KnightsofOdessa

緑の夜のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

緑の夜(2023年製作の映画)
2.0
[大人になれなかった二人の子供の物語] 40点

ハン・シュアイ長編二作目。前作『阪南の夏(Summer Blur)』があまりにも素晴らしい作品だったので、今回は本作品が上映されるから釜山に来たはずだった。上映終了後、あまりの酷さに私は頭を抱えている。頼むからあのハン・シュアイの作品じゃないって誰か言ってくれ…と言いつつ、前作が大人になる必要に迫られる子供の話、本作品が大人になれなかった子供の話なので、関連がないわけじゃないのが辛いところ。物語は空港の保安検査場で働く中国人女性ジンが緑髪の少女に出会うシーンで幕を開ける。少女はジンを挑発して去っていき、勤務終了後にダル絡みしてきた彼女をジンは自宅に連れて行くことに。すると、少女は麻薬の運び屋で、ジンの上司までそれに絡んでいることが分かり云々。すぐに二人は共犯関係になるのだが、展開はめちゃくちゃ強引で驚くほど説得力がない。特に共犯関係になるまでが無理矢理すぎる。シンプルに下手なハンドヘルドカメラの揺れるカメラワークも酷い。緑髪の少女は名前が与えられてないことからも分かる通り、ただの典型的なMPDGにしかなっていないので、余計に物語がフワフワしている。最終的には男どもの"許してやるよ"なんてクソ食らえだ!というとこに落ち着くのだが、恐らくはそのメッセージと二人でバイク乗るシーンを撮りたかっただけなのではと思えるほど残りが適当すぎる。少女と別れた次のカットで普通に職場復帰していたのには流石に唖然とした。
KnightsofOdessa

KnightsofOdessa