KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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Excursion(英題)(2023年製作の映画)

3.5

[ボスニア、初体験と妊娠をでっちあげた少女の物語] 70点

2024年アカデミー国際長編映画賞ボスニア・ヘルツェゴビナ代表。ウナ・グニャク(Una Gunjak)長編一作目。9年前にボスニア北部の中
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Yannick(原題)(2023年製作の映画)

2.0

[つまらんゲージュツは俺が変えるんだ!] 40点

カンタン・デュピュー長編11作目。昨年から1年に2本というホン・サンスみたいなペースで作品を撮りまくっており、今年も本作品をロカルノ映画祭で上映した
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ある学生(2012年製作の映画)

3.5

[現代カザフスタンに生きるラスコーリニコフ] 70点

ダルジャン・オミルバエフ長編六作目。今回は『罪と罰』を土台としている。主人公は金欠大学生、冒頭では映画撮影の現場で働いている。しかし、主演女優に
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ロイヤルホテル(2023年製作の映画)

2.5

[性差別の蔓延する場末のサルーンにて] 50点

キティ・グリーン長編四作目。彼女は、とある映画祭で審査員をした際に鑑賞した2016年のドキュメンタリー映画『Hotel Coolgardie』に衝撃を
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The Annunciation of Marie(英題)(1991年製作の映画)

5.0

["見えないこと"の反復の中にある"見えること"の神聖さについて] 100点

人生ベスト。俳優アラン・キュニーの残した最初で最後の長編作品。ポール・クローデル「マリアへのお告げ」の映画化作品。キュニ
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The Old Oak(原題)(2023年製作の映画)

3.0

["チャリティではなく連帯"という答え] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ケン・ローチは今回で15回目の選出となる。同じコンペには9回目のナンニ・モレッティ、8回目のマルコ・ベロッ
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ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)

5.0

[真夜中のブリュッセルを巡るオデュッセイア] 100点

人生ベスト。バス・ドゥヴォス長編三作目。誰もいない夕暮れ時のリビングルームから少しずつ光がなくなっていく印象的な長回しから始まる、ある掃除婦の
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枯れ葉(2023年製作の映画)

3.5

[ある男女の偶然の出会いと偶然の別れ] 70点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アキ・カウリスマキ6年ぶりの最新作。1986年製作の『パラダイスの夕暮れ』から『真夜中の虹』『マッチ工場の少
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

2.0

[転落に至るまでの結婚生活を解剖する] 40点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作。ジュスティーヌ・トリエ長編四作目。英題"Anatomy of a Fall"から想像する
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Life Flows Slowly by...(英題)(1988年製作の映画)

5.0

[ブルガリア、パルチザン神話の果てしなき重さ] 100点

人生ベスト。ビンカ・ジェリャズコヴァ(Binka Zhelyazkova)長編一作目。ブルガリア初の女性監督による長編映画。夫で長年の協力者
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The Breaking Ice(英題)(2023年製作の映画)

2.0

[大人になれない大人たちの現実逃避] 40点

2024年アカデミー国際長編映画賞シンガポール代表。今年はチェンの初英語作品『Drift』がサンダンス映画祭で上映され、そのすぐあとのカンヌ映画祭で本作
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汚れなき祈り(2012年製作の映画)

3.5

[ルーマニア、閉鎖的な宗教コミュニティと悪魔祓い事件について] 70点

2012年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。クリスティアン・ムンジウ長編三作目。2005年にモルタヴィアの修道院で起こった修道女
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Alien Visitor(原題)(1997年製作の映画)

3.0

[宇宙人に環境問題について説教される回] 60点

ロルフ・デ・ヒーア長編六作目。焚き火を囲んで座る老婆が二人の少女に昔話を語る。昔々、南十字星の一番暗い五つ目の星イプシロンから誤って地球に送られてき
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Stone Wedding(英題)(1973年製作の映画)

5.0

[白色の"死"と黒色の"希望"] 100点

人生ベスト。ダン・ピツァ(Dan Pița)&ミルチャ・ヴェロイユ(Mircea Veroiu)コンビの長編一作目。ルーマニア映画史に燦然と輝く大傑作。I
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白塔の光(2023年製作の映画)

4.0

[] 80点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。まだ『福岡』しか見たことないチャン・リュルにわか的に言わせてもらうと、実にチャン・リュルらしい平和な混沌の映画である。主人公はバツイチの料理
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MMXX(原題)(2023年製作の映画)

3.0

[ルーマニア、歴史の岐路に立たされた彷徨える魂…?] 60点

クリスティ・プイウ長編七作目。2020年のトランシルヴァニア映画祭での前作『Malmkrog』の屋外上映イベントにてマスクを付けなかった
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Eureka(原題)(2023年製作の映画)

3.5

[白人社会に生きる先住民たちの年代記] 70点

リサンドロ・アロンソ長編六作目。前作『約束の地』はボロボロになったヴィゴ・モーテンセンが荒野を彷徨う静かな映画だったので、今回は疲れ果てているだろう釜
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Kobieta Z...(原題)(2023年製作の映画)

4.0

[ポーランド、とあるトランス女性の43年間] 80点

傑作。2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。マウゴジャタ・シュモフスカ長編11作目。盟友ミハウ・エングレルトの名前が連名で監督欄に載る
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西湖畔(せいこはん)に生きる(2023年製作の映画)

3.5

[] 70点

グー・シャオガン長編二作目。山水絵巻第二巻。前作『春江水暖』はカンヌ批評家週間でのプレミアだったが、本作品はなんとTIFFでワールドプレミアとなった。カンヌに落ちたと言ってた人がいたけ
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ロクサナ(2023年製作の映画)

2.0

[] 40点

イランの変な風習の詰め合わせパック。酒を所持してたら逮捕、道行く人に宿題をやらせようとする子供、家の権利書という最強カード等々。まずそれらがあり、若者にとにかく金がないというのがあり、
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マディーナ(2023年製作の映画)

2.0

[] 40点

アジアの未来は取らないと決めてたのに、カザフスタン映画に変な義務感を感じてしまい失敗。昼はダンス講師、夜はダンサーとして稼ぎ、祖母とニート弟と幼い娘を支えるマディーナの物語。彼女は様々
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エア(2023年製作の映画)

4.0

[]

アレクセイ・ゲルマン・ジュニア長編七作目。1942年春にレニングラード近郊の小さい前哨飛行基地に配属された女性兵士たちの物語。女性パイロットを蔑視して参戦に反対する男性兵士たちも多くいるが、損
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雪豹(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

ペマ・ツェテンの遺作の一つ。チベットの山村で、飼っていた羊を9匹も雪豹に食い殺されたジンパvs第一級保護動物なので速やかに解放したい役人のバトル。ずっと羊のいる囲いの中に雪豹を入れとく
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ゴンドラ(2023年製作の映画)

4.9

[ゴンドラの上のユートピア] 99点

大傑作。ファイト・ヘルマー長編八作目。長年の友人だったバフティヤル・フドイナザーロフの代表作『コシュ・バ・コシュ』をヘルマー流に拡張しアレンジしたような一作。同
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耳をかたむけて(2023年製作の映画)

4.5

["普通"の人間は主人公になれるのか] 90点

大傑作。リュウ・ジャイン長編三作目。前作『Oxhide II』から14年ぶりの新作である本作品は、脚本家になる夢に破れて弔文ライターとなった男の日常を
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スルタナの夢(2023年製作の映画)

2.0

[] 40点

イサベル・エルゲラ長編一作目。インド系スペイン人の少女イネスがインドを旅行中に「スルタナの夢」という女性ユートピアを描いた本に出会い云々という話。メアリー・ビアード、ポール・B・プレシ
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真昼の女(2023年製作の映画)

2.5

[] 50点

バルバラ・アルベルト長編七作目。ドイツの作家ユリア・フランクによる同名小説の映画化作品。映画は第一次世界大戦期のドイツに始まり、第二次世界大戦終結から10年後までを扱っている。主人公ヘ
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開拓者たち(2023年製作の映画)

3.5

[] 70点

大きく二部構成になっており、前半は"赤い豚"と呼ばれた元英国軍兵士が、混血児セグンド&メキシコ人ガンマンと共に先住民たちを殺しまくるパタゴアン西部劇である。後半はその7年後を舞台に政府
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鳥たちへの説教(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

ヒラル・バイダロフ長編五作目。今回もオルカン・イスカンダルリがダブドという男を演じている。そして、説教三部作の二作目らしい。みんな大好き『クレーン・ランタン』の記憶がほぼないため、新鮮
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世界の終わりにはあまり期待しないで(2023年製作の映画)

4.5

[ルーマニア、終わらない労働と届かない声] 90点

大傑作。2024年アカデミー国際長編映画賞ルーマニア代表。ラドゥ・ジュデ長編10作目。大きく二部構成になっていて、第一部は搾取され続けるADアンジ
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漁師(2023年製作の映画)

1.0

[] 0点

漁師ウエスタンフォークロア。信じらんないくらいつまらん。マジで1秒も面白くなかった。この内容の薄さで140分て実力低すぎでは?60分でも長いだろ。同じ銅像が100回くらい出てきたけど10
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彼方のうた(2023年製作の映画)

4.0

[強固であり希薄な存在である春さんのこと] 80点

傑作。杉田協士長編四作目。主演の小川あんは、これまでの杉田作品の女性たちとはまた別種の存在感があり、ちょっと映画の雰囲気に対して強すぎるのではない
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白い小船(2023年製作の映画)

3.0

[]

ゴン・ズーハン長編一作目。クィア映画と知らなかったので明記。医師の母親がアフリカに長期出張することになって、長らく会っていなかった父親に預けられたシアンのひと夏の恋。お相手の年上お姉さんの人物
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ひとつの愛(2023年製作の映画)

2.5

[] 50点

イザベル・コイシェ長編最新作。山麓の村に引っ越してきたナタリアは、あまりのボロ家具合に大家にキレると、折り込み済みだろ!と逆ギレされ、これだから女は~というミソジニーまでプレゼントされ
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私たちの世界(2023年製作の映画)

3.0

[コソボ、失われた世代の青春] 60点

ルアナ・バイラミ長編二作目。前作『The Hill Where Lionesses Roar』は都会の大学に行きたい!という田舎暮らし女子高生三人組の物語で、
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墓泥棒と失われた女神(2023年製作の映画)

5.0

[あるエトルリア人の見た夢] 100点

人生ベスト。2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アリーチェ・ロルヴァケル長編四作目。なんだかんだ『天空のからだ』が一番好きで、『夏をゆく人々』も『幸福な
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