KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

2.5

[ギャング映画の文法で撮った"インディアン殺し"] 50点

長編作品としては『アイリッシュマン』以来4年ぶりの新作。カンヌ映画祭プレミア部門で初上映。Appleスタジオが製作に入っており配信メインの
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クラブゼロ(2023年製作の映画)

1.5

[風刺というフォーマットで遊びたいだけでは] 30点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。存在すら忘れていた前作『リトル・ジョー』に続いてコンペ入りとなったが、やはり流石は木を見て森を見ない映
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Here(2023年製作の映画)

5.0

パンフレットにバス・ドゥヴォスのキャリアを振り返る記事を寄稿しました!ぜひ読んでね!
この記事の副題も予告編に採用されました!推しの映画公開にここまで関われるなんて!ありがとうございます!

[ベルギ
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変ホ長調のトリオ(2022年製作の映画)

4.0

[映画史の上に建つシネフィル的ゲーム] 80点

リタ・アゼヴェード・ゴメス長編最新作。1987年、エリック・ロメールは『レネットとミラベルの四つの冒険』の執筆中、第五話として書いていた作品を独立させ
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春画先生(2023年製作の映画)

3.5

[] 70点

前作『麻希のいる世界』をいたく気に入ってしまったので今回も。登場人物全員がパチキレていて好印象。距離感も倫理観も貞操観念も世界観もバグっているし、戯画的な描かれ方をされているので、まあ
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パッセージ(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

アイラ・サックス長編八作目。主人公はパリ在住のドイツ人映画監督トマス。最新作の完成披露パーティで小学校教師のアガーテと出会い、そのまま一晩を過ごし、それを夫マーティンに報告する。曰く、
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エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命(2023年製作の映画)

3.5

[イタリア、エドガルド・モルターラ誘拐事件の一部始終] 70点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。マルコ・ベロッキオ長編26作目。本作品はエドガルド・モルターラ誘拐事件を描いている。かつてモ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.5

[]

大傑作。ビクトル・エリセ長編四作目。1992年の『マルメロの陽光』以来31年ぶりの新作長編。それで170分は張り切りすぎだろ。映画は1990年に製作されたという劇中劇『The Farewell
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The Peasants(英題)(2023年製作の映画)

3.0

[ポーランド、大地主老人と結婚させられた少女の物語] 60点

2024年アカデミー国際長編映画賞ポーランド代表。ポーランドのノーベル賞作家ヴワディスワフ・レイモントによる代表作『農民』の映画化作品。
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緑の夜(2023年製作の映画)

2.0

[大人になれなかった二人の子供の物語] 40点

ハン・シュアイ長編二作目。前作『阪南の夏(Summer Blur)』があまりにも素晴らしい作品だったので、今回は本作品が上映されるから釜山に来たはずだ
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.0

[対話可能性とその危ういバランスについて]

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。『ドライブ・マイ・カー』でも組んだ石橋英子から音楽ライブで使用する映像を依頼されたため、劇映画を撮って、そ
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Four Daughters(英題)(2023年製作の映画)

4.0

[チュニジア、ある母親と四人姉妹の物語] 80点

傑作。2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞チュニジア代表。カウテール・ベン・ハニア長編六作目。前作『皮膚を売
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Banel e Adama(原題)(2023年製作の映画)

2.0

[セネガル、村の規範との戦い…?] 40点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。Ramata-Toulaye Sy長編一作目。ラインナップ発表前日に"ある視点"部門からコンペに格上げされたらし
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The New Boy(原題)(2023年製作の映画)

2.5

[オーストラリア、アボリジニの少年とキリスト教] 50点

2023年カンヌ映画祭"ある視点"部門出品作。ワーウィック・ソーントン長編三作目。主演も務めるケイト・ブランシェットがプロデューサーとしても
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ジャンヌ・デュ・バリー 国王最期の愛人(2023年製作の映画)

1.0

[マイウェンによる"もしも私が18世紀にデュ・バリー夫人として生まれていたら"] 10点

2023年カンヌ映画祭オープニング上映作品。明らかにコンペに入ってただろう作品と思われるが、ラインナップ発表
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Pictures of Ghosts(英題)(2023年製作の映画)

3.5

[レシフェと私と映画館の歴史] 70点

2024年アカデミー国際長編映画賞ブラジル代表。クレーベル・メンドンサ・フィリオによる最新ドキュメンタリー。レシフェはブラジルの角の先端にある港湾都市であり、
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Sweet Dreams(原題)(2023年製作の映画)

4.0

[オランダとインドネシア、私のアイデンティティはどこに?] 80点

2024年アカデミー国際長編映画賞オランダ代表。エナ・センディヤレヴィッチ(Ena Sendijarević)長編二作目。観た瞬間
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Mademoiselle Kenopsia(原題)(2023年製作の映画)

3.5

[カナダ、廃墟に流れる隔絶された緩やかな時間] 70点

ドゥニ・コテ長編最新作。好きでも嫌いでもないがなんだかんだ毎回新作にエンカウントする監督界の代表格。本作品はまず10分ほど廃墟の空間をひたすら
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シティ・オブ・ウインド(2023年製作の映画)

3.5

[モンゴル、シャーマン青年の恋と成長] 70点

Lkhagvadulam Purev-Ochir長編一作目。ウランバートルのユルト地区にて、グランパ・スピリットは強力なシャーマンとして近所の人々を助
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ヒューマニスト・ヴァンパイア・シーキング・コンセンティング・スーサイダル・パーソン(2023年製作の映画)

2.5

[カナダ、人を殺せないヴァンパイアの恋] 50点

Ariane Louis-Seize長編一作目。サシャは吸血鬼一家の一人娘。しかし、彼女は繊細すぎて人殺しができない!父オーレリアンは彼女の味方をし
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戦慄怪奇ワールド コワすぎ!(2023年製作の映画)

4.0

[]

真正のビビリなので『オカルトの森へようこそ』鑑賞以降も白石晃士作品に触れられなかったのだが、劇場ならいけるだろうと思い云々。予告編の時点でドストレートな『カメラを止めるな!』だったので安心して
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伯爵(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

[チリ、ピノチェトから受け継がれ生き延びる負の遺産] 80点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。パブロ・ラライン長編10作目。チリ軍事政権の独裁者アウグスト・ピノチェトは、実は御年25
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平和の谷(1956年製作の映画)

3.0

[スロヴェニア、戦争のない"平和の谷"を目指して…] 60点

1957年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カンヌ映画祭コンペ部門に選出された数少ないスロヴェニア映画の一つ(もう一つもシュティグリッツの
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約束の地(2014年製作の映画)

3.5

[] 70点

リサンドロ・アロンソ長編五作目。"ハウハ"とはかつて豊穣と幸福の地と呼ばれ、多くの者がその地を目指したが誰もたどり着けないまま、伝説だけが膨れ上がっていった…という冒頭字幕だけはどこか
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

2.0

["ウェスっぽさ"の自縄自縛?] 40点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ウェス・アンダーソン長編11作目。本作品は謎の入れ子構造になっており、ブライアン・クランストン演じる"ホスト"が進
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The Glass Ceiling(英題)(1971年製作の映画)

4.5

[団地妻は殺人狂の夢を見るか?] 90点

大傑作。マルタは郊外の小さなマンションに暮らす魅力的な主婦である。彼女の忙しい夫カルロスは出張ばかりで家を空けがちで、猫のフェドラと共に暇で空虚な日々を送っ
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Afire(英題)(2023年製作の映画)

2.5

[ドイツ、不機嫌な小説家を救えるのは愛!] 50点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品、銀熊(審査員グランプリ)受賞作。ペッツォルトは6回目の選出となる。本作品は前作『水を抱く女』に続く"エ
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夏の終わりに願うこと(2023年製作の映画)

4.5

[日常を演じようとする人々の悲しみ] 90点

大傑作。2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。リラ・アヴィレス(Lila Avilés)長編二作目。前作『The Chambermaid』も中々面
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

2.0

[輪廻転生の恋と現世の恋] 40点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。サンダンス映画祭でプレミア上映された作品がベルリンのコンペ入りになるのは前年の『Call Jane』と同じで、ベルリン
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The Adults(原題)(2023年製作の映画)

3.0

[大人になった三人の子供たち] 60点

2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。ダスティン・ガイ・デファ長編三作目。2011年の『Bad Fever』で長編デビューというマンブルコア組
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Disco Boy(原題)(2023年製作の映画)

1.5

[正面から"美しき仕事"をパクってみた] 30点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。Giacomo Abbruzzeseの初長編劇映画。ベラルーシ人の青年アレクセイは途中で友人ミハイルを失
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クワイエット・ルーム(1996年製作の映画)

3.0

[喧嘩する両親を見て沈黙を選んだ少女の物語] 60点

1996年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ロルフ・デ・ヒーア長編五作目。喧嘩ばかりする両親を見て、3歳から話すことを止めた少女は、そのまま7歳に
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フォーエヴァー・ヤング(2022年製作の映画)

3.0

[パトリス・シェローと私とみんな] 60点

2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。英語字幕付きと書いてあったので仏Amazonで購入したら英語字幕の"え"の字もなかったので6000円も無駄にした
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Ostkreuz(原題)(1991年製作の映画)

4.0

[ドイツ、壁は崩壊したけれど] 80点

傑作。オストクロイツ、東の十字路を意味するこの単語はベルリンにある駅の名前のようで、二つの大きな路線が立体交差する有名な駅で、崩壊した壁もすぐ傍にある。壁が壊
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Red Rooms(英題)(2023年製作の映画)

4.5

[カナダ、殺人鬼を追う女] 90点

大傑作。パスカル・プラント長編三作目。連続殺人鬼リュドヴィク・シュヴァリエの裁判が始まった。彼は三人の少女の殺害をライブ配信していたというのだ(三人目の映像のみ未
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Mother and Son(英題)(2022年製作の映画)

3.5

[フランス、"成功が一番重要"で崩壊した家族の年代記] 70点

2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。レオノール・セライユ長編二作目。前作『若い女』が"ある視点"部門に選出されてカメラドールを受
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