Ayumi

ダウントン・アビー/新たなる時代へのAyumiのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます


予告のように、バイオレットが南仏のヴィラの所有権を得た、というニュースで物語が動き始める。南仏のヴィラを訪問する伯爵やイーディスたちと、ダウントンアビーでの映画撮影の手伝いをするメアリーや使用人たち、の2面展開でストーリーが進む。大体予想通りに展開するので驚きはなく、もはやファンのための映画という感じだった。

大半のシーンに小ネタが込められているので、5分に1度くらい笑っていられた。南仏でカーソンとバグショー(イメルダ・スタウントン)が帽子屋で遭遇し、夫婦と間違えられるシーンは気が利いていると思った。また、映画のエキストラに給料が払えないため、ダウントンの使用人たちが起用されることになり、ヒューズさんやパットモアさんがドレス姿になるシーンは観客全員が大笑いしていた。あと、モールズリーさんの一世一代のシーンは嬉しいやら笑えるやらで、みんなハッピーになるんだなと思った。

ダウントンを訪れる女優が口を開くと訛りがすごい、というシーンがあり、サイレント映画の終わりとともに仕事がなくなった俳優たちを思い出した(この辺りは、映画「アーティスト!」っぽい)。ただ、この映画ではそれがダウントンアビーの面々が活躍する機会として使われていて、同じように没落まっしぐらだった貴族たちのことが十分に扱えていたかというと、そうではない。まあ、観客はそれを見たいのではないだろうし、ハッピーエンドでいいのだろうけど、ドラマでは資金調達をしたり、新たなビジネスをやったりという展開があったので、映画でそこに触れられていないのは違和感があった。

貴族の没落というテーマは第二次世界大戦まで扱わないと描ききれないのだろうけど、ジュリアン・フェロウズはそこまでやるのだろうか?でも映画の終わりは、次回作もありそうな終わり方だったので、キャストが揃えばできるかもしれない。
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