KnightsofOdessa

パッセージのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

パッセージ(2023年製作の映画)
3.0
[] 60点

アイラ・サックス長編八作目。主人公はパリ在住のドイツ人映画監督トマス。最新作の完成披露パーティで小学校教師のアガーテと出会い、そのまま一晩を過ごし、それを夫マーティンに報告する。曰く、久々に何かを感じた、と。こうして幕を開けるのは支配欲の塊であるトマスが様々な場所に侵入して支配権を画面ごと奪っていく物語である。序盤のパーティでマーティンとアガーテが話しているところにヌルっと入り込むところから、感情を吐露するマーティンを画面上で覆い隠すところまで、徹底して画面の支配権を奪い続ける。実に陰湿な映画だ。トマスはその後もアガーテとマーティンの間を行き来しながら自分勝手に二人を振り回し続ける。映画自体はその繰り返しなので途中で飽きてしまったが、映像自体は中々面白かった。
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