モキュメンタリーのはしりということでホームビデオその斬新さで受けたのは分かるが今見ると全然怖くない。展開焦らしすぎでダレまくりで退屈した。大量に続編が作られているらしいが二作目を観る気になれない。
映像表現以前に、ほぼ二人しか出てこない登場人物のキャラ設定がつまらなくて物語に入り込めなかった。彼女が嫌がってるのに「俺に任せとけ」とばかりに出しゃばっていらんことばかりやる彼氏にずーっとイライラ。ラストが自業自得としか思えないほど。
恐らくこの作品が発表された当時に見ていれば自分も違う評価をしたかもしれないが、話題ありきの斬新な作風が売りのホラーだからこそ、その後散々作られるようになった同ジャンルの最近の作品を先に観てしまったのが、残念ながら面白みを感じられなかった敗因かも知れない。
同じく予算が限られた中、しかもコロナの行動制限下で作られた「Zoom」はちゃんと怖かったし、モキュメンタリーとしての完成度でいえば「女神の継承」の方がプロットの作り込みが丁寧で面白かった。
とはいえ、古くても面白くて怖いホラーやスリラーの名作はいくらでもある。古さがそのまま陳腐さに見えてしまう作品は作りたてで熱々の食べ時を逃したら一気に味気なくまずくなる、冷めたマックフライポテトみたいなものだろうか。
どっちみちあまり栄養は無さそうだ。
