Ayumiさんの映画レビュー・感想・評価

Ayumi

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.5


物語終盤で、オッペンハイマーの功績に泥を塗ろうとしていたのはストローズだったのだと気づいたとき、科学者と政治の距離感の難しさに思いを馳せた。国の命運をかけたプロジェクトを成功させながらも、終わった途
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.0


連休3日目にふと予定が空いたため、思い立ってチケットを取った。TOHOシネマズ日比谷の広い劇場がほぼ満席でびっくり。カップルやご夫婦が多かった。

中盤まで「恋愛ものとしては中途半端じゃない?」とや
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます


ベラが父権的な束縛から脱し、世界を学び、自分の意思で生きていくこと、そしてそれを肯定するというメッセージを強く感じた。船の上で嫉妬に狂ったダンカンが「本のせいで可愛らしい話し方が失われてしまう」と言
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アンダーカレント(2023年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます


映画のリズムや、銭湯を舞台にした人間関係はとてもよかったのだけれど、ぼんやりとした主人公に感情移入ができないまま見終えた。

「夫婦だったのに、実はお互いのことがよくわかっていなかった」という映画と
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ラヴィ・ド・ボエーム(1992年製作の映画)

4.0


カウリスマキ上映祭にて。家賃滞納で部屋を追い出された作家と、へんてこな曲を弾く作曲家と、売れない画家がなぜか意気投合してボヘミアンな生活を共にする。「マスを二つ」「二人で分けないか」のレストランのシ
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ワン・デイ 23年のラブストーリー(2011年製作の映画)

4.0


聖スウィジンの日である7月15日、1日限定上映会で見てきた。この映画は何度も見て大好きなのだけど、エディンバラを訪れて改めて見るとまた違った感動があった。

人気者のデクスターと優等生のエマが卒業式
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テトリス(2023年製作の映画)

4.0


そもそもテトリスがソ連生まれだということを知らずに鑑賞したのだけれど、これが史実だというおもしろさ!任天堂の登場、ソ連政府を巻き込んだライセンス争い、そしてソ連の終焉という大きなテーマにつながってい
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マーダー・ミステリー2(2023年製作の映画)

3.0

 
インドの豪華結婚式(踊りあり)と、エッフェル塔での乱闘シーンを撮りたい!という思いつきで作ったような映画。最初の事件が起こってから、関係者が次々とスピッツ夫妻の部屋を訪れて「あいつが怪しい」と言い
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87分の1の人生(2023年製作の映画)

4.0


薬物中毒というテーマの重さもさることながら、フローレンス・ピューの演技に心をつかまれた。何かを話すときに言葉を探す表情、ショックを受けて相手を睨む目つき、ピアノを弾くときの伸びやかな表情と声、婚約者
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ライ・レーン(2023年製作の映画)

4.0


予告編が気になって見てきたのだけれど、とても良かった。それぞれ恋人と別れたばかりの二人が出会い、たわいない話をしながら散歩し続ける一日。「ビフォア・サンライズ」のロンドン版のようだと思った。二人が立
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Allelujah(原題)(2022年製作の映画)

2.0


ヨークにある高齢者施設「ベス」を舞台に、入居している人々と医者、看護師との交流が描かれる。ベスはNHSの予算削減政策によって閉鎖が検討されるが、施設はどうにか存続を目指すために、テレビクルーを呼んで
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます


キリスト教の一派、メノナイトたちの住む村で、女性が意識のない間にレイプされる事件が相次ぐ。被害を訴えても「悪魔の仕業だ」と言って相手にしてもらえない。それらが男たちによる犯行だとわかったことで、女性
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

3.5


予告の動画から、「明るいお母さんと理知的なお父さんにすくすくと育てられた子ども時代についての話かな」と思っていたら、思いがけず暗い歴史が飛び出してくる。それでもユーモアを忘れず、最後は明るく締めたの
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TAR/ター(2022年製作の映画)

4.0


「芸術」と「芸術家」を別のものとして考えることはできるのだろうか?尊大でエゴイストな人間でも素晴らしい芸術を作ることはできるかもしれない。しかし、現代では同僚に暴力を加えた人間は制作現場から解雇され
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

4.0


イギリス南部の映画館で働くヒラリー(オリヴィア・コールマン)は、新たに映画館で働くことになったスティーヴン(マイケル・ワード)に惹かれていく。舞台は1980年初頭のイギリス。景気後退により黒人に対す
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聖なる証(2022年製作の映画)

3.0


舞台は1862年のアイルランド。食事を取らず4ヶ月間生き延びている少女がいるという町に、イングランドの看護師のリブ(フローレンス・ピュー)が呼び寄せられる。アンナと言う11歳の少女は、「天国からの贈
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私は世界一幸運よ(2022年製作の映画)

3.5


勝手に、自分を幸運だと思い込もうとするSNS依存症の女性の話かなと思っていたけれど、全然違った。ニューヨークでライターとして成功し、裕福な金融マンとの結婚を控えた女性が、あるドキュメンタリーへの協力
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ハント(2022年製作の映画)

4.0


ロンドン東アジア映画祭のオープニング作品。1980年代の韓国KCIAで働くパク(イ・ジョンジェ)とキム(チョン・ウソン)がメインキャラクター。冒頭、いきなりワシントンで大統領の暗殺未遂事件が起きる。
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.5


アメリカでコインランドリーを営む中国系移民・イブリンをミシェル・ヨーが演じる。夫とは離婚の危機にあり、介護が必要な父親、レズビアンの娘を持つが、ある日不思議な力を与えられると、違う次元の世界と行き来
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ミニオンズ フィーバー(2022年製作の映画)

3.5


子どもグルーとミニオンがまだ出会ったときのこと。悪者グループ”Vicious 6”に入ろうとしたグルーが、伝説の石を持って帰ってしまい、悪者たちに追われるという話。グルーを守るためにミニオンがカンフ
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ゴスフォード・パーク(2001年製作の映画)

3.5


ダウントン・アビーのファンながら見られていなかったこの作品、やっと鑑賞。カーソン、ヒューズさん、アンナ、トーマス的な立ち位置の役がいる!と思いながら見ていた。

この殺人事件の背景は、ダウントンのエ
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ダウントン・アビー/新たなる時代へ(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます


予告のように、バイオレットが南仏のヴィラの所有権を得た、というニュースで物語が動き始める。南仏のヴィラを訪問する伯爵やイーディスたちと、ダウントンアビーでの映画撮影の手伝いをするメアリーや使用人たち
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0


最初から「これ私じゃん」と思えるシーンばかりで、主人公ユリヤに共感するやら自分の過去を思い出すやら、気持ちが忙しかった。

序盤で共感したのは、友人とのパーティーで「周りに子どものいる友人はいないの
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ナイル殺人事件(2022年製作の映画)

3.0


「オリエント急行殺人事件」のトレーラーを見たときにおしゃれだなあと思ったけど、今作も客船やピラミッドなど演出がスタイリッシュ。「全員が容疑者」とうたっているだけあって、大富豪の娘・リネットを殺す動機
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ベルファスト(2021年製作の映画)

3.0


現在の美しいベルファストの街並みが映し出された後、画面は1969年のベルファストへ。主人公の少年が楽しそうに遊んでいるさなか、突然プロテスタントによるカトリックへの暴動が起きる。差別を受けるカトリッ
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フレンズ:ザ・リユニオン(2021年製作の映画)

4.0


ファンとしては2021年に見なきゃだめでしょ、と思って大晦日にNowのストリーミングサービスに加入した。制作のブライト、カウフマン、クレーンや、キャストたちへのインタビュー、マララやデイヴィッド・ベ
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ロスト・ドーター(2021年製作の映画)

4.0


新年早々すばらしい作品を見てしまった。ギリシャのビーチに一人訪れるレダ。娘と思われる女性から電話を受けるので、家族がいることはわかるのだが、なぜ孤独に夏休みを過ごしているのか分からない。ホテルの部屋
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グリーン・ナイト(2021年製作の映画)

3.0


寮の友だちに誘われて映画館へ。アーサー王の話かと思って見に行ったが、その甥にあたるガウェイン卿がメインの物語。しかもA24の制作で「2021年のミッドサマー?」なんて記事もあった。

新年の宴で緑の
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.5


女性の描き方などで何かと問題視される007だけど、「ダニエルクレイグはフェミニスト」発言(レアセドゥ)もあり、見てみたくなった。前作までのあらすじなど全然わからなかったのですが、とにかくカーアクショ
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クルエラ(2021年製作の映画)

3.0


さすが、クルエラがファッションシーンに登場する場面は美しくて、パンクで、惹きつけられる。ただ「こんなに可哀想な生い立ちから、ヴィランになってしまいました」というストーリーにはあまり関心がないので、す
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.0


今まで追ってこなかったマーベル作品だが、「トニーレオンが出るなら」と初めて見に行った。トニーレオンは苦悩の演技もアクションもさすがのかっこよさ。だが、全体的にアメリカンなテンションの高さについていけ
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

3.0


原作は読んだことがあるが、映画はかなり肉付けされているので、まったく違った印象を残す。音の人物造形、渡利の広島での事故は、オリジナル。妻を愛していた主人公が、妻と親密な関係を築いていたと思う一方で、
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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2014年製作の映画)

3.5


第二次世界大戦で、ドイツの暗号を解読すると言う極秘任務を負ったアラン・チューリングの話。彼が同性愛者だったこと、この任務についてイギリス政府は50年も秘匿していたことに驚く。彼は生きている間に功績を
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.5


期待に違わぬおもしろさ!ロールプレイングゲームをやってないと楽しめないかな?と思っていたけど、誰でも楽しめる普遍的なおもしろさがあった。

ガイがモロトフガールと一緒にアジトに忍び込み、動画を盗み出
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TENET テネット(2020年製作の映画)

4.0


物語の仕掛けがわかってしまえば、後半は怒涛のスピードで「そういうことだったのか!」が続く気持ちよさ。クリストファー・ノーランはインセプションとインターステラーしか見ていないが、ほかの作品も見たい!と
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ゴッドファーザーPART II(1974年製作の映画)

4.0


ゴッドファーザーは、第3作が一番好きなのだが、最終話に行くために大事なのがこの「2」だと思う。

ずっとビトと、その優秀な息子のマイケルの話だと思っていた。だが、見返してこの2人は明らかに違うのだと
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