[私はスタントウーマンになりたいんだ!!] 40点
ニダ・マンズール初長編作品。スタントウーマンに憧れるイギリス系パキスタン人の少女リアが姉の怪しい結婚を阻止しようと奮闘する話。スタントというのは、>>続きを読む
[低温ガイ・リッチー] 60点
2017年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。リウ・ジエン長編二作目。整形手術に失敗した婚約者のために犯罪組織から運転手が奪い取った100万元を奪い合う一夜もの。超温度の>>続きを読む
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毎度毎度、蜘蛛に噛まれて叔父が死んでという描写を繰り返してきた『スパイダーマン』という世界(原作未読なので映画だけしか知らんのだがそれでも二回もある)で、それを逆手に取ってメタ的要素としたのが>>続きを読む
[ピーター・フォン・カントの苦い涙] 60点
2022年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。フランソワ・オゾン長編21作目。近年の縦横無尽なテーマ選びが今回も炸裂。本作品はオゾンのキャリアで二度目のフ>>続きを読む
[あるエディプスが見た母親の悪夢] 10点
アリ・アスター長編三作目。ハリウッドのメインロードでサブリミナルなヤンチョー・ミクローシュをやった『ミッドサマー』から4年経って、今度はメインロードでガイ>>続きを読む
[黒人の恋人を持つ私は、人種差別主義者ではありません?] 40点
ポール・シュレイダー長編23作目。主人公ナーヴェル・ロスは、裕福なヘイヴァーヒル夫人の所有する屋敷の庭園を管理する園芸家である。後ろ>>続きを読む
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1972年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。夫が浮気してるという匿名電話を受けてからぶっ壊れていく主婦の話。冒頭のひっきりなしに掛かってくる電話の威圧感から圧倒されるが、それ以上に帰宅してキスし>>続きを読む
大傑作。自身が働く古道具店で発見したフィルム箱に入っていた、1960年代の旅行者の写真を、自由な解釈で一般化した一作。世界一周クルーズ旅行をする(ここまでは本当らしい)夫婦が撮った写真を、船内で暇にな>>続きを読む
[ほぼ全編ピンボケ映画] 40点
2023年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。2020年から3年連続でコンペに選出され、なんらかの賞を取っていたのだが、今回でその記録はストップしたようだ。>>続きを読む
[猫と鳩と創作活動] 70点
2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ケリー・ライカート長編八作目。前作『First Cow』のインタビューで"私とジョナサン・レイモンド(長年組んできた脚本家)は>>続きを読む
[タジキスタン、恋はロープウェイに乗って] 100点
人生ベスト。1993年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。バフティヤル・フドイナザーロフ長編二作目。ここまでロープウェイを中心に据えた映画って>>続きを読む
[カナダ、BlackBerry帝国の栄枯盛衰物語] 90点
大傑作。2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。マット・ジョンソン長編三作目。カナダ新世代の躍進が止まらない!昨年のベルリン映画祭でエ>>続きを読む
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バフティヤル・フドイナザーロフ長編一作目。レストア版の製作にはファイト・ヘルマーが絡んでいるらしい。ちょうど『ルナ・パパ』とヘルマーの『ツバル』は同じ1999年に公開されたチュルパン・>>続きを読む
["誰でも手に入るものを幸せという"] 40点
2023年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ある小学校周りで起こった出来事を羅生門形式で語る一作。羅生門形式なのは本当に謎で、確かにある章で怪物のような>>続きを読む
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バフティヤル・フドイナザーロフ長編三作目。冒頭から躍動する馬に『砂丘』ばりのセスナ低空飛行と大興奮。ひたすら乗り物が沢山出てくる映画であり、最終的には空想の乗り物から空想上の乗り物まで>>続きを読む
[] 60点
バフティヤル・フドイナザーロフ長編六作目。1940年代に綿花栽培のために始まったアムダリヤ川とシルダリヤ川の灌漑事業によって、アラル海は急速に面積を縮小していき、半世紀で1/10ほどに>>続きを読む
[スペイン、田舎の家を見に来てよ!] 60点
ホナス・トルエバ監督最新作。チャノ・ドミンゲスによる生演奏で幕を開ける本作品は、ある二組のカップルのポートレイトである。コロナの影響で久しぶりに再開した>>続きを読む
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ロバート・アルトマン長編三作目。若くして両親を失ったまま、彼らが属していたコミュニティに残り続ける拗らせ箱入り娘フランシスの物語。濡れた靴を乾かそうとオーブンに入れたり、化粧が若干ケバ>>続きを読む
[マケドニア、割れた鏡と堰き止められた小川、そして溢れ出す愛] 80点
北マケドニア映画史上最高傑作との呼び声高い名作。人里離れた森の小屋に若妻と父親を残して若い息子は兵役のために村を離れ、残された>>続きを読む
[ウクライナ、生命の泉と記憶の行脚] 80点
ユーリー・イリエンコはウクライナで最も有名な映画監督だったが、映画内に現れるシンボリズムが反ソ連的として一般上映は尽く禁止されてきた。本作品は、彼が撮影>>続きを読む
[人間に漸近する神話のイデア] 90点
大傑作。2023年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。アンゲラ・シャーネレク長編九作目。前作『家にはいたけれど』では『ハムレット』を換骨奪胎して現代の物語に組み>>続きを読む
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2003年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。全台詞のほとんどが上映されている『残酷ドラゴン 血斗竜門の宿』の台詞で、最初の台詞まで45分かかるという静かな映画。古い映画館の閉館の日>>続きを読む
[ベルリンを彷徨う三人の女たち] 90点
大傑作。2005年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。"幻影"三部作の第二篇。ニナはベルリンの福祉施設で生活する10代後半の少女。ある日、公園でゴミ拾いのボラ>>続きを読む
[] 60点
2013年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。ジョナサン・グレイザー長編三作目。デジタルで作った『2001年宇宙の旅』みたいなアバンタイトルで爆笑してしまった。極めてA24っぽい思わ>>続きを読む
[イギリス、絶海の孤島に襲い来る過去と未来] 90点
大傑作。マーク・ジェンキン長編最新作。前作『Bait』が好評だったため、北米配給権をNEONが購入するという大出生を遂げ、ファンとしては嬉しい限>>続きを読む
[イタリア、何もできなかった人々の物語] 100点
超絶大傑作。1978年3月16日、イタリア元首相アルド・モーロは誘拐された。彼が推し進めていた共産党との連立政権の信任投票が行われる、歴史的な日の>>続きを読む
[メーサーロシュ・マールタの壮絶な少女時代] 70点
1984年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。メーサーロシュ・マールタ長編13作目。"日記"四部作の第一篇。『マリとユリ』や『Just Like a>>続きを読む
[ハンガリー、代理出産と混じり合うアイデンティティ]
1980年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。メーサーロシュ・マールタ長編十作目、初の時代劇。メーサーロシュ・マールタ特集上映配給のライトフィルム様>>続きを読む
[ルーマニア、鉛筆の宮殿を建てましょう] 90点
大傑作。戦後ルーマニア映画の黎明期に活動を開始したものの、長編劇映画を四本しか残せなかった偉大なる映画作家ミルチャ・サウカン(Mircea Săuc>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
中嶋駿介監督新作短編上映会にお呼ばれしたのでありがたく鑑賞。映画は正方形の画面の中心で、呆然とするアズサのショットから始まる。彼女の目線の先にあるカメラはゆっくりと引いていき、そこが診察室であると分か>>続きを読む
[] 70点
2001年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。カトリーヌ・ブレイヤ長編七作目。15歳のエレナと13歳のアナイスは姉妹。愛憎混じり合う目線を投げ合う二人は、スリムでゴージャスな姉と平凡で太>>続きを読む
[社会に幻滅した同時代の若者たちについて] 80点
マルコ・ベロッキオ長編十作目。学校最上階を鳥瞰で捉えたショットの端から、屋根伝いに女が侵入してくる。教室の中からのショットに切り替わっても、女は窓>>続きを読む
[エストニア、欲に目が眩んだ男たちの末路] 90点
大傑作。レイダ・ライウス(Leida Laius)初長編作品。エストニアの大作家エドゥアルド・ヴィルデ(Eduard Vilde)の最高傑作とも称>>続きを読む
[イタリア、父親を透かし見るグロテスクな友情物語] 60点
2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。パオロ・コニェッティによる同名小説の映画化作品。映画化にあたって、監督二人はイタリア語を習得した>>続きを読む
[] 70点
1981年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。アンジェイ・ズラウスキ長編四作目。彼の作品はどれも超絶高カロリーなので心理的ハードルがめちゃくちゃ高いのだが、今回は意を決して観てみる。登場人>>続きを読む
[ベネズエラの"エル・スール"は女性の普遍的な戦いを描く] 70点
1985年カンヌ映画祭カメラドール受賞作、フィナ・トレス長編一作目。オリアナが亡くなった。その報を受けた姪のマリアは、幼少期に少し>>続きを読む