三國さんの映画レビュー・感想・評価

三國

三國

映画(409)
ドラマ(0)
アニメ(0)
  • List view
  • Grid view

海がきこえる(1993年製作の映画)

-

いつか、こんな光景を目にしたことがあるような気がする。

今日のことも、既に忘れ始めていて、きっと覚えてはいないのだろう。

記憶というのは、必要なものだけ蓄えるものだ。もしくは必要に応じて、止め置く
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

-

質の良い伝記。演出も秀逸、プロットも文句なし。
それ以上のことに言及し出すと、自ずと政治的言語を避けられない。しかし、オッペンハイマーの偉人たる所以は、その政治性にあったとすれば、それも無理ないか…
>>続きを読む

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

-

傑作。

昔から男子トイレ、女子トイレというのが不思議だった。小学校ならわかる。しかし大人になっても未だに“子”というのはどういう了見か。格別に騒ぎ立てたことはないけれど、腑に落ちることがないまま今に
>>続きを読む

日本海大海戦(1969年製作の映画)

-

衣装がカッコいいと思った。

凡ゆるものが史料的価値を持つ、とは歴史家の見識か。
しかし、こうした映画を観ると斯く云い換えたくなるーー凡ゆるものが価値を持つ、故に史料となる、と。日露戦争のみならず、今
>>続きを読む

ゴジラ(1954年製作の映画)

-

そうか、当時からプロットは変わらなかったんだな、シンやらマイナスやら観たけど、大枠は変わっちゃいないんだね。
そんで、よくわかった。やっぱり冒頭が一番になっちゃうな。ゴジラの衝撃は、それ自体全く損なわ
>>続きを読む

七人の侍(1954年製作の映画)

-

面白い。
エンタメという表現が一番しっくりくるかも知れない。
世界のクロサワなどと厳し気に世の評論家連中が訳知り顔して云々するから、いけない。キアヌ・リーブスと三船敏郎を(或いはサミュエル・L・ジャク
>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

圧倒された。というのでは生温い。怯えながらフィルムから視線が逸らせない。「虫みたいに」じっと息を潜めているので精一杯だった。

鉄は熱いうちに打つに限るから、左翼だろうが右翼だろうがどちらに見なされて
>>続きを読む

(2023年製作の映画)

-

若い。
若干、ネガティブなニュアンスで。
案外『菊次郎の夏』に一番近いんじゃないか。

途中から投げ出してたんじゃねえかな。
材料があっちこっちにとっ散らかってて、一つの像を結ばない。それが戦国時代だ
>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

-

完璧だ。
完璧なまでに、敵の表情は勘定に入れない。不要なんだ。なるほどーーこれがキリスト教か。アメリカは、中世をもう一度、求めているのではないか、そのための使者なのではないか。
などというと、怒られそ
>>続きを読む

憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023年製作の映画)

-

ひょっとしたら日本が一番コロナに(精神的な面で)傷ついていたのかも知れず、その、光明というか、明るさの予示として受け取った。もちろん一野球ファンの私見だから主語を大きくしたくはないので、各々が、各々の>>続きを読む

ちひろさん(2023年製作の映画)

-

風と、土。

それはたぶん、ずっと昔から人間の基礎だった筈で。

風の吹くまま気の向くまま。

あとは、土に還るばかり。

退屈だ。

驚くほどに、火が立たない。
軽い火花はあっても、憤怒とか、激昂と
>>続きを読む

沈黙ーサイレンスー(2015年製作の映画)

-

時代がここまで差し迫ってくると、封建制度の日本やべえでは済むまい、わざわざ地球の裏側からやってくるポルトガルのおっちゃんも大概にやばい。むしろ両者を比較すれば、国内の治安維持を第一とした役人連中に肩入>>続きを読む

君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

-

騙されたと思ってーー

そう言われる毎に反発した。

なんで騙されなくちゃならないんだ。

それが、耳っちいと思った。

騙されたいというんでなく、騙されても、それを寛大に背負って真実に向かおうとする
>>続きを読む

明け方の若者たち(2021年製作の映画)

-

うーん。。
あんまり、でした。

それなりに共感できるシーンはあるけど
どれもプロットっぽいというか。

あんまり味わえなかったなーと。

比べるもんじゃないけど『僕たちはみんな大人になれなかった』の
>>続きを読む

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

-

友達とわいわいやりながら鑑賞。

おもしろかったー!

文字通り画期的な作品だったらしいけど、戦争と、若手アイドル少女のキャピキャピした戯れと、辛気臭さとオフザケと、平和憲法と自衛隊と、それらの同居こ
>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

-

あんまり。。

乗れなかった。

わざわざ怒ったりしないけど

ちょっと残念、かな。

いや
悪いのは不用意な期待をした自分かもしれない。

『シン・ゴジラ』
を持ち出したのは上映サイドだし、言及した
>>続きを読む

偶然と想像(2021年製作の映画)

-

シューマンの上品で軽快な旋律のなかに、とてつもなくドロドロした、臓器の塊のようなグロテスクそのものが浮かんでいた。ーー曰く「人間」。
と、そんな文句ももう使い古されている。
モダンもここまで来た。
>>続きを読む

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

-

失われた30年(くらい?)を実人生として歩いていて、跡には「なんにもない」ってくらい失い続けてきたような気がする。
時間。
失った時間の再構成はロマンだから、今現在を楽しんだり、泣いたり苦しんだり、笑
>>続きを読む

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

-

役者というのはたいへんな仕事だ。

やりたくもない役を押し付けられ、喋りたくもない科白を口にせねばならず、納得のいかないシーンで命を落とす。
自分には、自分という存在にはもっといい役がある。また共演の
>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

-

〈追記〉
序盤、シンジくんの鬱々とした気分の描出が雑に見えた。というのは、それが乗り越えられる前段階としてしか示されていなかったのではないか? くらいの意味だけれど、だから庵野さんにとってエヴァ的な問
>>続きを読む

ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

-

フォレスト・ガンプ感。それを人生系って呼んでもいいけど、その系って妙に達観してる。嫌だなあ、もっとドロドロしてるのに。世事に拘う。給与が少ないと愚痴を零すのみならず、たまたま電車に居合わせた奇人に気を>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

-

第一次大戦に関しては、どこか、ヨーロッパという一個の生命体が望んでいたように思えてしまう。
どうなることかと思って、はァ、一安心とはならない、結局、どこかの突撃で命は落とすのだから。大量殺戮兵器と大衆
>>続きを読む

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

-

追記
シャンパンを注いだり、ベーコンを焼いたりするカットが一番よかった!

政治は結果論。
結果として連合国が勝ったからチヤホヤ、映画化されるチャーチル様ではあるが、敗北の末には戦隊モノの悪役くらいの
>>続きを読む

記憶にございません!(2019年製作の映画)

-

そうそう、これでいいよ。
東京で、一人暮らしを囲いながらじゃあとても観られなかったろうなあ。
こんな“やさしい世界”。
手放しに褒めたらバカにされそうだな。
でも難癖つけようとするのも、それはそれで、
>>続きを読む

さらば青春の光(1979年製作の映画)

-

全部が、全部が前提だとしたら、それを、忘れないことだけが辛うじて青春に意味を持たせること。何の意味があるものか。こんな映画に、何を仮託するものか、してたまるものか、私は、この先を生きてしまっているから>>続きを読む

イマジン/ジョン・レノン(1988年製作の映画)

-

時代は死んでいた。

オルテガを呼んでこい。

子どもがそのまま大きくなっても大人にはならない。

僕の先輩諸氏に対する白眼視は辛いものがあるが、その辛さを僕の世代として飲み込もうとするのは何がしかの
>>続きを読む

アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

-

3年くらい前かなあ。なんとなくたけしの映画が見たくなってふらっとアウトレイジの最終章を見た。一章を流し見しかしてないのに、ただ、あのテンポに身を押しこめたい一心で。30分くらいでリカバリーして内容はぜ>>続きを読む

灰とダイヤモンド(1957年製作の映画)

-

@早稲田松竹

言葉は宙に浮かび…だっけ? シェイクスピアの一節があるけれども、何を、書いたら近づけるのだろうーー灰の底にダイヤモンドが残るか否か、所詮は灰と化し去る我らが一生涯では知る能わぬ事。とい
>>続きを読む

赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

-

@恵比寿

作者の伝えたかったことは何かーーという文句は嫌いなのだけれど、あえて、こういう映画だから問うる。それは、主人公が「子供」であるにもかかわらず、大人であるような事柄だ、いうまでもなく豚の顔は
>>続きを読む

>|