KnightsofOdessaさんの映画レビュー・感想・評価

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Love Lies Bleeding(原題)(2024年製作の映画)

3.5

[] 70点

ローズ・グラス長編二作目。1989年、ジムのマネージャーであるルーは、ボディビル大会を目指してニューメキシコを通りかかった放浪者ジャッキーと出会い恋に落ちる。彼女は自身の後ろ暗い過去と
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つつましき詐欺師(1996年製作の映画)

2.5

["最上の人生とは作られたものだ"] 50点

1996年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ジャック・オーディアール長編2作目。ジャン=フランソワ・ドニオーによる同名小説の映画化作品。物語は現在のアルベ
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ルボ(2023年製作の映画)

2.0

[] 40点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ジョルジョ・ディリッティ長編五作目。1939年スイス、家族で大道芸人をしながら国中を渡り歩くイェニッシュの家長であるルボは、いきなり道端
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私が存在しない日々(2002年製作の映画)

5.0

[1日ごとにしか存在できない男の物語] 100点

人生ベスト。ジャン=シャルル・フィトゥーシ長編三作目。ルイス・ミゲル・シントラ演じる謎の男がアントワーヌという名の幼い甥にある物語を語り始める。それ
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潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断(2023年製作の映画)

1.5

[イタリア、カリスマ潜水艦長は"海の男"] 30点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。エドアルド・デ・アンジェリス長編六作目。SAG-AFTRAのストライキの影響でルカ・グァダニーノ『
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そう言ったでしょ(2023年製作の映画)

1.0

[大きな志のない虚無映画]

ジネヴラ・エルカン長編二作目。あんまよく知らないけど取ってみよう!と欲を出した瞬間に死ぬことで有名なイタリア映画祭にて、懲りもせず今年も欲を出してしまった私が悪いのだが、
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グローリア!(2024年製作の映画)

4.0

[音楽を理論や楽譜や権力や階級から解放する映画] 80点

傑作。2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。シンガーソングライターとして有名なマルゲリータ・ヴィカーリオ長編一作目。1800年を迎えた
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パリでかくれんぼ(1995年製作の映画)

4.9

[] 99点

大傑作。ジャック・リヴェット長編15作目。英題は"Up, Down, Fragile"であり、本来の意味としては引越荷物に貼る"天地無用&割物注意"のことだが、登場する三人の主人公の属
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私は死んでいない(2008年製作の映画)

5.0

[時間も輪廻も幻想も生者も死者も混ざり合う温かな愛の旅] 100点

人生ベスト。ジャン=シャルル・フィトゥーシ長編六作目。長らく"聖杯"リストのトップを守り続けていた伝説の映画。物語は科学者シュタイ
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Daaaaaali!(原題)(2023年製作の映画)

2.5

[幼稚なダリがいっぱい] 50点

カンタン・デュピュー長編12作目。一昨年から1年に2本というホン・サンスみたいなペースで作品を撮りまくっており、昨年は『Yannick』をロカルノ映画祭で上映した数
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夜の子供たち【4Kレストア版】(1996年製作の映画)

3.5

["愛に代わりはない"] 70点

1996年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アンドレ・テシネ長編13作目。犯罪者の兄イヴァンの死とその余波を、刑事になった弟アレックスやイワンの息子ジュスタンなどの目
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地に堕ちた愛(1984年製作の映画)

4.0

[] 80点

傑作。1984年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ジャック・リヴェット長編10作目。三人の俳優が脚本家の家に呼ばれて、その邸宅をステージ化した舞台に出演するために稽古する話。しかも
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Black Flies(原題)(2023年製作の映画)

1.5

[危険な有色人種と思い悩む白人救世主] 80点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ジャン=ステファーヌ・ソヴェール長編四作目。カンヌでのプレミア上映時は『Black Flies』という題名だ
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浮き雲(1996年製作の映画)

3.0

[] 60点

1996年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アキ・カウリスマキ長編13作目。主人公男女が色々あって無職になるというのが、あまりにもこれまで観たカウリスマキ作品と同じ展開すぎて流石に笑って
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The Universal Theory(英題)(2023年製作の映画)

2.0

[多元宇宙から来た女に一目惚れした男] 40点

2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。Timm Kröger長編二作目。作家ヨハネス・ライナートはスイスを舞台とするSF小説を発表した。しか
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

[光の二重性と人間の二重性] 80点

クリストファー・ノーラン長編12作目。ノーランにコロナ禍直後に劇場公開を強く希望されたことで20年来の蜜月を切ったワーナーも、手放した瞬間にオスカー席巻されると
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異人たち(2023年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

[You Were Always on My Mind And Always Will Be]

傑作。アンドリュー・ヘイ長編五作目。山田太一『異人たちの夏』映画化作品。原作は未読だが、大林宣彦版は鑑
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山の焚火(1985年製作の映画)

4.9

[] 99点

超絶大傑作。フレディ・M・ムーラー長編二作目。これまで観るのを躊躇っていたのを後悔しているくらい素晴らしかった。物語はスイス田舎村の山の中腹にある小屋で暮らす家族を追う。老夫婦には二人
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メゾン ある娼館の記憶(2011年製作の映画)

3.5

["私たちが燃えなきゃ夜は暗闇だ"] 70点

2011年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ベルトラン・ボネロ長編五作目。19世紀末フランスの高級娼館を舞台に、そこで暮らす娼婦たちの日常と仕事風景、やっ
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

4.5

[それは姉の見た世界、私の歩んだ記憶] 90点

大傑作。2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品、金獅子受賞作。1965年に自殺した姉バーバラに捧げられた映画であり、原題も診断書に書かれた"彼
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コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

4.0

[Could be a doctor] 80点

2022年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。なぜかずっと観るタイミングを失っていたのでようやく。物語は1968年、ホテルのディナーで幕を開ける。弁護士
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イヤーウィグ/氷の⻭を持つ少女(2021年製作の映画)

3.0

[氷の歯を持つ少女の物語] 60点

ルシール・アザリロヴィック長編三作目。20世紀半ば、ヨーロッパの何処か。アルバートは氷の歯を持つ少女ミアの世話をしている。決まった時間になると、口に突っ込まれた大
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La nature(原題)(2019年製作の映画)

4.0

[驚異的で圧倒的な力を持つ自然] 80点

傑作。1993年の『生命』以来26年ぶりの新作。今回は題名の通り自然風景のコラージュである。26年の間に映像機器の圧倒的進化があったのが分かるくらい、集めら
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Slow(原題)(2023年製作の映画)

4.0

[リトアニア、親密さと身体について] 80点

傑作。2024年アカデミー国際長編映画賞リトアニア代表。マリア・カフタラーゼ(Marija Kavtaradzė)長編二作目。コンテンポラリーダンサーの
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炎のアンダルシア(1997年製作の映画)

3.5

[カリフのボンクラ息子、"目覚める"]

ユーセフ・シャヒーン長編32作目。物語は12世紀レコンキスタ真っ只中のイベリア半島で、カリフの隣で法律を司る哲学者アヴェロエスを中心に語られる。頑迷なカリフに
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けもの(仮題)(2023年製作の映画)

4.0

[人類に向けたフォークト=カンプフ検査] 80点

大傑作。2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ベルトラン・ボネロ長編10作目。一応の原作はヘンリー・ジェイムズ『密林の獣』。三つの異なる時
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バティモン5 望まれざる者(2023年製作の映画)

3.0

[] 60点

ラジ・リ長編二作目。前作『レ・ミゼラブル』にて世界的に有名になった監督の二作目は、イキったアレクシス・マネンティが火種を撒き散らすという基本構造こそ共通しているが、前作よりややトーンダ
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Favoriten(原題)(2024年製作の映画)

3.0

[オーストリア、イルカイ先生の教室] 60点

2024年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。ウィーンのファヴォリーテン地区にある小学校に通う25歳の子供たちの3年間を追ったドキュメンタリー。
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

[乗るしかない、このサンドワームに!] 60点

前作にはそこまで惹かれなかったものの、アニャさんが出るならとアニャさんを浴びに初日IMAXまで突撃して、結局5秒くらいしか登場しなかったので泣いて帰っ
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Pepe(原題)(2024年製作の映画)

3.5

[ドミニカ共和国、カバのペペの残留思念が語る物語] 70点

2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ネルソン・カルロ・デ・ロス・サントス・アリアス長編四作目。1993年、脱獄し潜伏中だった麻薬王
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Shambhala(原題)(2024年製作の映画)

4.0

[ネパール、シャンバラへゆく者] 80点

傑作。2024年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ミン・バハドゥル・バム長編二作目。ネパールはヒマラヤ山麓にある小さな村には、一妻多夫の伝統がある。家系を維
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Memory(原題)(2023年製作の映画)

4.0

[戻らない記憶と消せない記憶、ならば未来は?] 80点

傑作。2023年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ミシェル・フランコ長編八作目。デイケアセンターで働くシルヴィアはアルコール依存症から抜け
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ある人形使い一家の肖像(2023年製作の映画)

3.5

[ガレル家子供世代の将来は如何に] 70点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。俳優になる10年前の1947年、フィリップ・ガレルの父モーリスは人形劇団に入団し活動していた。1950年にはク
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密会 少女と馬飼いの男(2023年製作の映画)

2.5

[ドイツ、おじさんに恋する少女の物語] 50点

2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。ダニエラ・クリエンによる同名小説の映画化作品。1990年夏、東ドイツの農村で暮らすマリアは写真家志望の恋人
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関心領域(2023年製作の映画)

3.0

[アウシュヴィッツの隣で暮らす一家の日常] 60点

2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ジョナサン・グレイザー長編四作目。1943年、アウシュヴィッツ強制収容所の所長ルドルフ・ヘスは妻ヘドヴィ
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The Pacifist(英題)(1970年製作の映画)

3.0

["愚者や動物みたいな何も考えない者は幸せだ"] 60点

ヤンチョー・ミクローシュ長編九作目。前年に製作した『The Confrontation』の続編としてTV用に製作したイタリア映画。多分唯一の
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