アー君さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ジュディット・ホテル(2018年製作の映画)

2.9

色彩感覚は原色同士でありながらも、丁寧に映しているので、セリフに意味を求めずに映像だけで鑑賞しても問題はない。でも眠れない時に観たら余計眠れなくなるけど。

小作品のラストであれば、伏線を見ればこんな
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.6

米国中流家庭の問題を兄妹の視点で崩壊から修復、再生へ向かう2部構成で美しく描いている。
作品としての評価は高いが、どうして画角が変わるのかが意図としてよく分からなかったのと、若干ではあるが雰囲気は「ム
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ディック・ロングはなぜ死んだのか?(2019年製作の映画)

3.0

いざとなったら何をやっても、辻褄が合わなくなって裏目に出ちゃう時があるよね。間が悪いというか。女子たちに突っ込まれながら、なかなか弁解を言いにくいのも分かる(笑)

猟奇的な事件でありながらも進行は穏
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

4.2

上映時間は正味108分でありながら、良い意味で短さを感じずに濃密な世界を体験できた。

またそれに呼応するかのように変則的なパンフレットもクリエイターとしての思い入れも強く感じた。(加工業者泣かせだけ
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たぶん悪魔が(1977年製作の映画)

2.9

ロベール・ブレッソンの作品を初鑑賞。ヌーヴェル・ヴァーグの作家共はこの作品に影響を受けているようだが、左派的な言い回しで公害問題などを随所に取り入れてアジってる感じは確かにそのような感じはした。

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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

3.3

将来の自分に話しかけたケイラは今何をしているのだろう。

淡々と進行するストーリーには波がないが、子供でも大人でもないケイラの多感な米国の厨二病世界を素直に描いている。

個人的には主人公と同年代の日
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JOLT ジョルト(2021年製作の映画)

2.9

Amazonオリジナル映画。怒りを抑える仕組みをもう少し良くできたのではないかと思うが。

利益が出ている会社だから製作には金を使って欲しかった。オチはだいたい分かってしまったが、ラストのサプライズ・
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たまらん坂(2019年製作の映画)

3.1

RCサクセションは世代的にはもう少し上なんだけど、BUCK-TICKの今井寿氏がユウウツな時に聴くアルバムで「BLUE」を挙げていて、その時に買った事があり「多摩蘭坂」という曲が心に残っていた。

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フェアウェル(2019年製作の映画)

3.4

A24配給。映像にトーンを抑えたフィルターが気になったぐらいで、物語は淡々と和やかに進行するのため重さがなく、異文化を知ることもできて品が良く好感が持てる作品であった。

監督のルル・ワンは中国生まれ
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目撃者(2017年製作の映画)

3.5

このラストがすべてを語り尽くし、韓国ノワールが秀逸である証である。

ストーリーはありきたりかも知れないが、進行がテンポ良くカメラワークも無駄がない。
残念だったのは若干犯人の襲うシーンが勢い良すぎる
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観察者(2021年製作の映画)

2.4

「深淵をのぞく時、深淵も等しくこちらをのぞいているのである。」
ニーチェ

他の方のレビューにもヒッチコック「裏窓」の指摘はあると思うので深くは書かないが、着想を得たとしてもオリジナルに比べたら洗練は
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パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

3.0

ジェーン・カンピオンの作品は作家性を重視するためなのか寡作である。製作をする上でスポンサーがつかず苦労しているようだ。前が映画館での「イン・ザ・カット」以来だったので彼女の作品は何十年ぶりとなる。>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.2

ソン・ガンホの主演作品に駄作はない。
ポスターヴィジュアルの印象としてアットホームなコメディ映画だと思って間違えて見てしまった方が多数いたのではないだろうか。私もその1人でございます。

きっかけは同
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

3.7

新章・バットマンとして数年ぶりに鑑賞に値する映画として受け入れられることが出来たのではないだろうか。

初日とはいえ平日のためか、観客数は約250席のうち2割ほど。ざっと見た客層は中年層が多くて若い人
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ディザスター・アーティスト(2017年製作の映画)

3.8

「舞台で最悪なことがあろうと、人生では最良の日なの」これはあるシーンのセリフだが、この映画のすべてを語っている。

高評価の映画製作会社A24の作品を探していたら、この作品が配信をされていたので「ザ・
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MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

3.0

あらすじは何も読まずに主演がティルダ・スウィントンであったのとポスタービジュアルが気になったので公開日の翌日に鑑賞。

批評家からの評価は高いらしいけど、私はウームーという感じ。引いた絵が多かったから
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

3.3

この作品はポン・ジュノの初の長編映画である。出だしはプロットが奇抜すぎたのか分かりにくかったが中盤から内容が見えてきた感じである。

全体的に荒削りなところもあるが、集合団地における犯人の追跡シーンや
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テオレマ 4Kスキャン版(1968年製作の映画)

3.0

パゾリーニの作品は少しくらいしか視聴していないが、この映画は初めてであった。映像の詩的表現といえば耳ざわりが良いかもしれないが、ランボオやトルストイの本、男性同士が交わり合うベーコンの具象画、宙に浮か>>続きを読む

フレディVSジェイソン(2003年製作の映画)

3.1

映画館で公開した時に見そびれちゃって、忘れていたんだけどサブスクで配信されている事を知って鑑賞。
(便利な世の中になりました。)

どっちが勝っても私は特に気にはしないんだけど笑。ジェイソンの方がやや
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麻希のいる世界(2022年製作の映画)

2.9

思春期の女子にありがちなプチ同性愛的で自意識に囚われた主人公を描いているのだが、ピーター・ジャクソンの「乙女の祈り」は相思相愛の幻想的世界が妄想となり犯罪を犯して破綻をしていったが、この作品は一方的で>>続きを読む

コーヒー&シガレッツ(2003年製作の映画)

2.9

ちょっと見ていて退屈だなという話も確かにあった。ただジャームッシュの映画は根つめて鑑賞する部類じゃあないけど。

釣り目をする仕草で日本人を想起させるのは偏見というか差別的で嫌な感じ。撮り方もお店を替
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弁護人(2013年製作の映画)

3.0

ソン・ガンホの存在感とはなんだろう? そんなルックスが良いわけではないんだけど、どこにでもいそうな庶民的な顔立ちが逆にスター性を醸し出しているのだろうか。

本題に入るが前半からテンポ良く進んでいる
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GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)

-

淡く柔らかい色調を使った公開前のポスターデザインに惹かれての鑑賞。

今回は諸事情で点数は無評価とさせて頂く。

【↓以下はネタバレ↓】





















ユーリは宇宙へ行くべ
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.0

映画館を出たての感想として、まずはタイトルからなんだけど、ちょっとどころの思い出しじゃあないでしょ(笑)誰の言葉なのかまでは詮索しないけどプライドがそう言わせたのかな。

思い出というのは記憶が断片的
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.1

点数的にはやや厳しいかもしれないが、このシリーズのファンは観て損はない作品である。

端的に言えばパラレルワールドを使ったアイデアとしては面白いとは思う。また前回の戦いで正体がバレてしまい記憶を消すた
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

3.0

これはシュールとは違う意味不明さで賛否両論で評価の分かれる作品だと思う。ミッドサマーのA24製作であれば皆が納得はすると思うが。
メニーとハンクの関係は漫才とまではいわないが良いコンビネーションだと思
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スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年製作の映画)

2.9

トム・ホランド版のパート2。キャラクターの年齢層を低くしたのか大人しめの印象はある。歴代のシリーズにヒロインとしてMJが出ているんだけどなんか魅力を感じないんだよな(笑)
今回のヴィランはギレンホール
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ロッキー5/最後のドラマ(1990年製作の映画)

1.2

学生のとき観に行ったんだけど、途中のシュールな展開が「マジか笑」という感じ。
当時MCハマーが流行っていたっけ笑

私的に4までかな。(ファイナルは未見ですが)

ゴジラ(1954年製作の映画)

3.4

公開年は1954年で戦後10年も経っていない時期の映画と考えればCG技術もなかったので当時としてのクオリティは高いだろう。

演技については志村喬以外は棒読みの大根ばかりという残念さや途中でゴジラを軸
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白昼堂々(1968年製作の映画)

3.0

内容は月並みとまではいわないが、ソツがない娯楽だと割り切れば楽しめるだろう。

今ならばネットでら問題になる放送禁止用語をサラリと話すのだが、時代考証を知る上でも資料としてはノスタルジーではなく貴重で
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ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2013年製作の映画)

3.2

製作者サイドと監督側でモノクロにした事で少し揉めたようだが、結果として悪くはないのだがCGによるフィルター処理なので大人しく味気がなかった。(テレビ放映用ではカラーにしたようだ)可能であればフィルム撮>>続きを読む

近頃なぜかチャールストン(1981年製作の映画)

3.1

ストーリーテリングよりも技術面に対して岡本喜八独特のカット構成による映像テクニックには目を見張るものがあり、さらにお決まりの出演者のクレジット表記のセオリーにこだわらないやり方には庵野秀明も公言をして>>続きを読む

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

3.0

オープニングが当時としては斬新だなと思って調べたらソール・バス(紀文やワーナーのロゴで有名)がデザインをしていたので納得。

内容は妄想に囚われている感じを観客に同調させてるのは上手ではあった。
しか
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作家マゾッホ・愛の日々(1980年製作の映画)

2.8

マゾヒズムの由来である作家マゾッホの半生を描いた映画。
自身の被虐的な性的嗜好に従うように妻へ強引に要求する面では加虐性も混じるため、倒錯した世界を見せている。
ただ鞭を使うのはステレオタイプだし、内
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母なる証明(2009年製作の映画)

2.6

鑑賞後の感想としては映画としての雰囲気的は全体的に良かった。
しかし息子のトジュンは知的障がいの役ではあるが、障がいを演技をしているが臭すぎてそこがマイナスではあった。最後の伏線として必要かもしれない
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叫びとささやき(1972年製作の映画)

3.0

オープニングの風景から映像は美しかったが、撮影がスヴェン・ニクヴィストであれば納得はいくことである。

全体的に赤(朱色)を基調としたセットのため印象には残る。この色は心理学的にいえば愛情や情熱ではあ
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