tkykさんの映画レビュー・感想・評価 - 9ページ目

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犬鳴村(2020年製作の映画)

3.1

典型的なダメダメホラーだった。冒頭からそのダメさ加減が見て取れる程だった。冒頭はPOVなのだが、何も起こらずに延々と進み、途中で第三者視点になってしまう。観ている側からすればPOVの場面で何かしらビッ>>続きを読む

地に落ちた信頼 ボーイング737MAX墜落事故(2022年製作の映画)

4.3

最近フランス映画「ブラックボックス」を観ていたのもあって、興味をそそられた作品だった。観た後だと「ブラックボックス」以上の衝撃があった。
観終わって1番の感想としては「人命に関わるものには手間もコスト
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囚われた国家(2019年製作の映画)

3.9

「エイリアンに征服された地球」を可能な限りリアルに描こうとしている点で好感を持てた。宇宙船や近未来のガジェットもちゃんと見せてくれるのでその点も良かった。
本作から連想される作品としては「第9地区」や
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イカロス(2017年製作の映画)

4.0

オリンピックでのドーピングが話題になっているのでこれを機に鑑賞した。
序盤の「バレずにドーピングして大会に臨む」という試みは興味深く、出てくるロシア人科学者の胡散臭さが印象的だった。
しかし本番はそれ
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GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995年製作の映画)

4.3

全くアニメを観ない身からすると90年代にこんなアニメが既に存在していたのかと驚いた作品だった。特にオープニングクレジットはとてもかっこよく、マトリックスでサンプリングされるのも納得だった。
内容として
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.8

大前提として良い作品ではあったが、色んな要素が中途半端に合わさった結果、突出した何かがある作品になりきれていないのが勿体なかった。

本作はジャームッシュの「パターソン」「ナイト・オン・ザ・プラネット
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.0

5つの短編のオムニバス作品だが、どれも非常にウィットに富んだ会話が面白かった。登場人物は普通の人間なのだが、ちょっとだけ人と違う部分もあり、その差異を最終的に肯定する様な話でもあるので、どの話も明るい>>続きを読む

泣く男(2014年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

レフンの「ドライヴ」と昔話のごんぎつねと「アジョシ」を足したような作品だった。

「ドライヴ」要素については、エレベーターの場面がそう感じさせた。「ドライヴ」ではエレベーターの中の場面の光の演出やスト
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パターソン(2016年製作の映画)

3.8

「派手な出来事」が起きず、「普通の日常」を描く作品は殆ど観たことが無いので、本作は特殊に感じた。「日常」を描くためだからこそ、同じような場面を繰り返しているが、その繰り返しが特殊に感じられた。
しかし
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.8

引きのショットや喋っている人の顔をあまり見せないショットが多いので、どこか突き放した視線を感じるような作品だった。ストーリーも全く救われない話であるので、ある意味鑑賞後に心を揺さぶられた。物語的にも演>>続きを読む

ルーム(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

見事な構成と主演2人の演技が光る作品だった。特にブリー・ラーソンは本作でアカデミー賞を取ったのが頷けるぐらい目力が素晴らしかった。

本作は「ルーム」での日々、「ルーム」から脱出した直後、「ルーム」か
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.0

世界観としては寓話的な感じがしたが、ストーリー自体は60年代のアメリカ、引いては人間社会そのものを描いていた。
マッチョイズムやホモフォビア、黒人差別や女性差別が至る所で現れる点から特にそのように感じ
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.0

2時間40分のボリュームでありながらタイトな造りに感じた。それほどまでに物語に中身があり、一つ一つの場面がストーリーテリングしていた。
どの場面も物語の推進力の役割を果たしていただけでなく、GUCCI
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スパイダーマン:スパイダーバース(2018年製作の映画)

4.0

アニメだからこそ発揮されるような表現が素晴らしく、特に終盤は圧倒された。
マルチバースという点ではNWHと似ているが本作の方がマルチバースの意義を感じた。

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年製作の映画)

4.1

「グランドブタペストホテル」でウェス・アンダーソンが全開に表れていると思っていたが、本作はそれ以上のものを見せつけられた。

本作は色の使い方が印象的だった。白黒の場面とカラーの場面が混在しているため
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ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年製作の映画)

3.9

ウェス・アンダーソン独特の画面やカメラワークは相変わらずだが、本作の1番の魅力はグウィネス・パルトロウだった。彼女が出る画面全てが非常に魅力的だったし、どこにいるかという点もウェス・アンダーソン的な画>>続きを読む

ソウルフル・ワールド(2020年製作の映画)

4.5

アニメ映画はほとんど見てこなかったが、本作を観る事ができて非常に良かった。大人も子供も誰もが楽しめるアニメ映画があるという事を認識できたという点でも観る価値があった。

本作は「何者でもない自分の生」
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Tinder詐欺師:恋愛は大金を生む(2022年製作の映画)

3.6

前半部分ではただの大金持ちにしか見えなかった男性が徐々に詐欺師としての顔を表す過程が被害者の証言から明らかになるのは面白かった。今までのロマンス詐欺のイメージとしてはネット上のみのやり取りで相手を騙す>>続きを読む

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)

3.9

ミステリーというよりは1人の女性に関するドラマだった。リスベットとブルムクヴィストが出会うまでが長く、それまでは個別のストーリーが交互に示される点からも両者の、特にリスベットの人物像を確固たるものにし>>続きを読む

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

何回もどんでん返しがあるので、その点では楽しめた。ただ本作は「ユージュアル・サスペクツ」的なミステリーなので、それを観たことがある身としては中盤以降何となく察しがついた。それに登場人物の心情の変化が唐>>続きを読む

ライダーズ・オブ・ジャスティス(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

「偶然」や「暴力」「親子」といった複数のテーマが絡んでおり、単純なアクション映画に収まらない作品だった。

特に印象的だったのは「偶然」に関する部分である。劇中でもやたらと「人生の不確かさ」みたいなも
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グランド・ブダペスト・ホテル(2014年製作の映画)

3.9

ウェス・アンダーソン作品を初めて観たが、狂気的とも思える精緻な画作りとカメラワークは他に類を見ない作品だった。
どの画面も左右対称だったり、中央に何かを配置した画面なのでその画面を見るだけで楽しめた。
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ジェーン・ドウの解剖(2016年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

中盤の恐怖感は非常に素晴らしかったが終盤はかなり尻すぼみになったのが残念だった。
中盤はカーブミラーを使った演出を代表として、「何かがいるかも」と思わせる恐怖演出が見事でその極致として検死官が最も嫌と
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ザ・ゲーム ~赤裸々な宴~(2018年製作の映画)

3.8

スマホの中身が明らかになるだけでここまでドラマを展開できるのは大したものだと思った。ややもすれば強引な話運びの連続になりそうだが、そうなることもなく自然に登場人物の隠し事や心情が明らかになっていた。フ>>続きを読む

ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009年製作の映画)

3.6

何も考えずに笑える作品だった。「いくらなんでもそんなことある?!」と思う事の連続だったが、ラスベガスで独身パーティーとなればそうなってもしょうがないかもと思ったし、そうなりそうな面子だったので勢いその>>続きを読む

ミッドサマー(2019年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

色んな意味で「トリップ」ムービーだった。それと同時に人を不安や不快にする、アリ・アスター節全開の作品でもあった。

本作で印象的だったのはドラッグをする場面に象徴されるようなトリップ状態に陥ったような
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ナイト・ハウス(2020年製作の映画)

3.6

演出や主人公の演技は非常に素晴らしかったが例によって不条理ホラーである本作はあまり刺さらなかった。全編を通して亡くなった夫の秘密を明らかにしようとする話であるが、一向に衝撃的な事実が明らかになる様相が>>続きを読む

バック・ノール(2020年製作の映画)

3.8

普通の麻薬もの映画かと思いきや後半は警察官の苦悩や友情を描いた作品に様変わりしており、変わったバランスの作品だった。

序盤は警察官3人組の他愛もない会話や本筋に関係ないような事件が続くが、遂に本丸の
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マークスマン(2021年製作の映画)

3.8

「リーアム・ニーソン映画」というジャンル映画を観に行くつもりで観たが、意外にもしっかりした作品だった。やってる事は「ノーカントリー」と「グラン・トリノ」を足して2で割った様なことなので新鮮味は無いが、>>続きを読む

ゼイリブ(1988年製作の映画)

3.8

30年以上前の作品なのにまさに今の状況を揶揄しているかのような作品だった。今の日本人が全員観るべき作品だと思う。

さがす(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

脚本、演出、構成、演技いずれをとっても高水準だと思わせる作品だった。特に演技に関しては主要キャスト3人の演技が本作を傑作にしていると言っても過言でないくらい見事だった。伊東葵は「空白」とのギャップに驚>>続きを読む

ライフ(2017年製作の映画)

3.6

火星からの生命体の造形の異様さやワンシチュエーションスリラー的な展開は良かったが、何かが足りない気がした。その「何か」が一体何なのかハッキリしえないのでモヤモヤさせられた。

一つ気になったのは「隔離
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

2022年の年間ベストテンには確実に入ると思うほどの傑作だった。リメイク元の「エール」の良い点は引き継いだまま、聾唖の人たちの生活や障壁、苦悩を真摯に描いた作品としてブラッシュアップされていた。

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ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

気味が悪く、不快に感じるホラー作品であるが、現実に立ち向かう勇気を描いた作品でもあり、その多層性が見事だった。

本作を観ると「ファイトクラブ」を彷彿とさせた。トラウマによって自分の内面で他人を作り上
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ブラックボックス:音声分析捜査(2021年製作の映画)

3.9

主人公同様こちらも耳を澄ましてしまうような緊張感がある作品だった。それだけでなくあらゆるガジェットが事件に絡んでいるので脚本として見事であり、退屈する事なく観ることができた。
本作の主人公は「航空事故
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スティルウォーター(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

「白人至上主義的なアメリカ」を人間にした様な作品だった。その事を象徴するかの様に、我々がアメリカを連想する様な食事前の祈りやテレビコマーシャルが頻繁に映る。そして前述の「白人至上主義的なアメリカ」を体>>続きを読む