["人生は短くて長いんだ"] 90点
大傑作。2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。レベッカ・ズロトヴスキ長編五作目。同じコンペに監督作品が並んだロシュディ・ゼム(エフィラさんの恋人)とフ>>続きを読む
[イタリアの劣化版『トロピカル・マラディ』] 40点
アレッサンドロ・コモディン長編二作目。二人の少年が森の中を走っている。なにかから逃げているようだ。その逃避行はヤン・ニェメツ『夜のダイヤモンド』>>続きを読む
[ようこそ、我が"芸術と驚異の工房"へ!] 90点
大傑作!ヤン・シュヴァンクマイエル監督最新作。2018年の『蟲』が引退作と思っていたが、ロックダウン中に本作品を撮り始めたことで遺作は更新となった>>続きを読む
[モニカの帰郷と静かな和解] 60点
アンドレア・パラオロ長編三作目。主人公モニカは美しい女性で、常に性的な目線に晒されている。彼女と男たちの関係性は、彼女が依存症的関係性に陥っているジミーへの電話>>続きを読む
[ある父と息子の物語] 50点
2022年ヴェネツィア映画祭コンペ部門選出作品。すっかりオスカーの犬となってしまったヴェネツィアコンペで、恐らくオスカーに向けたキャンペーンのスタートとしてWPとなっ>>続きを読む
[] 70点
アンダース・エンブレム長編二作目。ノルウェーはオーレスンという港町で主人公アスタはジャーナリストとして生活している。なんらかのトラウマを抱えているアスタが暫く振りに仕事に復帰したところ>>続きを読む
[] 60点
1980年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。マルック・レヘムスカッリオ(Markku Lehmuskallio)初長編作品。彼は後に配偶者アナスタシア・ラプスイ(Anastasia L>>続きを読む
[ベルギー、目の前で死んだ親友の不在] 80点
傑作。Bas Devos長編一作目。15歳のイェッセは親友ヨナスと帰宅中、人気のない地下街で二人組の若者に襲われる。彼らが狙ったのはヨナスだけで、何を>>続きを読む
[] 80点
カミラ・アンディニ『ユニ』のタイトルロールを演じたアラウィンダ・キラナの新作がどうやら好評らしい、と昨年末に知るも、あまりにもローカル映画というのもあってほとんど諦めていたのだが、大阪>>続きを読む
[ドイツ、嘘とパクリで構成された人生] 60点
Jöns Jönsson長編二作目。2022年ベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。主人公ユリウスは友人たちから愛される若き美術館員だ。職場の新>>続きを読む
[やはり、千輝くんはイカれてる。] 80点
畑芽育が階段を上りまくる映画。それは、千輝くんの短距離走との対比としての階段上りであり、"雲の上の人"を目指すための階段上り、つまりは片想いのための階段上>>続きを読む
[] 80点
1934年に発表後に当局から即上映禁止を食らって、長らく散逸したと思われていたが、2018年にモスクワ映画アーカイブから出土し、ジョージア文化省や国立映画センターなどの尽力によって元の>>続きを読む
["国家とアル=アズハルは対立してはならない"] 80点
傑作。2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。北米上映時の題名は『Cairo Conspiracy』らしい。アル=アズハルはファーティマ朝>>続きを読む
[ジャクリーヌ・ササールに狂う男たち] 80点
傑作。1967年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。登場人物全員がジャクリーヌ・ササールを好きすぎる映画(ちなみに、そこにロージー本人も含まれる)。濃密な>>続きを読む
[Everything Happens for a Reason] 90点
大傑作。"映画は忘れられない夢のようなもの"、それが心地よい夢でも悪夢でも等しく襲いかかる。劇場でスピルバーグを観るのは『>>続きを読む
[ハンガリー、ある自立した少女の物語] 80点
傑作。メーサーロシュ・マールタ長編一作目。ハンガリーで初めて女性監督が撮った長編作品らしい。主人公は24歳の工場労働者エルジ。彼女は養子縁組が成立しな>>続きを読む
[] 60点
サム・メンデス監督最新作。A24製作の『The Inspection』と共に、昨年のトロント映画祭でプレミア上映され、そのままオスカーレース爆走を期待されていたが鳴かず飛ばずになっちゃ>>続きを読む
[] 80点
傑作。オタール・イオセリアーニ長編三作目。ギアは音楽家としてバレエシアターでオーケストラの打楽器を担当しているが、最初に叩くと90分間出番が無いらしく、しれっと会場を抜け出して90分後>>続きを読む
[閑散期のリゾートで"裏窓"を垣間見る] 80点
日本で一番紹介されているマティアス・ピニェイロや15時間の『La Flor』で悪名高いマリアーノ・シニャスに代表されるアルゼンチンの新世代の一人、ラ>>続きを読む
[謎が謎を深める街、トレンケ・ラウケン] 90点
大傑作。ラウラ・チタレラ長編四作目、単独では二作目。チタレラはマリアノ・ジナス、アレホ・モギランスキー、Agustín Mendilaharzuらと>>続きを読む
["父親"を拒絶し、"父親"となる歌手の兄] 70点
2022年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。元々は『スパルタ』と共に一つの映画『Wicked Games』を形成していたらしいが、あまりにも長大>>続きを読む
[トルコ、愛の平行線] 80点
傑作。暖炉の上に飾ってあるバカでかい肖像写真に見入るハリル。その家は資産家の別荘であり、彼は内装工事を担当してから写真に惚れてしまい、毎日のように会いに来ていた。そこ>>続きを読む
[中国、花と円形は愛のしるし] 60点
2022年ベルリン映画祭コンペ部門選出作品。中国の寒村で邪魔者扱いされる男女が、邪魔者コンビとして結婚させられるも、二人の間には確かな愛が芽生え始め云々という>>続きを読む
[しがない薬屋の大騒動] 60点
W.C.フィールズの初期作。私的ルイーズ・ブルックス映画祭。1926年当時、フィールズは映画と舞台を股にかけていた。ボードヴィルで寸劇や曲芸を披露し、ブロードウェイ>>続きを読む
[It's the Pictures that got Small] 40点
バビロン、とは『イントレランス』(1916)の大コケによって解体費用が捻出できず、古代バビロニアの巨大なセットが廃墟とし>>続きを読む
『死ぬまでに観たい映画1001本』(2011年版)はこれにておしまい!!11年かかったけど終わりました!
https://note.com/knightofodessa/n/na3f2272c44d8>>続きを読む
[] 80点
「死ぬまでに観たい映画1001本」(2011年版)も残り2本ということで、"休息と気晴らし"枠に残していた本作品にも手を付けていく(元ネタはルーゴン=マッカール叢書)。残り50本くらい>>続きを読む
[] 60点
ベルナルド・ベルトルッチ長編七作目。"1900年"という邦題だが、主人公二人が生まれるのはヴェルディが亡くなった1901年ということで、残念ながら1mmも掠らない(正しくは1900年代>>続きを読む
[87年生まれ、ジェシー・ダムロッシュ] 70点
ジェシー・ダムロッシュは1987年、父方の伯父ジョセフが亡くなった2年後に生まれた。というナレーションから始まるダムロッシュ家(父方の一族)とオーキ>>続きを読む
[] 100点
人生ベスト。1982年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。ヴェルナー・ヘルツォーク長編九作目、コンペには三度目の選出。原住民に"神の創造が終わる前の土地"と呼ばれるアマゾンの奥地にオペラ>>続きを読む
["許そう、でも忘れないぞ"] 99点
1995年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品、パルムドール受賞作。エミール・クストリッツァ長編七作目で、コンペは三度目の選出、二度目のパルムドール。無知で無邪気な>>続きを読む
[私を見て、私はここにいる] 80点
ニナ・メンケス長編二作目。『The Great Sadness of Zohara』から『Queen of Diamonds』『The Bloody Child>>続きを読む
[ルーマニア、形容詞としての"警察"は…] 80点
コルネリュ・ポルンボユ長編二作目。刑事クリスティは逡巡している。マリファナ売人疑惑のある高校生ヴィクトルの張り込み捜査をしているが、彼は自分用に買>>続きを読む
[] 70点
マウゴジャタ・シュモフスカ長編三作目。新進気鋭の芸術家ユリアと売れっ子作曲家ピョートル夫妻はクラクフに住んでいる。ユリアの父親ユレクは有名な映画監督、母親バルバラは有名な犯罪小説家とい>>続きを読む
[ルーマニア、神父を待ちながら、食事を待ちながら] 90点
大傑作。2016年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。クリスティ・プイウ長編五作目、"ブカレスト郊外の六つの物語"の第三編。初長編『Stuff>>続きを読む
[ルーマニア、セクリターテと不条理の波状攻撃] 90点
大傑作。ルチアン・ピンティリエ長編五作目。チャウシェスク政権崩壊後に亡命先のフランスから故郷に戻ってきたピンティリエが最初に製作した作品。冒頭>>続きを読む