KnightsofOdessa

Hot Cat?(英題)のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

Hot Cat?(英題)(1968年製作の映画)
4.0
[フィンランド、お熱い猫はお好き?] 80点

大好き。フィンランド映画史を代表する一作。高校に勤める24歳の女性教師マリヤは年上の彼氏に手ひどくフラら、人間不信から言い寄ってくる年上の同僚にもそっけない態度を取り続けている。ある日、彼女は泥酔した生徒アンティと出会う。敬虔な教師の鶴の一声で彼の退学が決定されると、マリヤは正面からその偽善的な態度に反抗し、後にアンティの家庭教師を務めることとなる。映画はアンティを中心とした若者の生活(労働と余暇)、及びマリヤを中心とした大人の恋愛が写実的に描かれており、ブダペストスクールの作品を10年先取りしたかのような、或いは初期のチェコスロヴァキア・ヌーヴェルヴァーグ(具体的にはヤロミル・イレシュ『The Cry』やシュテファン・ウヘル『The Sun in a Net』)的な雰囲気があった。ただ、二つの世界の交わりはあまり上手くないように思え、最終的に微妙なところに落ち着いてしまうのが難点。眉毛が印象的なマリアを演じたマーリタ・マケラは本作品以外はほぼ出演していないが、フィンランドの大俳優トイヴォ・マケラの娘とのこと。
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