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哭声 コクソンのtkykのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

2時間半が長く感じる程にまとまりが無く、薄く感じた。やってる事は「エクソシスト」と「CURE」を足したような事だがその両方の良さがあまり感じられない作品だった。

こういった土着信仰ホラーは禍々しさや不気味さが重要だと思うが、本作はそれがイマイチ感じられなかった。
本作の目玉は國村隼だが、実際に観てみると彼が悪い意味で存在感が強かった。確かに不気味さはあるものの、「CURE」での萩原聖人みたいな、何を考えてるか分からないし掴み所がないのに恐ろしいという感じではなかった。あまつさえ野蛮な姿や声を張り上げて祈祷する姿を見せる上に彼視線の場面もあるので、どんな人物かわからない不気味さが薄れていた。
その他にも彼が呪いをかけて人を殺させる場面が一つもないので彼の恐ろしさや事件の真犯人という感じがあまりしなかった。

映画の作りとしてもイマイチだった。やってる事はほとんどが國村隼を追いかけるか呪いにかかって暴れる娘を抑えるのどちらかであり、似たような場面の繰り返しなので後半は若干退屈だった。終盤の凄惨な場面もその前に似たような場面があるので娘が人を殺めても衝撃や悲痛さが感じられなかった。
終盤はどんでん返しかと思わせるような展開だったが物語上の必要性が感じられず全く不要であり、テンポが悪かった。
さらにキリスト教が関わってくるのかと思わせる場面もあるがそれもほとんど関係なく、キリスト教的な要素自体が無いので無駄に感じた。

2時間半であればもっと色んな要素を組み込めると思うが、単調に感じられたし、色んな要素をぶち込みたいという理由だけで入れたような場面が尽く無駄に感じられた。
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