tkykさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

序盤は非常に良かったが後半は中弛みした上に終わり方もイマイチスッキリしないものだった。
前半の良さはなんといってもバットマンのカーアクションである。バットモービルが街中を駆け巡る場面は非常にアガった。
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.7

色んなテーマを詰め込もうとしてぼやけている作品だった。死刑制度の是非や食品偽装、親子間の性暴力などどれも重いテーマであるがそれらを同時に扱おうとして三隅同様に軸が無い感じがした。役所広司や広瀬すずが非>>続きを読む

海街diary(2015年製作の映画)

3.8

主演4人だからこそ見れる作品だと思った。それほどにストーリーの起伏は無かった。しかし完全に平坦な作品かと言うとそういうわけではなく、是枝作品に通じる「家族の不安定さ」が滲み出ており、その点で作家性を発>>続きを読む

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

3.7

多くの部分を観客に委ねるタイプの映画だった。作品のテーマ的にもそうなるのは必然であり、主人公と同じ視点にあえて観客を置いているのは分かるが、それにしても「委ねすぎでは?」と思うほどに父親の背景や心情が>>続きを読む

ソフト/クワイエット(2022年製作の映画)

3.7

映画的な興奮がない点においてヘイトクライムの生々しさが表出しているように感じられた。ただその事が映画的な恐怖や不快感につながっていないように感じた。理由の一つには全編ワンカットの縛りによって多少間延び>>続きを読む

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

3.9

自分と似た境遇の主人公に非常に共感したと共にそこはかとなく漂う緊張感が「家族」の不安定さを感じさせた。
家族の不安定さとはすなわち家族は血の繋がりだけに依拠した関係に過ぎないことを意味するが、血の繋が
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.6

長い割に伝わるメッセージが薄く感じた。ケイト・ブランシェットの存在感はなかなかのものだったが、不規則だったり行間がある編集のせいで話にのめり込めなかった。

最後まで行く(2023年製作の映画)

3.9

韓国版に劣る事なき良作だった。日本に合わせた展開やリメイク元と同じ展開以外にも敵側視点の展開を加えているのでリメイク元とは違った良さもあった。お互いが最悪の事態を死に物狂いで切り抜けようとする様子は滑>>続きを読む

ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.6

何となく色んなことがぼんやりしているような作品だった。ぬいサーの面々は各々葛藤を抱えているようだが、葛藤が示されたと思うとそれが放ったらかしのまま映画が進むように感じられ、ぶつ切り感や説明不足感があっ>>続きを読む

3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)

4.1

リメイク元は観たことがないが、それでも西部劇が持っているであろう良さを十分に表現した作品だった。
ラッセル・クロウとクリスチャン・ベールの好演が二人の関係性の変化を魅力的かつ説得力あるものにしていたし
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最後まで行く(2014年製作の映画)

3.9

ノンストップで事態が進むので飽きずに観られた。最悪の事態を何とか乗り切ろうとする序盤、真実を知る人物と出くわす中盤、その人物と対決する終盤と絶えず物語が展開しているが所々に伏線やアクションが散りばめら>>続きを読む

バリー・シール/アメリカをはめた男(2016年製作の映画)

3.7

バリー・シールがどんな人物なのかを駆け足で描いたような作品だった。CIAと麻薬カルテルの両方に仕えた人物となれば非常に面白いストーリーになりそうだが、何がどうなっているかを深く描かずにバリー・シールの>>続きを読む

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.0

GotGの集大成としてそれなりに楽しめる作品だった。いつもの通り様々な曲が作品を色付けしていた。ケイパーものとしてもよく出来ていたし、ジェームス・ガンならではのオフビートな笑いも楽しめた。ただ特筆すべ>>続きを読む

スマイル(2022年製作の映画)

3.8

可もなく不可もない作品だった。笑顔の不気味さはそれなりにあったがそれ以外の恐怖要素がほとんど無いように感じられた。恐怖要素であろう場面は怖いというよりもびっくりするだけなのであまり感心できなかった。>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.9

モンゴル映画は初めてだったのでどんなものかと期待して観たところウェルメイドな作品だった。主人公のサロールのキャラクターを行動で見せている点に特に作りの良さが感じられた。その他にも要所で流れる音楽も良か>>続きを読む

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)

3.9

イスラム版「ゾディアック」+「ドラゴン・タトゥーの女」といった作品だった。家父長制とイスラム教の悪魔融合によって起こった事件に立ち向かう女性記者の話であるが個人的にはスパイダーキラーの方が印象的だった>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.0

あらゆる伏線を張り巡らせてそれを一気に回収する脚本の上手さが炸裂した作品だった。PCの画面上だけという設定が制限になるかと思いきや様々な仕掛けに寄与しており、全く飽きなかった。話のスケールやキャラクタ>>続きを読む

AIR/エア(2023年製作の映画)

3.9

エアジョーダンの誕生までのドラマが知れる作品だった。手際よくソニーのキャラクターを描いた上でビジネスの駆け引きを見せており、彼がジョーダンに懸ける思いの強さや説得力が感じられた。ソニーはハイリスクな賭>>続きを読む

囚われの女(2000年製作の映画)

3.7

多くの人が書いている通りアケルマン版「めまい」といった作品だった。男女の意識の違いを独特の描き方で示していた。アケルマン特有の長回しも炸裂していたが、今回はそれが強烈な眠気を誘っていた。どうやらシャン>>続きを読む

オオカミ狩り(2022年製作の映画)

4.0

終始暴力が繰り広げられるので久しぶりに刺激的な体験をした。ここまで振り切って多様な暴力をエンタメで見せてくれるあたりに韓国映画のレベルの高さを感じた。
ただ後半のツイストに対する説明的な場面が本作のテ
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ゴールデン・エイティーズ(1986年製作の映画)

4.0

他の作品と違って非常に明るくカラフルな作品だった。それでも所々に切ない場面があり、そのバランスが見事だった。ミュージカルコメディとして上等な作品だと思う。

一晩中(1982年製作の映画)

3.7

脈絡もなく色んな場面が映される構成についていけない部分もあったが、珍しい映画体験だった。どんな映画であるかを知った上でもう1回見て見たら印象が変わるのかもしれない。

故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.8

ひたすらにNYをじっと映す場面が続くので、ドキュメンタリーと知らずに観た身としては非常に面食らった。しかし時間が進むにつれ、NYの人だかりがそれ自体多くの物語を孕んでいるように思えてきた。時折挟まれる>>続きを読む

街をぶっ飛ばせ(1968年製作の映画)

3.9

トーキー映画を感じさせる音の使い方が非常にインパクトがあった。常に何かしらの音が自然に、もしくは不自然に鳴っている辺りに不穏さや彼女の内面の不安定さが感じられた。彼女の振る舞い自体もどことなくADHD>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー(2023年製作の映画)

4.2

前作のゆるさとキレキレのアクションの組み合わせがそのまま引き継がれているのは良かった。それに加えて敵役の兄弟も非常に良かった。対決後のなんとも言えない連帯感と殺し屋としては当然の結末のギャップが悲壮感>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.5

仮面ライダーを使ってエヴァンゲリオンでやったことを繰り返しているだけのように感じた。アクションシーンの見づらさや説名台詞の多さは全く映画の良さに寄与していなかった。
褒められる点としてはオーグのデザイ
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The Son/息子(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

非常に似た状況を体験した身としては共通点や違いに共感しながら観ることができた。

『The son 息子』という題名でありながら本質的には男性性の有害さを描いているように感じた。父親でありながら息子で
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.6

結論から言うとどっちにも振り切れていない中途半端な作品だった。主人公がマルチバースで敵と戦うというストーリーだけだとかなりぶっ飛んだ作品になるのかと思っていたし、実際ぶっ飛んだ場面はあるが、終盤はマル>>続きを読む

バニシング・ポイント(1971年製作の映画)

3.8

ただひたすら車が走るだけのヘンテコな映画でありながら不思議な魅力を感じた怪作だった。『デスプルーフ』で最高の車映画として挙げられていたのでずっと気になっていたが、観ると本当に文字通りの車映画だった。>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.5

桐島に続く青春映画の傑作だった。役者陣の自然すぎる演技と本作が持つテーマの両方において青春映画の水準として非常に高かった。
本作に対して自分が持った最初のイメージは「河合優実の主演作」というものであっ
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

冒頭で巧みに主人公の特徴を示していたにも関わらず、終盤がそれに呼応していないのが非常に残念だった。それに加えて食人のえぐさがあまり感じられなかったのも残念だった。
冒頭のインパクトあるシーンと呼応させ
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.0

とにかく主人公たちの情熱と圧倒的な音楽でゴリ押ししている作品だった。雑な部分がとても目立っていたがその粗さが主人公たちのキャラクターとマッチして気にならなくなっていたし、観終わった後にジャズを聞きたく>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

4.1

ここまでストレートにゲイの恋愛を扱った映画は見た事がなかったので非常に貴重な経験ができた。とにかく鈴木亮平と宮沢氷魚が魅力的だったし、実在感があった。
エゴイストというタイトルに込められた意味にはとて
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

4.2

宗教を題材にした17世紀の話でありながら、起こっていることは現代にも通じることだった点に人間の本質みたいなものを感じた。
修道院という組織の中で神という絶対的な権力を盾にのし上がっていく様はまさに現代
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

4.0

まさに「一期一会」な作品だった。ラウラの寝台列車での旅を観客も追体験する事で、ラウラがリョーハに出会うのと同じ体験を観客は本作に出会うことで体験していた。

本作はモスクワからムルマンスクまでの長旅を
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#マンホール(2023年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

日本でちゃんとしたワンシチュエーションスリラーを作ろうという意志は感じたのでその意気や良しだとは思ったが、それ以上の良さは無く、むしろ脚本や演出はもっと練り直す必要があり過ぎると思った。

全編を通し
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