最高に眼福なバカンス映画だった。映る風景全てが最高に映えていたので自分もあんな場所でバカンスを過ごしたいと思った。
登場人物も愛着を感じさせるキャラなので観ている間笑えたりホッコリした。
起こる出来事自体は些細な事ばかりだがそれらが上手くつながる事でドラマが生まれていた。その上そういった出来事を通して登場人物のキャラや関係性が自然に描かれているのでドラマとキャラの実在感が両立していた。
一夏のバカンスでの出来事を描くという点でロメール作品らしさを感じたが、終盤の雰囲気はロメール作品とは一味違う寂しさや儚さの様なものを感じた。ロメールのバカンスものがバカンスと映画をカラッと終わらせるのに対し、本作は終盤につれて終わりを感じさせた。それは特にシェリフの物語に強く感じられた。最後の夜に2人で歌うカラオケは、2人がそれほど別れを惜しむ様な様子は無いものの、歌詞の内容も相まって寂しさが漂っていた。
ただ物語自体はオープンな終わり方なので男3人のその後は観客に委ねられており、観終わった後に深い余韻が残った。
バカンスの様なひとときの安らぎを与えてくれる作品だった。
