KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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The Adults(原題)(2023年製作の映画)

3.0

[大人になった三人の子供たち] 60点

2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。ダスティン・ガイ・デファ長編三作目。2011年の『Bad Fever』で長編デビューというマンブルコア組
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Disco Boy(原題)(2023年製作の映画)

1.5

[正面から"美しき仕事"をパクってみた] 30点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。Giacomo Abbruzzeseの初長編劇映画。ベラルーシ人の青年アレクセイは途中で友人ミハイルを失
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クワイエット・ルーム(1996年製作の映画)

3.0

[喧嘩する両親を見て沈黙を選んだ少女の物語] 60点

1996年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ロルフ・デ・ヒーア長編五作目。喧嘩ばかりする両親を見て、3歳から話すことを止めた少女は、そのまま7歳に
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フォーエヴァー・ヤング(2022年製作の映画)

3.0

[パトリス・シェローと私とみんな] 60点

2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。英語字幕付きと書いてあったので仏Amazonで購入したら英語字幕の"え"の字もなかったので6000円も無駄にした
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Ostkreuz(原題)(1991年製作の映画)

4.0

[ドイツ、壁は崩壊したけれど] 80点

傑作。オストクロイツ、東の十字路を意味するこの単語はベルリンにある駅の名前のようで、二つの大きな路線が立体交差する有名な駅で、崩壊した壁もすぐ傍にある。壁が壊
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Red Rooms(英題)(2023年製作の映画)

4.5

[カナダ、殺人鬼を追う女] 90点

大傑作。パスカル・プラント長編三作目。連続殺人鬼リュドヴィク・シュヴァリエの裁判が始まった。彼は三人の少女の殺害をライブ配信していたというのだ(三人目の映像のみ未
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Mother and Son(英題)(2022年製作の映画)

3.5

[フランス、"成功が一番重要"で崩壊した家族の年代記] 70点

2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。レオノール・セライユ長編二作目。前作『若い女』が"ある視点"部門に選出されてカメラドールを受
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ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

4.0

[] 80点

傑作。試写にて。シャルロット・ル・ボン長編一作目。バスティアン・ヴィヴェスによるバンド・デシネ『年上の人』の映画化作品。夏休みに両親に連れられてケベックの湖畔にあるコテージにやって来た
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The Super 8 Years(英題)(2022年製作の映画)

3.0

[スーパー8で撮られた家族と世界について] 60点

今年のノーベル文学賞を受賞したアニー・エルノーが、実は初監督作品を今年撮っていた、ということで。共同監督はアニーの息子ダヴィドが務めている。アニー
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

[オーストラリア、母親の呪縛から逃れるとき] 60点

1993年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ロルフ・デ・ヒーア長編四作目。アデレードの工業地帯に暮らす35歳のバビーは、虐待的で狂信的な母親
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ディンゴ(1991年製作の映画)

2.5

[マイルス・デイヴィスが復活する話] 50点

ロルフ・デ・ヒーア長編三作目。オーストラリアの田舎町に住む青年ディンゴは、20年前に出会ったジャズミュージシャンの演奏が忘れられない。空を飛ぶことへの憧
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新説!人類(珍)化論!?(1980年製作の映画)

3.0

[ファンタスティック・アースのおもしろ生物博覧会] 60点

1980年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カンヌ映画祭コンペ部門に選出された数少ないアニメ映画の一つ。時は紀元前196302年、人間より遥
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エンカウンターズ/未知への挑戦(1989年製作の映画)

4.5

[オーストラリアの"NOPE"は超常現象と戦う] 90点

大傑作。ロルフ・デ・ヒーア長編二作目。前科者のエディは兄リチャードの経営するレイヴンズ・ゲートという孤立した農場に世話になっていた。ある日、
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トルテュ島の遭難者たち 4Kレストア(1976年製作の映画)

4.0

[] 80点

ジャック・ロジエ長編三作目。『アデュー・フィリピーヌ』でも全く同じことを思ったのだが、旅に出るまでが長すぎる。妹がどーたらみたいな痴話喧嘩興味ないのでボーッとしてたら45分も経ってよう
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Saturn Bowling(英題)(2022年製作の映画)

4.5

[ネオン輝く狩人たちのボウリング場] 90点

大傑作。パトリシア・マズィ監督最新作。父親が死んだ。彼の遺した地下ボウリング場を相続した刑事のギョームは、その日暮らしで放浪中の異母弟アルマンに譲ること
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メーヌ・オセアン 4Kレストア(1985年製作の映画)

3.0

[] 60点

ジャック・ロジエ長編四作目。冒頭の長回しが良い。ギリギリで切符を買って列車に飛び乗るという、クシシュトフ・キェシロフスキ『偶然』の分岐点シーンみたいな一連の動作がワンカットで描かれるの
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Zirneklis(原題)(1992年製作の映画)

3.5

[ラトビアのフロイト的サイコ・セクシャル・ドラマ] 70点

Vasilijs Massが残した唯一の長編。聖母マリアとして画家のモデルを務めることになった陶器人形みたいに美しい女学生ヴィタが、変態的
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Presents(原題)(1981年製作の映画)

4.5

["見ること"の破壊性と"見たこと"で失われる瞬間について] 90点

大傑作。まず登場するのは画面中央に縦方向の棒状に圧縮された画である。これが徐々に変化する電子音と共に横方向へと広がり、縮小された
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ヒコーキ野郎/スカイ・キッド(1984年製作の映画)

4.0

[オーストラリア、大空を飛ぶ夢] 80点

傑作。ロルフ・デ・ヒーア長編一作目。小学生のオーヴィルは飛行機大好きオタクで、連日のようにラジコン飛行機を飛ばして遊ぶ集団にくっついて眺めている。しかし、こ
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(1989年製作の映画)

4.9

[] 99点

大傑作。ペドロ・コスタ長編一作目。病弱な弟ニノと共に暮らす青年ビセンテが父親を殺害して埋めるが、不審がった叔父や借金取りによって平穏な生活が邪魔される話。デビュー作から既に凄まじいライ
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Limbo(原題)(2023年製作の映画)

3.5

[オーストラリア、オーストラリア、未解決事件によって時間の止まった人々] 70点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。アイヴァン・セン長編七作目。ヤク中の刑事トラヴィスがオーストラリアの田舎
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ミツバチと私(2023年製作の映画)

2.0

[スペイン、ルチアとその家族について] 40点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。Estíbaliz Urresola長編一作目。セリーヌ・シアマ『トムボーイ』やエマヌエーレ・クリアレーゼ
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ワンダーウォール(1968年製作の映画)

2.0

[] 40点

追悼ジェーン・バーキン。『キャンディ』とか『カジノ・ロワイヤル』みたいな、60年代後半のおしゃサイケ映画の一本。偏屈科学者が隣部屋に引っ越してきたジェーン・バーキンを覗き見て妄想に浸る
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エッグヘッド&トゥインキー(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

家族にカムアウトしてキレられた女子高生が親友男とチャット上の恋人に会いにテキサスへ向かう話。主人公がアニメーター志望ということでアニメが絡んでくるポップな演出が合わず、スパイラルホール
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

[] 70点

公開前は宣伝なし、公開後もみんなが感想ボカしてて、結局話題にならなそうだが、宣伝しようもないし、頑張って宣伝してもそれに見合うくらいのヒットにはならなそうなので、宣伝費ケチって諦めた説
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Joyland(原題)(2022年製作の映画)

3.0

[パキスタン、社会的/世代的移行期にある不確かな世界] 60点

サイム・サディク(Saim Sadiq)長編一作目。カンヌ映画祭公式セレクションに初めて選出されたパキスタン映画であり、ルーカス・ドン
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バイオハザード:デスアイランド(2023年製作の映画)

4.0

[超人たちに紛れ込む一般人レベッカさん]

実はPS4で出たシリーズ作はほぼ全部トロコンした程度の、中の上くらいのファンです。前作『ヴェンデッタ』が久々のレベッカさん登場作で、しかもレベッカガチ恋勢が
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A E I O U - A Quick Alphabet of Love(英題)(2022年製作の映画)

1.5

[ドイツ、母音のレッスンと恋のレッスン] 30点

ニコレッテ・クレビッツ長編四作目。60歳になるアナは全盛期の過ぎた女優で、今ではプライドの方が収入より高い。家賃も滞納しているが、下階に住む大家は寛
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

2.5

[我々は歴史を目撃している] 50点

老齢主人公のアクション・レガシークエルを押し付けられたジェームズ・マンゴールドの心痛は察するに余りあるが、適当すぎやしないだろうか。あまりにもジジイなので、アク
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リアリティ(2023年製作の映画)

3.0

[リアリティの駆け引きのリアリティ] 60点

ティナ・サッター(Tina Satter)長編一作目。サッターが『Is This a Room』として上演していた作品の映画化作品。2016年のアメリカ
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.0

[]

ヨーロッパ企画の大好きなタイムリープもといタイムループをいつメンで、という映画企画。今回は貴船の旅館で従業員と客が2分のタイムループに巻き込まれる、というもの。前作『ドロステのはてで僕ら』で用
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アートカレッジ 1994(2023年製作の映画)

2.5

[中国、芸術と未来に惑う青年たちの肖像] 50点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。リウ・ジエン長編三作目。1990年代初頭の中国南方藝術學院で学ぶ学生たちにスポットを当てた青春の肖像。こ
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Binding Sentiments(英題)(1969年製作の映画)

4.0

[ハンガリー、政治家の妻としての私] 80点

傑作。メーサーロシュ・マールタ長編二作目。高名な経済学者で政治家のティボルが死んだ。20年来の妻エディトを"心配"する周りの人々は、彼女に"疲れてるだろ
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私がやりました(2023年製作の映画)

2.5

[私が変態プロデューサーを殺しました?] 50点

フランソワ・オゾン長編22作目。ジョルジュ・ベルとルイ・ヴェルヌイユが1934年に発表した同名戯曲の映画化作品。1935年パリ、女優マドレーヌは弁護
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HOW TO BLOW UP(2022年製作の映画)

4.5

[環境汚染への怒りはパイプラインに火をつける] 90点

めちゃくちゃ面白い。ダニエル・ゴールドハーバー長編二作目。アンドレアス・マルムによって書かれた同名ノンフィクション本に着想を得た一作。同作では
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ウーマン・トーキング 私たちの選択(2022年製作の映画)

4.0

[言語を奪われると沈黙が来て、それは恐怖を呼ぶ] 80点

サラ・ポーリー長編四作目。ミリアム・トウズによる同名小説の映画化作品。小説は2005年から2008年にかけてボリビアのメノナイト・コロニーで
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