えいがうるふさんの映画レビュー・感想・評価

えいがうるふ

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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

さかなのこのゆるふわが無理だった私に、こっちのゆるふわはちゃんと刺さる不思議。私の感性は繊細なのか鈍感なのか自分でもよく分からない。

人間のタイプがぬいぐるみとしゃべる人としゃべらない人に二分される
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さかなのこ(2022年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

偏りのある人間の最大の強みかつ弱みでもある「好き」を貫ける才能。同調圧力のきつい日本の教育現場では、ミー坊の母のように我が子の特性をまるっと認め見守りそのままに伸ばしてやれる親はそうそういまい。だから>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

5.0

内容についての前情報をほとんど知らないまま観たので、ゴッホのように芸術家として純粋すぎる主人公の凡人には理解し難い内面の葛藤を描いた作品かと思っていた。まして、いかにも芸術作品でございという体で始まる>>続きを読む

第9地区(2009年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

評価の分かれる作品故になんとなく後回しにしていたが、しょうもない駄作と糾弾されつつも一部の人間には妙に刺さる理由が分かった気がする。面白かった。

冒頭から明白な主人公ヴィカスのポンコツぶりにやはりこ
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小さき麦の花(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

かなり久しぶりのレビューになってしまった。
先日、ロバ好きならば是非!と多くの人に勧められたこの作品をついに観ることが出来て、しみじみと「映画って本当にいいものですね」という呟きが心のうちに湧きあがっ
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

通常ならば自分は話題の新作の封切り当日に映画館に駆けつける・・なんてことはまずしないのだが、この潔いまでの箝口令プロモーションにまんまとやられた一人である。
しかも前情報が何もないからこそ公開を待つフ
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.8

長らく自分が一番好きな動物は狼だったが、近年その順位を揺るがしているのがロバである。いや、揺るがしているどころかもうぶっちぎりのトップかもしれない。なにしろ「イニシェリン島の精霊」のジェニーに出会って>>続きを読む

ウエスト・サイド・ストーリー(2021年製作の映画)

3.0

オリジナルははるか昔にテレビで観た気がする。その後もっぱら映画よりサントラの方に親しんできた自分にとって、今それらの珠玉の歌とダンスをスクリーンに映し出される美しい映像と共に鑑賞出来たのは素直に素晴ら>>続きを読む

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.8

わーお、家の中がまんまFrancfrancの店内みたい♡
お家も映えるが主人公のティンヤのルックスもほぼ妖精。
同じ北欧ものでもおっさんメインの作品と違って女子メインだとこういうキラキラ系が来るので、
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マグノリア(1999年製作の映画)

3.9

今更ですが初めてちゃんと観た。
映像としては凄まじい推進力のまま突き進み3時間超があっという間。
次から次へとギリギリな人々が登場し、その痛々しい様子を残酷なまでにクリアに晒していく。それぞれ役者の演
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ブレット・トレイン(2022年製作の映画)

1.5

どこらへんから面白くなるのこれ・・・と思いながら辛抱強く観ていたが、結局ものすごくお金のかかった超駄作という印象しか残らなかった。
洋画におけるトンチキな日本描写は散々観てきたが、未だにこんなもんなの
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.1

周到に作り込んだ映像美の中に不穏さを散りばめつつ話が進み、終盤には当初の想像を遥かに超えるおぞましい映像が目の前に繰り広げられる静かな阿鼻叫喚が待っているという、もはやA24のお家芸を感じる異形スリラ>>続きを読む

灼熱の魂(2010年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

母ちゃんの人生のハードモードっぷりが想像の斜め上だった。
反戦映画的な視点から言えば内戦下の国情に巻き込まれた一般市民のあまりにドラスティックな半生を描いた作品なのは分かるが、戦乱の被害者という「弱者
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パラノーマル・アクティビティ(2007年製作の映画)

1.2

モキュメンタリーのはしりということでホームビデオその斬新さで受けたのは分かるが今見ると全然怖くない。展開焦らしすぎでダレまくりで退屈した。大量に続編が作られているらしいが二作目を観る気になれない。>>続きを読む

PIG ピッグ(2021年製作の映画)

4.5

いい意味で思ってたんと全然違った。
なんてったって我らがニコラス”仕事選ばない”ケイジ主演だし、大切な豚を奪われた主人公が無茶なやり方で奪還するアクションコメディだろうと思うじゃないですか。それが蓋を
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

1.0

監督の前作が完全に”not for me”だったのでロードショーはスルーするつもりだったが、オスカー総なめ受賞で興味を持った友人に誘われてスクリーンで観ることに。大好きなミシェル・ヨーの受賞も嬉しかっ>>続きを読む

ブラック・フォン(2022年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

タイトルバックの映像がやたらかっこよくて期待値上がる。
そして70年代の空気感の演出(ファッション可愛い!)がなんともいい感じで、その点は観ていてずっと楽しかった。

舞台はたいして人口多くもなさそう
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

揺るぎない信念と明晰な頭脳を持ち、ある意味天性の人たらしとも言えるナワリヌイ氏本人の魅力もさることながら、彼の活動を支えてきた優秀なスタッフによる秀逸な編集のおかげで、ただ単にロシアの政治史上見過ごせ>>続きを読む

女神の継承(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

モキュメンタリーとしての編集がなかなか秀逸。タイ東北部の里山の村という、いかにも土着信仰の強そうな印象の現地のリアルな文化風俗をほとんど知らないこともあって、映像の粗や演出の雑さがかえって臨場感を醸し>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

噂通り演奏シーンの音響、特にステージシーンは素晴らしい。
生ライブでしか伝わらないジャズセッションの熱さを音と映像で最大限忠実に再現し、その魅力を出来る限りストレートに伝えようという制作陣の心意気がビ
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コロンバス(2017年製作の映画)

4.0

スクリーンで観られてよかった。
建物の外観はもちろん、屋内までもひとつひとつ丁寧に作り込まれた構図がとにかく美しく眺めているだけで眼福。逆にいうとそこで展開される人間たちのドラマはあくまでもそれら物言
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ドライブ・アングリー3D(2010年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

竜とそばかすのレビューを書いてぐったりした頭を休ませるのにはピッタリ(?)の分かりやすいバカ映画。
一言でいうと期待通り。我らがニコラス・仕事選ばない・ケイジは予想通りやりたい放題の暴れっぷりだし、ヒ
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竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)

1.0

このレビューはネタバレを含みます

巷の評価がどうであれ自分が嫌いな映画には全く忖度せず酷評を書いてしまうせいか、むしろ身内には低評価レビューのほうを楽しみにされるようになってしまった。時にはこの作品のように「あまりに駄作で腹が立ったの>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

評判の良さと自身の「岬の兄妹」への評価から期待値を上げすぎたか、やや肩透かしをくらった印象。惜しい。

冒頭から全編に渡って ポン・ジュノ監督の影響をひしひしと感じるつくり。映像の作り込みや役者の演技
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12人の優しい日本人(1991年製作の映画)

3.9

ギリギリ昭和感の残る絵面がノスタルジック。
いかにも三谷幸喜の本らしく、登場人物たちが皆それぞれにかなりアクと主張の強い曲者で、見ている方はそんな彼らのキャラクター描写にいちいちイライラさせられる。特
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レイジング・ファイア(2021年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

うーん。ちと期待しすぎた感。
冒頭の安いドラマのような新婚ラブラブなシーン、誰得なの?ドニーさん好きだけど別にこういうのは要らんと思ってしまったのは私だけ?ある意味そこで感じた嫌な予感が当たらずとも遠
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紅い服の少女 第二章 真実(2017年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

魔神仔の正体が単なる山の妖怪や魔物というより人間が生み出した怨霊に近く、道理の通った因果応報な話と分かるので一応スッキリ。身に覚えのある人は確かにゾッとするだろう。
ただ、新しく登場する二人の母親がど
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紅い服の少女 第一章 神隠し(2015年製作の映画)

2.8

台湾のかなり信憑性のある都市伝説(?)がベースという前情報のみで観てみた。すごく怖いと聞いていたので警戒して深夜ではなく昼間に録画で視聴したがそれほどでもなかった。心理的にじわじわくるというよりお化け>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.9

ネタばれ厳禁だが、話の筋と起承転結が妙に整っていて途中までてっきり実話ベースかと思ったほど。挙げ句、クライマックスの法廷シーンあたりでまんまと泣かされてしまってからの、まさかのラスト!ひょえーと変な声>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

4.0

本当は怖いグリム童話のような寓話めいたストーリーが淡々と描かれ、聞いている者の心中に湧き上がる数々のツッコミなんぞどこ吹く風でマイペースに話を続ける村の長老オババの語り部トークに強制参加させられている>>続きを読む

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)

3.8

尺短めのスリラーとしてなかなかの佳作。
序盤は分かりやすく餌食フラグ立ってる若造3人の設定と人物像の描き方が中途半端で今ひとつ気持ちがのらずに観ていたが、いよいよ対峙編が始まったところで一気に面白くな
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.2

愛おしい。
全編モノクロなのに、どのシーンも豊かで鮮やかな色彩が溢れているような気がした。カメラワークもさることながら、主演二人が名優すぎる。モノクロ映像とセリフだけでこれだけ鮮やかな情景を描けるのな
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コブラ(1986年製作の映画)

3.0

アクション好きの中2男子が書いたような深みゼロの雑な脚本だがそれがいい。書いた本人が演じるヒーローがひたすら分かりやすくカッコいいナイスガイという、当時のスタローンならではの脂の乗った開き直りがむしろ>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

同年代の友人と会うと終活やら介護の話題が出る歳になってしみじみ感じるようになったことのひとつが「人間関係は深くなるほど維持より終結が難しい」ということだ。
結婚より離婚のほうが段違いに面倒くさいのはよ
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地下室のヘンな穴(2022年製作の映画)

3.5

謎に珍妙で心にひっかかる劇伴といい、お洒落だがずっと露出オーバー気味で落ち着かないフィルムの質感といい、観ていてお尻がムズムズするような演出が作品内容のシュールさにマッチしていた。
人間の欲望の浅はか
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ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期(2016年製作の映画)

2.5

冒頭こそ「は?結局振り出しに戻ったんかーい!!」とヒロインの成長の無さに吹き出してしまったが、その後の展開を見守るうちに、うーん・・・・・40過ぎてなおこの体たらくはさすがにイタい。

恐らく、一番往
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