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セールス・ガールの考現学/セールス・ガールのtkykのレビュー・感想・評価

3.9
モンゴル映画は初めてだったのでどんなものかと期待して観たところウェルメイドな作品だった。主人公のサロールのキャラクターを行動で見せている点に特に作りの良さが感じられた。その他にも要所で流れる音楽も良かった。特にオープニングクレジットは非常に素晴らしく、これから始まる物語に期待を持たせるものだった。
本作はコメディ要素もあるが、そのギャグがバカバカしくて愛らしく感じた。終盤の白い液体のギャグは下ネタであるが、場内で1番笑いが起きる程のバカバカしさだった。少女の成長を描くヒューマンドラマとバカバカしいコメディのバランスが良かったと思う。
ただ上記以上に主人公と彼女の変化が1番魅力的だった。序盤は内気で芋っぽいサロールがカティアとの交流で少しずつ変化していく様が自然に描かれているので垢抜けたサロールがとても魅力的に見えた。
欠点を挙げるとしたらアダルトショップで働くことを通じた変化がもう少し見たかった。アダルトショップでバイトするからこそ起きる変化やそこの客との交流みたいなものがあまり見られなかったのは残念だった。
カティアの背景も少し描き込み不足に感じられたので苦労したことを台詞で説明されてもあまり実感が湧かなかった。
とはいえ少女の成長物語としてよく出来た作品だと思う。
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