tkyk

ある秘密のtkykのレビュー・感想・評価

ある秘密(2007年製作の映画)
4.2
壮絶な半生を、時系列を交差させる事で推進力をそのままに描いていた。前半はフランソワの幼少期の葛藤が描かれるが後半ではその葛藤が個人的な妄想ではなく、背景に両親の過去が絡んでいることが示される。
本作を観るとつくづく宗教や血縁が人を縛り苦しめる要素である事が実感される。その苦しみは外部からの差別だけでなく、内部での「こうであるべき」という抑圧によっても生じ、フランソワの一家はその両方に苦しめられていた。
自分のアイデンティティが自分を縛り苦しめてしまうものではなく、誇れるものであってほしいと思うし、アンナの決断は悲劇的な結末だと分かってもその誇りを持とうとしての決断だと思う。
tkyk

tkyk