tkykさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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コンジアム(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

POVホラーとして文句なしの作品だった。全てのPOV画面に理由がある上にそれを恐怖演出に活かしているため、POVだからこそのホラーになっていた。その上で恐怖演出も不気味で強烈だったので単純にホラーとし>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじだけ読むとありきたりすぎるホラーであり、実際に観てもホラー演出はごく普通だが、本作のテーマはA24製作とあって普通のホラーでは見かけないものになっていたし、それを古典的なホラー映画のあるあるを>>続きを読む

ビリーバーズ(2022年製作の映画)

3.9

人間の欲望は抑えきれない事をこれでもかと描いた力作だった。人間特有の信仰心や理性と動物として本来持っている欲望との間で揺れ動く様を磯村勇斗、北村優衣、宇野祥平の3人が見事に演じていた。
磯村勇斗に関し
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呪詛(2022年製作の映画)

3.9

怖い作品だったがそれ以上に嫌なものを見てしまったと思わせる作品だった。
序盤から恐怖演出のつるべ打ちであり、現在と過去を交互に見せる事もあって物語の推進力は衰えずに見ることができた。特に過去における地
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

確固たる自分の理想像を持てずにいる主人公を虚構と現実を織り交ぜながら描いていた。主人公のユリヤがどんな人物であるかは序章がわかりやすく示しており、それを念頭に置いて本作を見ればユリヤの気持ちのゆらぎに>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.4

ジュブナイルホラーの良作という評判が散見されたので久しぶりにブラムハウスの良作ホラーか観られると期待していたが全く物足りなかった。

妹が予知夢を見るという能力がある事が散々描かれるが終盤はその能力が
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.8

映画ファンの間での話題の沸騰ぶりに反して公開規模が小さいためか、自分が観た日はどの回も完売だった。それほどの話題作であったが、感想としては前半は頑張っていたが後半は失速していた。

前半はゾンビ映画の
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恋は光(2022年製作の映画)

4.2

三者三様な女性と西条を通じて「恋の定義」を探る作品だが、示唆的だったり難解な台詞が散りばめられ、そういった台詞を楽しむ文学的、詩的な作品だった。普通に映画を観るよりも台詞を聞き取り、理解するのに頭を使>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.0

何かを好きになったり、何かを作ったりすることの良さが詰まった作品だった。余計ないがみ合いが無く、お互いに歩み寄り、理解し合う人ばかりなので嫌な気持ちになることなく、いい気分のまま観終わることが出来た。>>続きを読む

神は見返りを求める(2022年製作の映画)

4.5

「空白」以上の作品を連続して撮ってしまう吉田恵輔監督は本当に恐ろしいと思った。とにかく人間の複雑さ、嫌さを正確に描く映画を撮ることにおいては日本で彼の右に出る人はいないのではないかと思う。「空白」では>>続きを読む

殺さない彼と死なない彼女(2019年製作の映画)

3.8

序盤は固い言い回しや馴れ馴れしい態度がとても気になったが段々とそれを受け入れられるようになり、気づいたら見入ってしまった。
3組の恋愛模様が交互に映されるが、どの人物もかなり変わっている。「死ね」や「
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冬薔薇(2022年製作の映画)

3.5

非常に今までの伊藤健太郎と重なる作品だった。彼を筆頭に出る役者全員が見事にハマっていた。特に永山絢斗と毎熊克也の半グレは見事だった。そして今回も河合優実が出番は少ないながらも非常に印象的な好演だった。>>続きを読む

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.7

「カルピスを大量の水で割りすぎた」様な作品だった。扱う題材は非常に重く、それの描き方自体はちゃんとしているだけに映画の時間に対して描いている内容が薄く感じた。とにかく間が長く、本筋とズレた場面が散見さ>>続きを読む

きさらぎ駅(2022年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

話題になっていたので気になって鑑賞した。アイデア自体はまあまあ良かったが期待以上のものは無かった。
1番気になったのはどことなく漂う安っぽさだった。小規模の映画なのでしょうがないがCGが安っぽいのでイ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.5

どストレートの豪速球みたいな作品だった。いちいちカッコいいシーンが続くので小難しい事は一切考えずにスクリーン全体にのめり込めた。

色んな観点から本作を考える事ができると思うがまずは「トップガンの続編
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わたし達はおとな(2022年製作の映画)

4.2

「ブルーバレンタイン」「レボリューショナリーロード」に並ぶ「倦怠期カップル」ものの傑作であり、ここ最近の「花束〜」から始まった日本の一連の恋愛映画の流れにとどめを刺す作品だと思う。

とにかく非常にリ
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春のソナタ(1989年製作の映画)

3.9

どのシーンも空間の映し方が印象的だった。どのシーンも均整のとれた構図になっており、絵画のような美しさを堪能できた。特に室内での奥行きは印象的だった。本作では画面内に2つの部屋とそれらを隔てるドアが収ま>>続きを読む

冬物語(1992年製作の映画)

3.9

全く共感できない主人公でありながら、彼女の恋の結末が気になり、エンディングではなんとなくスッキリした気分になる作品だった。
普通に考えてフェリシーは自分勝手な女性であるはずが本作では「それもありかも」
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ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)

3.9

バカ映画でありながら、現代社会を風刺する要素があり、意外にも倫理的な作品だった。とにかく他人の人命や尊厳など関係なく、過激なものを見たいという欲を容易に消費したり、他人を攻撃したりするのは特に現代では>>続きを読む

ミッション:インポッシブル2(2000年製作の映画)

3.8

そんなのあり?と思うような展開が散見され、トンデモ感が1作目より増していた。しかし終盤のアクションは非常に見物だった。

トンデモ展開で言えば、人面マスクの異常なまでの使用は気になった。3回ほどマスク
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ミッション:インポッシブル(1996年製作の映画)

3.7

お馴染みのテーマソングや有名な天井からの吊り下がりシーンはテンションが上がった。
ストーリーは序盤はそれなりにスパイ作戦らしさがあって良かったが、真犯人が序盤でなんとなく察しがつくので中盤は却って若干
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トップガン(1986年製作の映画)

3.6

テレビで見て以来2回目の鑑賞だった。作品自体はあまり観たことがなくても、音楽は何回も聞いたことがあり、それこそ小さい頃は車の中でサウンドトラックが流れていたので非常に聞き馴染みがあった。そしてその音楽>>続きを読む

オブリビオン(2013年製作の映画)

3.5

広大な世界観とディストピア感、ガジェットのカッコ良さは絵面としては非常にSFとして魅力的だった。ただ真相がとにかく台詞でしか説明されないのは非常に残念だった。台詞で語られる真相こそ映像で見せて欲しかっ>>続きを読む

マイスモールランド(2022年製作の映画)

4.3

題材が題材だけに傑作と言いたくないが、それでも非常に優れた映画である事は間違いない。とにかく扱う題材が深刻でありながらそれが身近にあるものだと感じさせる作りと、非常にリアリティのあるカメラワークや家族>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.9

オタクという程ではないが、小さい頃はウルトラマンが好きだった身としては本格SFとしてウルトラマンを観ることができただけでとても嬉しかった。特に序盤の初めてウルトラマンが現れるまでの展開はとても興奮した>>続きを読む

流浪の月(2022年製作の映画)

4.2

今年の映画の中でベスト級の作品だった。とにかくどのカットも重厚であり、安っぽさが全く無かった。それに加えて主要キャストの演技は当然の如く素晴らしかった。特に広瀬すずに関しては彼女の出た映画を見た事が無>>続きを読む

恋の秋(1998年製作の映画)

4.0

観終わるとスッキリした気分になる映画だった。イザベルやロジーヌがやってる事はいささか奇人じみているが、それを感じさせないほど各人の様子を軽やかに見せていた。終盤はまさにコントなので、ハラハラしながら笑>>続きを読む

夏物語(1996年製作の映画)

3.9

色彩豊かで洒落た場面の連続だった。特に男女ふたりが遠くへ歩き去る背中を固定で映すショットは絵画的に映えていた。ガスパールとマルゴ、ソレーヌ、レナの3人の女性のカッコ良さ、セクシーさもなかなかだった。>>続きを読む

悪人(2010年製作の映画)

3.7

舞台が佐賀、長崎、福岡という事で佐賀の人間としては前半は非常にズシンときた。祐一や光代が暮らしている地域は非常に佐賀や長崎の田舎を感じさせる地域なので彼らがそこから抜け出せない悲壮感が自分のことのよう>>続きを読む

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

3.7

脚本の雑さは気になったがそれ以上にジョン・ライダーという殺人鬼の魅力や彼とジム・ハルジーの奇妙な関係が素晴らしかった。
ジョン・ライダーに関しては一切のバックボーンも心情も語られないので現れた時の不気
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複製された男(2013年製作の映画)

3.6

ドゥニ・ヴィルヌーブらしく無機質な感じの画面が印象的だった。現実の世界を映していながら、その無機質感にセンスオブワンダーを感じさせるのはドゥニ・ヴィルヌーブらしさだと改めて思った。
話に関しては冒頭や
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マーターズ(2007年製作の映画)

3.8

最終的に思わぬところに辿り着いた作品だった。フレンチホラーの名作ということで前半はショットガン連発でいきなり血まみれになり、一気にアガった。その次に不気味な存在がちらつき、新たな展開になる。とにかく前>>続きを読む

死刑にいたる病(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

前半は良かっただけに後半はとても残念な感じだった。

阿部サダヲの榛村はとても良く、サイコパスなシリアルキラー感が出ていた。岡田健史の雅也についても佇まいだけでどんな背景の人物なのかが表れていた。
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彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

3.8

まずは蒼井優と阿部サダヲの演技が見事だった。特に蒼井優に関しては十和子という、共感しにくい人物に説得力を持たせていたと思う。彼女の雰囲気や演技が、彼女の背景や行動を納得させていた。
阿部サダヲに関して
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ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス(2022年製作の映画)

3.8

サム・ライミ感とMCUがちょうどいい塩梅になっていた。所々でスパイダーマンやスペル、死霊のはらわたのセルフオマージュらしき場面があるのでサム・ライミを感じた。それ以上に終盤はMCUではなく、まさにサム>>続きを読む

死霊のはらわた(1981年製作の映画)

3.8

起きている事態はとんでもないことなのに主人公が妙に冷静なのは面白かった。後半にいくにつれて残酷さが増していき、終盤は残酷というよりも汚らしい画の連続だった。若干チープにも感じたが、これでもかと言わんば>>続きを読む