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タリーと私の秘密の時間のtkykのネタバレレビュー・内容・結末

タリーと私の秘密の時間(2018年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

マーロのイライラが募る前半からタリーという救世主が現れて人生が華やかになる後半…とはいかない何とも辛く、それでも全てを肯定してくれるような絶妙なバランスの作品だった。

本作はとにかくシャーリーズ・セロンが体当たりの役作りをしており、育児の過酷さが非常に伝わってきた。だからこそ前半は否が応でも子育てで募るイライラに観客が感情移入してしまう。
そしてタリーが現れてからはタリーの、素性が分からない故の不思議な魅力とマーロを全面的に助ける力強さがマーロだけでなく物語全体も明るくしていた。
物語が進むにつれて脚本的に無理があるような展開が散見されるようになるが、それが本作の絶妙なバランスを生み出していた。真相が明らかになると実はもっと前から微かな違和感や伏線が散りばめられていた事が明らかになり、それが家事育児をマーロだけに背負わせていた事実とそうなってしまった理由を明らかにしていた。だからこそ1番最後のショットに繋がる訳であり、今後の家族が前向きに過ごしていけるのではないかという予感を感じさせてくれた。

本作と「ヤングアダルト」を観るとシャーリーズ・セロンとディアブロ・コディとジェイソン・ライトマンの組み合わせの良さを感じさせた。この3人でもう一本観たくなった。
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