラックホールの内部に入り込む事でこれまた奇跡的で超越的な展開をもたらす。現実世界では一笑にふされるかもしれないものが本作では非常にロマンに溢れるものになっており、映画におけるイマジネーションの力を感じさせた。2時間半を超える作品でありながら全く隙がない作品だと思う。
