Ayumi

エンパイア・オブ・ライトのAyumiのレビュー・感想・評価

エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)
4.0

イギリス南部の映画館で働くヒラリー(オリヴィア・コールマン)は、新たに映画館で働くことになったスティーヴン(マイケル・ワード)に惹かれていく。舞台は1980年初頭のイギリス。景気後退により黒人に対する暴動が頻発した時代で、スティーヴンは街を歩けば暴言を吐かれ、暴力にさらされることになる。

ヒラリーとスティーヴンは親密な間柄になるが、おそらく二人の恋愛関係はこの映画の主題ではない。大学進学を諦めかけるスティーヴンを励ますヒラリー、ヒラリーの疾患が現れたときにそばにいようとするスティーヴン、そしてヒラリーを助けようとする映画館のスタッフたち。誰かが壊れそうになったとき、友人や隣人たちが力になってくれる、というのがサム・メンデスの描きたいことではないかと思った。

使われなくなってしまったスクリーン、屋上から見る花火、客席の真ん中から見るフィルム、どのシーンも美しくて映画愛に溢れている。
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