えいがうるふ

ドント・ブリーズのえいがうるふのレビュー・感想・評価

ドント・ブリーズ(2016年製作の映画)
3.8
尺短めのスリラーとしてなかなかの佳作。
序盤は分かりやすく餌食フラグ立ってる若造3人の設定と人物像の描き方が中途半端で今ひとつ気持ちがのらずに観ていたが、いよいよ対峙編が始まったところで一気に面白くなった。タイトル通り息を殺して展開を見守ってしまう緊迫シーンの映像作りも秀逸だが、さらに印象に残ったのは観る者の聴覚にも訴えてくるところ。視覚情報が遮断された相手にどこまで聴こえているのか、ということを知らず識らず意識させるのがうまい。ピキピキとヒビが入るガラスの音とか、ヘッドホンで聴いてたら冷や汗かいたかも。

さらにはホラー映画あるあるとはいえ単純に被害者かと思ったジジイが想像以上のド変態(と化してしまった哀れな人)だったという伏線とその回収が見事だった。
序盤の展開の雑さからまあこんなもんだろうと舐めてかかってたので、良くも悪くも想像の斜め上のおぞましさに思わず変な声出た。

で、続編ありきのエンディングでまたちょっと雑に戻る。制作陣の思い入れがそのまま構成に反映しちゃってるというか、力のかけどころが分かり易すぎるのがファンから見ればご愛嬌か。
続きも機会あれば観るだろうが、なんとなく観たらがっかりしそうな予感がしないでもない。