『時は運命に支配された従者のように上映終演を予期していた。だが神はまだこの世に降臨していた。それはあたかも夭折したランディという天使の磁場に引き寄せられるようでもあった。』(伊藤政則 調)
ランディ・ローズは元クワイエット・ライオットのギタリストで、オジー・オズボーンの右腕として活躍した矢先に不慮の事故で亡くなったぐらいの情報レベルではあったが、映画を観るとなかなか軌道に乗れずに大変だったのが分かる。
彼がバンドとして日本のレーベルで2枚も出していたのは知らなかった。またエディ・ヴァンヘイレンとはライバル関係だったようだが、個人的にはバンドとして比べるとヴォーカルの表現力が高いヴァンヘイレンに群杯が上がってしまう。
笑ってしまったのはベーシストの後釜にモトリークルーのニッキー・シックスに打診があったらしいが、楽器の基本中の基本であるチューニングができないことが判明して早急に中止したのは面白いエピソードだった。
それにしてもオジー・オズボーンはサバス脱退後によるソロ活動で歴代ギタリストをみるとショーマンだけではなくプロデュース的な才能もある事が分かる。(マネージャーである女房の力もあるだろうが)
しかし飛行機事故でメンバーを亡くした事でオジーの心に影を落としてしまったのか、後任のギタリストにランディのような面影を追っていたのか、ジェイク・E・リーとの関係はあまり良くなかったことをインタビューで言っていた記憶を思い出す。ザック・ワイルドとはウマがあったみたいだけど。(ブラッド・ギルズのファンごめんなさい)
BGMとして代表作である「クレイジートレイン」を聴きたかったのだが、権利の関係なのかオジーのインタビュー映像はあるのに製作として頑張って欲しかったところ。
この映画はオールドファンにも見てほしいし、最近ハードな音楽が好きになった若い方にもランディ・ローズが何者でどういう人生を歩んできたのか知る上でお勧めしたい。
[シネマカリテ 11:00〜]