三國

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男の三國のレビュー・感想・評価

-
追記
シャンパンを注いだり、ベーコンを焼いたりするカットが一番よかった!

政治は結果論。
結果として連合国が勝ったからチヤホヤ、映画化されるチャーチル様ではあるが、敗北の末には戦隊モノの悪役くらいの座に収まっていたろうか。
否。断じて否。とはいえ結果論を斥けるわけじゃないが、例え負けても(ここまでイギリスが追い込まれていたとは知らなかった)、侵略されても戦うというのが本当で、ーーまァ今となっては死ぬより屈服する方が価値高くね? って観点が優勢なんだろうが。
いや、違うな、生き永らえる他の価値観が死滅したから苦しんでいるのが平和の日本ではないか? 探しています、仕事、家族、恋人(笑)、コミュニティ、YouTube? 趣味やスポーツ、何だっていいから取り替えが効いてしまう。
だから、空虚。
誤解を恐れずにいえば、ナチスの制服はカッコいい。センスいいよなあ、ヒトラーの演説にしても。
ツケいられたんですな、己の空白地帯に。
…というのが戦勝国に庇護していただいている国土に生きるオジサンの見立てだから、これも結果論に足を置いているネ。
もっと遠いところから見渡せば、ナチスドイツとはヨーロッパの産出した近代化の反面、落とし子なのかも知れず、チャーチルが人類の破滅を訴えるのも彼らの自己破産に過ぎない。
しかし、その言葉はいったいどの立場から出ているのだ? 神にでもなったつもりでしょうか。平和と傲慢とは手を繋ぐ?
いやはや言葉を武器に変えたチャーチル、彼を支持した光景は危険視に値するーーだから、そもそも言葉がそれだけ危ないことを知っておかなくちゃ嘘だ。
何もかもが浜辺にできた砂山だ。ゴミクズに過ぎない我々人間は、そこでの暮らしのために血と汗を流す。流せというんじゃないが、でなきゃ滅びるならどっちをとるか、というだけの話。
ハリボテ国家、万歳。
三國

三國