KnightsofOdessa

地に堕ちた愛のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

地に堕ちた愛(1984年製作の映画)
4.0
[] 80点

傑作。1984年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ジャック・リヴェット長編10作目。三人の俳優が脚本家の家に呼ばれて、その邸宅をステージ化した舞台に出演するために稽古する話。しかも、部屋ごとにチャプター分けされてて、完全にガイ・マディン『Keyhole』で興奮した。この脚本家クレマンの書いた脚本は事実ベースらしく、そこに今でも出入りする胡散臭い奇術師ポールと失踪した女性ベアトリスを取り合ったという話をそのまま脚本としていることで、現実と芝居が曖昧になっていく。まず素晴らしいのはふとした瞬間に予期しない人物がカメラに映り込むことだ。遠景に人がというのもあり、パンしたらいたというのもあり、いつの間にか柱の後ろに居たというのもあり、闇から出てくるというのもあり、どれもおどろおどろしいホラーハウスっぽくて良かった。というか、クレマンに従う執事ラースロー・サボーがマジで格好良くて惚れたし(他の男どもがキショすぎるというのはあるが)、酔っ払ったジェラルディン・チャップリンが少年天使像を破壊するシーンや頭に怪我したジェーン・バーキンが傷に当てる布が無くてパンツ被ってるというシュールすぎるシーンも好き。だけど、流石に長すぎる気がする。でも好き。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa