アー君さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

2.8

ディーリア・オーウェンズの原作は未読。ポスターヴィジュアルだけだと「砂の女」の海外版のような結構泥臭いサスペンスかなと期待をしていたが、意外とふんわりしたミステリーだった。

キャサリンとチェイスのズ
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ブラック・フォン(2022年製作の映画)

2.8

70年代のディティールのこだわりを感じ、兄妹の関係などホラー映画としては色々とアイデアを駆使して何とかしている感じだったけど、構成に散漫な感じがして入り込めなかった。

兄妹が不思議な能力で電話による
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緋牡丹博徒(1968年製作の映画)

3.0

またまた観てしまった東映オンラインシアターの任侠シリーズ。

ストーリーに起伏はあまりなく凡庸かもしれないが、高倉健が登場するたびにビシッと決まる。演技ウンヌンではない存在感は生まれもってのスター性か
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REVOLUTION+1(2022年製作の映画)

3.0

平日なので満席ではなかったが、意外と若い人が多かったという印象だった。

構成や演出には確かに粗いところはあったが、短期間でスピーディーに制作したのであればよくまとめていたと思う。また上映時間も75分
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オマージュ(2021年製作の映画)

3.4

鑑賞直後の印象では少し微妙だったが、レビューのためにアレコレと思い返してみると段々と評価が上がってきたので、秀作でとても深みのある映画であった。

【↓以下はネタバレ↓】
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.0

コインランドリーを経営しているアジア系の中年女性が主人公というのは大胆なキャスティングでインディペンデント性のある映画会社というのはもちろん知っているが、保守的なショウビズ界に大きな爪痕を残したのでは>>続きを読む

ニューオーダー(2020年製作の映画)

2.9

ポスタージャケットを見た感じで近未来のタイムループものかなと思っていたのだが、全然違う内容でした(笑)

リアリティを追求するがゆえにオリヴァー・ストーンよろしくカットを粗く撮っているのはコチラとして
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.8

映画館に足を運んだことが正解で単純に楽しめた。実在する人物だとしても映画用に脚色はしていると思うが、監督ポール・ヴァーホーベンはこの歳(80代)で新境地を切り拓いたと思う。人を選ぶかもしれないが名作を>>続きを読む

ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

3.4

鑑賞後の感想として斬新なサスペンスだとは思うし、この手の作品はキューブリックが絶賛したのも分からない気もする。

行方不明になった女の事実に妄執する男の心理状態は犯人との違いに差はなく、お互いが共鳴し
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ウィッカーマン(1973年製作の映画)

3.5

音楽と映像が中途半端なミュージカルで噛み合っておらず、なんか間抜けな感じもしたが、そのダラダラ感が妙に惹きつかれるものはあった。

一瞬ではあるがグリーンマンのカットがあり、古代ケルト信仰がモティーフ
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シャイニング(1980年製作の映画)

4.3

だいぶ前にDVDボックスや長尺版がBSで放映されたのを録画して数回は観てはいるのだが、前レビューの「ドクター・スリープ」の影響でおさらいを含めてブルーレイで再鑑賞。

やはり名作は繰り返し見ても新たな
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ドクター・スリープ(2019年製作の映画)

2.9

150分の長いストーリーの割には超能力者たちの戦いにそれほど魅力を感じる事はできなかった。月並の特殊効果でSFホラー特有の「逃げ」が見えてしまい、キューブリック作品のような偏執的な映像美があれば救いな>>続きを読む

ビリディアナ(1960年製作の映画)

3.0

ルイス・ブニュエルが得意とする“反”宗教的な世界観を表現したかったのだろう。

乞食たちの裏切り、ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」のオマージュとかは見どころのシーンだと思うし、ラストの雰囲気は悪くはなく最近
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RUN/ラン(2020年製作の映画)

2.9

主人公であるクロエの足が不自由というハンデがありながらも、知恵を使って乗り越えていく序盤のストーリーはヒッチコック「裏窓」の雰囲気に近く、主観性と臨場感が上手に重なり面白く描いているとは思う。

しか
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アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

3.0

アニエス・ヴェルダは他のヌーヴェル・ヴァーグ関連の映画人よりもムダに尖っておらず、彼岸派出身と女性作家だからなのか、柔軟でアイデアに親しみやすさがある。

代表作ぐらいで作品をすべて観たわけではないの
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日本侠客伝 関東篇(1965年製作の映画)

3.0

ついつい見てしまう東映オンラインシアターの任侠シリーズ。

90分ぐらいの起承転結のメリハリがあるシンプルなストーリーだが、コンパクトにまとめていて見応えのある映画であった。
ただ主演の高倉健と鶴田浩
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イメージの本(2018年製作の映画)

2.9

ラストあたりの一節だが「他人の言葉で独り言を言う」まさにこの言葉がすべてを物語っていた。

ワンカットごとの映像には強さはあるが、コラージュとも言い難い“つぎはぎ”の垂れ流し。ストーリーとしての骨組み
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日本女侠伝 真赤な度胸花(1970年製作の映画)

2.9

主演の藤純子、高倉健、小松方正は月並みな言い方だけど若いなあ。

女侠伝のシリーズ物らしいが、前作を見ていないのでイマイチ内容には入り込めなかった。殺陣もビミョウというか血の出し方が大袈裟すぎてもう少
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快楽の漸進的横滑り(1974年製作の映画)

2.9

内容を理解しようと観ていたのだが、やはり意味不明な独自の世界が続き、ヌーヴェル・ヴァーグでも難解な部類である。

あそこまで観客に距離を置きたいのであれば、セリフ(字幕)を完全に排除して始終音楽だけ流
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キース・ヘリング〜ストリート・アート・ボーイ〜(2020年製作の映画)

3.5

あまり好きなタイプのアーティストではないが、コスタビやバスキアより洗練されていて好きかなぐらいの作家というイメージ。

サブスクということで視聴をしたが、表情から溢れ出る彼の人の良さを感じ、周辺のイン
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火線地帯(1961年製作の映画)

3.0

天知茂主演の地帯(ライン)シリーズ。

どうしても土曜ワイド劇場の明智小五郎の印象が刷り込まれているのだが、やはり悪役が似合う男なのだろう。

鏡を効果的に演出をして凝ったシーンもあるのだが、ストーリ
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明治侠客伝 三代目襲名(1965年製作の映画)

3.3

侠客者映画といえば高倉健かもしれないが、先輩格の鶴田浩二もカリスマとは違う独特の存在感のある俳優であることを忘れてはならない。

嵐 寛寿郎、津川雅彦、丹波哲郎、藤 純子、藤山寛美(笑)などの昭和を代
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ディーバ デジタルリマスター版(1981年製作の映画)

3.0

R.I.P Jean-Jacques Beineix

いつか観なければとクリップだけはしていたのだが、偶然名画座で公開される情報を知ったために映画館に足を運びました。

鑑賞後の感想としては時代的
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囚われの美女(1983年製作の映画)

2.7

ロブ=グリエがいかにも撮りそうな映画だな。今までの作品に比べたら分かりやすい部類には入るとは思う。

マグリットの作品は個人的にシュールレアリズムの横綱としてダリよりも好きなのだが、なぜにこの絵柄を使
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.1

余裕を持って映画館の前で掲示板が表示されるのを待っていたのだが、10分前でも開場アナウンスがなかったのでモギリさんに確認をとったところ別館だったことが判明したので慌てて会場に向かった。

主演した俳優
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爆裂都市 BURST CITY(1982年製作の映画)

3.3

だいぶ前に深夜番組をビデオ録画して見たことがあるのだがYouTubeで配信されていたのでリピート視聴。

ルースターズ(大江慎也)、ロッカーズ(陣内孝則)、INU(町田町蔵)、スターリン(遠藤ミチロウ
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殺しを呼ぶ卵 最長版(1968年製作の映画)

2.9

ポスターヴィジュアルやシュールな題名、予告も気になり映画館へ足を運ぶ。

世代的にはヌーヴェル・ヴァーグにどっぷり浸かったような映画手法。カットが荒くストーリーを追わなければと思ったが、苦痛を感じたの
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ランディ・ローズ(2022年製作の映画)

3.5

『時は運命に支配された従者のように上映終演を予期していた。だが神はまだこの世に降臨していた。それはあたかも夭折したランディという天使の磁場に引き寄せられるようでもあった。』(伊藤政則 調)

ランディ
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8 1/2(1963年製作の映画)

4.0

視聴回数900回記念を(Filmarksとしてのレビュー)迎える事ができました。フォロワーである皆様のおかげとひとえに感謝しています。

今回も恒例の名作映画鑑賞コーナーとさせて頂きます。
8 1/2
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浅田家!(2020年製作の映画)

3.7

写真家業界の芥川賞である「木村伊兵衛写真賞」を受賞した浅田政志の半生を描いた物語。

森村泰昌やシンディ・シャーマンに近い表現手法かもしれないが、浅田の撮り方には前者のようなアーティストとしてありがち
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ヒューマン・ボイス(2020年製作の映画)

3.2

「パラレル・マザーズ」を鑑賞後に3、4時間ほど休んだ後に本作を鑑賞。30分弱の小作品ではあるが、短さを感じない濃密な作品ではあった。

コクトーの戯曲「人間の声」は未読。インテリア等の鮮やかな色彩はい
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パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

4.0

封切り日は療養中であったため、見る機会ができずに忘れていたが、思い出してなんとか映画館には滑り込みセーフという感じであった。

鑑賞後の素直な感想としては単純に良かったが分かりにくい。世界史の知識がな
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クローズ・アップ(1990年製作の映画)

3.0

法廷において事実は重要ではあるが、そこに虚実を交錯させることで、キアロスタミ監督ならでは作家としての映像世界を堪能できた。

一言多いかもしれないが、少しでも映画業界に携わっていたり、シネフィルであれ
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デビッド・クローネンバーグのシーバース(1975年製作の映画)

2.9

皆さまご無沙汰しております。
まだ完全復帰したわけではないのでレビューは少なめですが宜しくお願いします。

クローネンバーグの初期作品を初鑑賞。
この時代はゾンビものが流行っていたのだろうか? さす
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

2.9

けっこう苦手な部類の映画作家なのだが、作品単体としてではなく “監督 グザヴィエ・ドラン” として括って観てしまうというのは自分でも客観性が乏しいかなと自覚している。この作品のブルーレイはかなり高騰し>>続きを読む

ポゼッサー(2020年製作の映画)

3.3

出だしは映像で状況を説明しているので入りやすいとは思うが、2人目の人物に意識が入る中盤以降からグダグダ感はあってちょっと退屈だった感じがする。

前作「アンチヴァイラル」とは違い、組織としての存在が明
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