Ayumi

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのAyumiのレビュー・感想・評価

3.5

アメリカでコインランドリーを営む中国系移民・イブリンをミシェル・ヨーが演じる。夫とは離婚の危機にあり、介護が必要な父親、レズビアンの娘を持つが、ある日不思議な力を与えられると、違う次元の世界と行き来しながら、身の回りの困難と戦えるようになる。その相手は、税務申告を厳しく問い詰める税務署の女性、厳しい父親、そして分かり合えない娘だ。

違う次元の世界には、それぞれイブリンが選ばなかった人生がある。例えば今の夫と結婚せずにアクション俳優になった人生、歌手になった人生、なぜか手がブヨブヨに生まれた人生などが描かれる。それらの人生が選ばれると、カンフーができるようになったり、歌が歌えたり、手がブヨブヨになったりする。そんな世界を行ったり来たりしながら、次から次へと来る敵と戦うのだ。

演出自体は不思議でちょっと気持ち悪いのだが、最後まで見るとちゃんと母娘そして家族の映画であり、移民の奮闘をしっかりと描いた映画だとわかる。何よりミシェル・ヨーの七変化(たぶんもっと多い)がすごい。どこにでもいるような移民の女性や、世界的に有名なアクション俳優、歌手などを演じられるのはミシェル・ヨーしかできない役柄だろう。
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