KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

KnightsofOdessa

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スリー・モンキーズ(2008年製作の映画)

2.5

[] 50点

2008年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン長編五作目。選挙活動中の実業家セルヴェトが夜の山道で人を轢いてしまい、お金と引き替えに自分の運転手エユップに罪を被って
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ドラゴン・イン(1992年製作の映画)

4.5

[やたら血の気の多い"龍門の宿"] 90点

大傑作。キン・フー『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』(以下、原作)のリメイク作品。プロデューサーにツイ・ハークが参加している。いきなり東廠の訓練シーンから始ま
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麦の穂をゆらす風(2006年製作の映画)

3.0

[] 60点

2006年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作。ケン・ローチは八度目の選出で25年来の夢を叶えた形となる。物語は1920年代に起こったアイルランド独立戦争を描いている。中
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Un couple(原題)(2022年製作の映画)

2.5

[レフ・トルストイの夕食を作ったのは誰か?] 50点

2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。フレデリック・ワイズマンの数少ない劇映画。物語はレフ・トルストイの妻ソフィア・トルストイの独白の
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Climates/うつろいの季節(とき)(2005年製作の映画)

3.5

[トルコ、妻を支配線とするモラハラ夫=ジェイラン?] 70点

2006年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン長編四作目。今回も主人公はカス男だが、普段と違うのは演じているのがジェ
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HOW TO HAVE SEX(2023年製作の映画)

4.0

皆さん、良いお年を。

[] 80点

傑作。2023年カンヌ映画祭"ある視点"部門選出作品、グランプリ受賞作品。モリー・マニング・ウォーカー長編一作目。高校を卒業したばかりの仲良し三人組タラ、エム、
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

1.5

[これが"Old meets New"ってか?やかましいわ!] 30点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ヴィム・ヴェンダース長編最新作、『パレルモ・シューティング』以来15年ぶり10度目の
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

1.5

[監督がカリスマになりたいだけでは] 30点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ブラッドリー・クーパー長編二作目。前作は未見だが、クーパーはこんな中身空っぽな映画を撮る人なんだぁといっ
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人間の境界(2023年製作の映画)

3.0

[ポーランドとベラルーシの国境森林帯にて] 60点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。アグニェシュカ・ホランド長編25作目。本作品はベラルーシとポーランドの間にある"緑の国境(Gree
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The Promised Land(英題)(2023年製作の映画)

2.5

[マッツ・ミケルセン、不毛の大地でジャガイモを育てる]

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞デンマーク代表。ニコライ・アーセル長編六作目。まさかのジャガ
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リドル・オブ・ファイヤー(原題)(2023年製作の映画)

4.5

[]

大好き。ウェストン・ラズーリ長編一作目。目出し帽を被ってお手製ペイントボール銃を背負い、ミニバイクを駆る二人の少年兄弟と一人の少女。三人は"不死身のワニ団"という悪ガキ集団だった。その日、彼ら
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スイート・イースト(2023年製作の映画)

1.0

[] 10点

ショーン・プライス・ウィリアムズ長編一作目。ワシントンに修学旅行でやって来た高校生リリアンは、同級生たちが浮かれ騒ぐ中に一人浮かない表情をしていた。恋人なのかも分からないトロイという年
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プリシラ(2023年製作の映画)

4.0

[プリシラから見たエルヴィスとの生活] 80点

傑作。2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ソフィア・コッポラ長編八作目。プリシラ・プレスリーが1985年に出版した自伝『Elvis and
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The Last Word(英題)(1973年製作の映画)

5.0

[ブルガリア、囚われた女性パルチザンたちの抵抗] 100点

人生ベスト。1974年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カンヌ映画祭コンペ部門に選出された数少ないブルガリア映画の一つ。選出にあたって、当時
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ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ(2023年製作の映画)

4.0

[居残り者たちが見つけた道] 80点

アレクサンダー・ペイン長編八作目。実は初めて。1970年、ニューイングランドの寄宿学校バートン・アカデミーに勤める世界史教師ポール・ハナムはその厳格さと融通の利
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メイ・ディセンバー ゆれる真実(2023年製作の映画)

3.0

[不健康な年齢差恋愛のその後] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。トッド・ヘインズ長編九作目。原題"May December"は年齢差のある恋愛関係を意味し、作中に登場する36歳のと
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Till the End of the Night(英題)(2023年製作の映画)

1.5

[トランスフォビア刑事、トランス女性と潜入捜査する] 30点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。クリストフ・ホーホホイスラー長編六作目。潜入捜査官ロベルトは麻薬売買に使われた闇サイトを調査
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The Unknown Country(原題)(2022年製作の映画)

2.5

[祖母の幻影を求めるマリック風な旅] 50点

モリサ・マルツ長編一作目。ある夜、タナは自分を育ててくれた祖母を亡くした痛みを抱えながら、雪に包まれたミネアポリスを後にする。苛立ちながら車に付いてた車
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We Were Young(英題)(1961年製作の映画)

4.9

[ブルガリア、愛を知る時間もなかった若きパルチザンたちの物語] 99点

超絶大傑作。ビンカ・ジェリャズコヴァ(Binka Zhelyazkova)長編二作目。実は『ほたる』という邦題で1961年に一
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女優は泣かない(2023年製作の映画)

4.0

[] 80点

不倫騒動に巻き込まれて活動自粛していた安藤梨花が活動再開後の初仕事に選んだのは、10年ぶりに地元に帰るドキュメンタリーだった。しかし、適当なマネージャーと適当な製作局のおかげで、来たの
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ナポレオン(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

リドリー・スコット長編最新作。高校時代はかなりのフランス革命好きだったので、それに続くナポレオン戦争~ウィーン会議くらいまでの期間の欧州のことは色々調べていたが、流石に10年近く経つと
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エリザのために(2016年製作の映画)

4.0

[ルーマニア、腐敗の連鎖を可視化する] 80点

傑作。2016年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。同じ年のコンペにはクリスティ・プイウの新作『シエラネバダ』も並んでいたというルーマニア・ニューウェーブ
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Manodrome(原題)(2023年製作の映画)

2.5

[インセル集会に出てみたら…] 50点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ジョン・トレンゴーブ長編三作目。仕事を失ったラルフは個人タクシーで日銭を稼ぎながら、鬱屈した感情を心の奥底に仕舞い
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Holly(原題)(2023年製作の映画)

3.0

[ベルギー、その奇跡の子は奇跡の子なのか?] 60点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。Fien Troch長編五作目。同級生から虐められているホリーには、同級生で自閉症のバート、妹の
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L'ete dernier(原題)(2023年製作の映画)

3.0

[ブレイヤ流"罪と女王"] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。カトリーヌ・ブレイヤ長編15作目。10年ぶりの新作だが、この10年間の間に起こったことと言えば、#MeToo運動の初期段
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青春(2023年製作の映画)

3.0

[中国、縫製工場の若者たちの生活] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ワン・ビンとは非常に相性が悪く、どの作品もだいたい開始10分くらいで寝ちゃって全戦全敗中なので、可能ならばエンカ
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(2023年製作の映画)

3.5

[面従腹背な男たちの戦国ホモソ漫才] 70点

初北野武。文字通り戦国ホモソ漫才である。戦国時代はカリスマたちの悲哀劇という美化が常になされている"コンテンツ"だが、どいつもこいつも自分のことしか考え
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ドミノ(2023年製作の映画)

4.5

[] 90点

大傑作。ロバート・ロドリゲス新作。娘が行方不明になった刑事が謎の最強能力者デルレーンに追われる話。冒頭から娘の写真が合成臭いわ、通報理由が嘘くさいわ、協力してくれる別の能力者ダイアナが
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雪雲(2023年製作の映画)

3.5

[中国、"不在"を抱えた都市への鎮魂歌] 70点

2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。2021年のカンヌ映画祭で短編部門に出品した同名作品を長編化した一作。主人公ハンは10年間の服
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黒衣人(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

どの作品を何回チャレンジしても開始10分で爆睡するのでほぼ諦めてる系映画監督ワン・ビンの新作。今回も10分くらい爆睡しちゃったけど、話を聞く限り大丈夫そうなとこなので流れに任せて書いて
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黄色い繭の殻の中(2023年製作の映画)

2.0

[] 40点

ファム・ティエン・アン長編一作目、カメラドール受賞作。サッカー場から露店への横移動と事故へのパンという長回しOPがあまりにも見事で、その他の都市部でのシーンもどれも良かったのだが、田舎
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サバイバル(2022年製作の映画)

3.0

[植民地主義と人種差別への諦めと絶望] 60点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ロルフ・デ・ヒーア長編15作目。近作では盟友デヴィッド・ガルピリルと共にアボリジニの物語を描いてきたが、本
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

4.5

[料理は対話、料理は映画] 90点

大傑作。2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞フランス代表。トラン・アン・ユン長編七作目。ライトフィルム様よりご厚意で試写に
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GIFT(2023年製作の映画)

3.0

[]

『悪は存在しない』を観てから観たんで、そっちに引っ張られてしまって十分に楽しめたとは言い難い。同作は森を見上げる移動長回しで始まるが、本作品は鹿の死骸から始まり、鹿関連問題でまとめていた印象が
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About Dry Grasses(英題)(2023年製作の映画)

3.5

[トルコ、幼稚過ぎるカス男の一年] 70点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。2024年アカデミー国際長編映画賞トルコ代表。ヌリ・ビルゲ・ジェイラン長編九作目。アナトリアの僻地にある学校で美
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サムサラ(2023年製作の映画)

3.0

[ラオスの老女、ザンジバルの少女に転生する] 60点

2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。ロイス・パティーニョ(Lois Patiño)長編三作目。英題"サムサラ"とは輪廻転生を指
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