tkykさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

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ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

2時間半かけた割にキャラ描写が薄く感じた。前半はジーナとモリーが交互に現れるが、中盤からはジーナがほとんど現れず、モリーとリリスが交互に現れる。結局ジーナはあまり物語に関与しておらず、前半のジーナ周り>>続きを読む

キック・アス ジャスティス・フォーエバー(2013年製作の映画)

3.7

前作を批判的に踏まえた内容であるという点では続編として興味深く観れた。また、自警団として素人がコスプレして街をウロウロする姿はバットマンよりリアルに感じられ、その姿が前作同様滑稽だった。
前作を踏まえ
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クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)

3.7

画面の煌びやかさは良かったし、幽霊の見た目も良かった。しかしイーディスが幽霊が見える事があまり物語に絡んでいないように感じた。幽霊が見えるからこその展開がもっと観たかった。

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.9

非常にシュールで何がどうなっているのか分かりづらい作品だった。しかし明確なメッセージが読み取られた上に本作の難解さ自体もメッセージになっている様だった。

物語としては失踪した女性をめぐって男性が陰謀
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

3.8

ファンタジックな世界と現実世界のギャップが悲しく感じられた。作品内のファンタジックさは目を見張るものだが、現実世界での暴力も非常に残酷であり、トドメを刺すために何発も銃を撃つ場面が何個もあったのは印象>>続きを読む

CURE キュア(1997年製作の映画)

3.9

劇中の人物もこの作品を観ている観客も気がおかしくなりそうな不穏さを終始漂わせている作品だった。何かが起こるかもしれない場面が非常に多いので不安を常に感じる上に事態が起きた後の凄惨さも見せられるので精神>>続きを読む

ブリーダー(1999年製作の映画)

3.8

BLEEDERの意味を調べると「血友病者」「嫌なやつ」と出てきて、このタイトルに納得した。前半のなんて事ない日常から一転して暴力的な展開になるが、そのアイディアが常人では思いもつかないものであり、まさ>>続きを読む

アンネ・フランクと旅する日記(2021年製作の映画)

3.9

等身大のアンネ・フランクを描こうとしている作品だった。戦争によって普通の少女が迫害される悲惨さが伝わった上にその悲惨さは現代にも依然として残っている事も伝わった。今非常にタイムリーな作品だと思う。

ガンパウダー・ミルクシェイク(2021年製作の映画)

3.6

色んな映画のオマージュが散りばめられ、それなりに楽しめた。特に「ドライヴ」の影響は非常に感じる作品であり、スカジャンを着た殺し屋や中盤の緩急のあるカーアクションは特にそれを感じた。

内容としては純粋
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レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで(2008年製作の映画)

3.9

1番身近な「救いのない」話だった。フランクとエイプリルは「花束みたいな恋をした」の麦と絹そっくりだったが、希望に溢れた2人を現実が叩きのめす救いのなさは本作の方が上回っていた。

サム・メンデス作品と
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

4.0

色んな狂気が表出した作品だった。今観てもその狂気が鮮烈に感じられるのが名作たる所以なのかもしれない。
アレックスの暴力的で破壊的な人物像を筆頭にルドビコ療法に携わる面々、刑務所内の刑務官に至るまで劇中
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

非常に文学的と感じた作品であり、「偶然と想像」と共通する濱口監督の作家性を感じさせた。
本作は村上春樹原作ではあるがそのベースにはチェーホフがある。原作もチェーホフも読んだ事はないが、それでも本作が劇
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.9

「ゾディアック」と「タクシードライバー」を足した上でとことんダークに仕上げた様な作品だった。ブルースの心情の変化が丹念に描かれているので最終的にバットマンが「ゴッサムシティのヒーロー」になる展開にカタ>>続きを読む

ウェディング・ハイ(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

真っ当にコメディ映画を作ろうとする意志は十分感じられたし、伏線の張り方とその回収の仕方は上手かったので評価に値する作品だとは思うが笑おうにも笑えない部分があったのが残念だった。

前半30分ぐらいはま
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スパイの妻(2020年製作の映画)

3.9

蒼井優の終盤の変容は見事だった。前半の明るさはこのためにあったのではないかと思うぐらいだった。東出昌大の空虚な感じも素晴らしく、戦争が人を変えてしまう事を体現していた。

(1963年製作の映画)

3.6

鳥が大量に群がって襲ってくる様子は今見ても不気味だった。現代であればCGでいくらでもそういった場面は作れると思うが、本作はCGではなく特撮でそれを作っている所にヒッチコックの工夫が感じられる。本作はイ>>続きを読む

ゾディアック(2006年製作の映画)

3.8

ゾディアック事件は名前だけは聞いたことがあったがその全容は知らなかった。本作はそのゾディアック事件とそれに関わった人物たちを描いた作品である。2時間半以上をかけて警察や記者、漫画家が犯人を見つけようと>>続きを読む

17歳のカルテ(1999年製作の映画)

4.0

スザンナにとても感情移入できる作品だった。自分自身の境遇と重なる部分を見出せたからというのが大きいが劇中の出来事に対するスザンナの心情の変化がきちんと描かれていたからでもあると思う。
精神病院にいる少
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ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.9

アーティスティックな側面が強い作品だった。非現実的な場面や左右対称の場面、単色の場面というように見た目のインパクトが強い場面が多く、それが主人公の内省を表したり、SF的な世界観を表していた。特に赤や青>>続きを読む

ザ・フライ(1986年製作の映画)

3.5

とにかく主人公のセスにイライラしてヒロインにもあまり共感できなかった。主人公が変化していく様は、ハエに変化していっているようには見えなかったが、気持ち悪かった上に終盤の畳み掛けるような気持ち悪さは良か>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

4.7

会話がここまでドラマティックだったりスリリングである作品はないのではないかというぐらい見事な会話劇だった。「ごく自然な会話」という点で「見事な会話」という訳ではなく、むしろ劇中の会話の多くは不自然なも>>続きを読む

シャッター アイランド(2009年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

最終的にとても悲しい話だった。その一方で中盤はミステリーやニューロティックスリラーだった。中盤のこうしたニューロティックスリラー感が終盤の真相と繋がっており、観客側も主人公に共感し、困惑もした。
冒頭
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ファーゴ(1996年製作の映画)

3.9

フランシス・マクドーマンド演じるマージが事件解決に向けて奔走する作品かと思っていたが、あまりそういった側面は無く、変わった作品である様に感じた。前半は事件に至るまでを見せるので、後半はフランシス・マク>>続きを読む

アンダーウォーター(2020年製作の映画)

3.4

いきなり事態が起きるので序盤は楽しめたが、中盤は暗い場面が続き、仲間が死ぬ展開を繰り返すだけなので多少退屈だった。終盤は未知の生物が本格的に現れるので多少盛り返すが、もう少し早めにその展開になっていれ>>続きを読む

ようこそ映画音響の世界へ(2019年製作の映画)

4.5

『映画大好きポンポさん』を直前に鑑賞したが、それよりも何十倍も映画制作の素晴らしさを感じる作品だった。
映画を観ていて音楽の使い方が作品の印象に大きく影響することはよくあるが、本作を観ると映画音響の解
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.2

アニメーションは素晴らしいと思ったが、全体としては嫌いな映画だった。創作の素晴らしさを描いているのだろうが、それが全く現実的に思えず、単に説教されているようだった。

気になる点はいくつかあったが、そ
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.7

60年代の邦画は全く観たことが無かったのでどんなものかと思ったが、非常に抑制が効いている感じを受けた。キマっている画面ばかりで視覚的なスタイリッシュさで言えば現代の映画とも見劣りしないと思った。
説明
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アンチャーテッド(2022年製作の映画)

3.8

何も考えずに楽しめる正真正銘のポップコーンムービーだった。冒頭のシーンから非常にインパクトが強く、掴みとしては満点だった。それ以降も話の粗さは若干感じるが、テンポよく話が進み、所々でのパルクールアクシ>>続きを読む

ブロンソン(2008年製作の映画)

3.9

キューブリック的な左右対称な画面が印象的だった。それに加えて止め絵のような場面も見られ、ウェス・アンダーソンぽさも感じた。
音楽の使い方についても、ブロンソンが暴力を振るう場面あたりでクラシックを流す
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真・事故物件 本当に怖い住民たち(2021年製作の映画)

3.1

色んな感想を見るに、スラッシャー全開のホラーを邦画でやろうという意気込みは十分にあると思うし、それが多くの人に伝わっているのは良いと思うが、個人的には全く物足りなかった。宣伝で映倫が審査拒否したほどの>>続きを読む

愛なのに(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

河合優実ファンとしては彼女の魅力が200%出た作品なので満点以上の作品だった。とにかく彼女が映る場面は「岬」としてのキュートさがこれでもかと溢れているので、魅力的な上に彼女の役者としての素晴らしさを感>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.8

主要な登場人物を短時間で魅力的に見せているのが良かった。一つ一つのセリフが良かった上にキャスティングがこれでもかと合致しているので実在感があるキャラクターになっていた。
元は舞台という事でやもすると単
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プロメア(2019年製作の映画)

3.8

非常にエヴァっぽさを感じたが、それだけでなくオリジナルのSF要素も魅力的なので、単なるフォロワー作品になっておらず、十分楽しめた。またアクションシーンの絵のタッチはスパイダーバースに似ており、それが作>>続きを読む

レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

3.8

話としては金持ちが勝手に達観しながらフラフラしている様な話なので「いい気なもんだな」と思ったが、それと同時に、何にも縛られていない感じがして、それはそれで良かった。ストーリーに起伏は無いが、出てくる人>>続きを読む

牛首村(2022年製作の映画)

3.2

微妙より若干つまらない部類の作品だった。恐怖演出は前作に引き続きちゃんとやっている様だったが、脚本がイマイチだった。とにかく中盤のテンポの悪さが気になった。いちいち過去の場面になるので説明過多な上に話>>続きを読む

樹海村(2021年製作の映画)

3.8

どうせ犬鳴村みたいな作品なんだろうと高を括っていたら、意外にも、というか結構よく出来た作品だった。本作の見所はなんと言っても若手役者陣、特に山田杏奈と山口まゆの好演である。
それだけでなく音楽や演出、
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