ただ暗闇が怖かった子ども時代。
自分にとって鬼太郎に出てくる妖怪たちは、その恐怖を具体的な形として示してくれるものだった。
世代を超えて今でも鬼太郎が愛されるのは、その時代に合わせた表現を用いながら、>>続きを読む
BSプレミアムにて鑑賞。
お茶の世界を通しながら、四季二十四節気の移り変わりを、登場人物たちの日々の暮らしと重ねつつ味わう、とってもとっても美しい映画。
原作は未読なのだが、プロデューサーや大森監督が>>続きを読む
見ているだけで、生理的な嫌悪感を抱かせる物体の造形は、やはりお見事としか言いようがない。後の様々な作品に影響を与えて来たことを感じさせ、今のVFXと比較しても、充分に高いクオリティなのはさすが。
「>>続きを読む
掘り出し物!
頭を空っぽにして、楽しむには最高の映画だった。アマプラに入っている人は、とにかく観てみて欲しい。
不覚にも、声を出して笑ってしまった場面がいくつもあって、中身はベタなんだけど、コメディ>>続きを読む
もう鈴木亮平が冴羽獠にしか見えない。すごい役者だと改めて実感した。
それから、Netflixオリジナル作品のクオリティの高さに驚いた。
実写化すると荒唐無稽に思えてしまうような設定も、これだけディテー>>続きを読む
みんな、なんだかんだ言っても、頭の中で何人かの自分がいるイメージは持ってるのではないかと思うけれど、これだけ脳内を構成しているメンバーがバラエティーに富んでいると、見事な映画に仕立て上がるんですね。>>続きを読む
人の仕組みとは、どうしてこんなに複雑なんだろう。
母の前では何事もなくスラスラと言葉が出る志乃が、ひとたび場面が変わるだけで発話障害を発症する。
自分にその障害の経験がない者からすれば、担任のように「>>続きを読む
恥ずかしながら、初めて鑑賞。ああ、これがマカロニウエスタンなのかというのを存分に味わった。
棺桶の中から、まさか機関銃が出てくるとは思わなかったが、その棺桶の使い方自体にも、これほどバリエーション>>続きを読む
どれほど推敲を重ねたのだろうか。とにかく脚本の緻密さに驚いた。
「幼い頃のトラウマから、心に傷を持つ数学の天才が、自分の人生を肯定的に生きられるようなるまでの物語」というプロットはシンプルかもしれない>>続きを読む
連載開始当初は、息子たちと一緒に単行本を愛読していたが、いつの間にか疎遠になり、劇場版は、今作が初鑑賞。
びっくりしたのは、いつの間に、「組織」の中に潜入捜査員が複数入り込んでいたこと。色々とストー>>続きを読む
ルーマニアの歴史に疎いため、監督の描きたかったものが充分に汲み取れたとは思えないが、刺激的で、多様な角度から考えさせられた映画だった。
監督は、このコロナ禍を「マスクで顔の一部を覆い隠すことを余儀なく>>続きを読む
家族との時間が、必ずしも幸せだったとは限らない人もいるだろう。けれど、誰もが、どんなにささやかでも、自分が大切にされた記憶のカケラは持っていると思う。そのノスタルジーを呼び起こし、浸りこむ幸せを思い出>>続きを読む
YouTubeで限定公開中とのことで、久しぶりに鑑賞。劇場公開当時は、今のような入れ替えではなく、一日中繰り返し放映されていて、自分は、続けて3回観た記憶がある。
そこには、個人的にちょっと切ない思い>>続きを読む
はっきり言って、「いくら変装がうまいからと言って、14年も一緒に暮らした相手のことがわからないなんてあり有る?」というところはツッコミたくなる。けれど、その設定だからこそ、描き出せる家族関係の悩みや再>>続きを読む
トータルで見ると王道のストーリーとも言えるかもしれないが、自分は、ろくでなしの中年男性と人間関係不得意な中年女性のダメダメなところを双方キチンと描きつつ、それでも互いにほんの僅かずつ、プラスの影響を与>>続きを読む
NHKの朝ドラ「虎に翼」が話題になってるタイミングなので、女性裁判官つながりで、過去作レビュー。
「看護師は女性の仕事、消防士は男性の仕事」というのが、誰にとっても「当たり前」という時代が、そんなに>>続きを読む
2月に劇場にて鑑賞の過去作レビュー。
ストーリーは難しくなく、かつ、余計な説明なしにテンポも良い。蓮佛美沙子、伊藤万理華のやり取りには、コミカルさもあって、楽しく前半が進む。そのうちに、ちょっとのボ>>続きを読む
そこかしこの場面で、出てくる登場人物たちそれぞれに、相手を思いやる気持ちが溢れていて、観ていて間違いなく幸せになる映画。
唯一イラッとするのは、ダスティン・ホフマン演じる頭の固いオーナーだが、彼とて>>続きを読む
画面の中のすずめは、あんなに激しく泣いているのに、観ているこちらは「すずめの涙」程も心が動かなかった…。
エンドロールのプロデューサーのクレジットを見て、「ああ、最近この人とは、相性が悪いなぁ」と納>>続きを読む
アイアンクローきっかけで鑑賞。
黄色に赤文字というポスターをみると、強烈なB級映画の香りがプンプン漂っているのだが、心配ご無用。
観ているうちに、自分の心の中がオセロのように次々と気持ち良くひっくり返>>続きを読む
もしもあのタイミングで選ばなかった人生を選んでいたとしたら…。
それを想像はしても、無邪気に選択し直せるようなメンタリティは、多くの人は持ち合わせていない。
だからこそ、人々は映画に自分の人生を重ね>>続きを読む
自分はキチンと読んだことはないので真偽は不明だが、ルソーの「エミール」にはこんな言葉が出てくるそうだ。
「子どもは親があれこれいじると、親以上にならない」
「親が子どもに何かを託してはならない」
「夢>>続きを読む
比喩ではない天使が、キチンと画面に登場するところが面白い。しかも「アジアの」とわざわざ断っている意味って、こういうことなんだというのも納得できる。
人は誰しも、自分の力の及ばない出来事などに対して、>>続きを読む
さよならを告げて立ち去ろうとするレナードの腕を離さず、ゆっくりと体を寄せてダンスするポーラ。体の痙攣が止められないレナードなのに、ゆっくりと体を動かしているうちに、だんだんと痙攣も治っていく…。
実>>続きを読む
昔も今も田舎暮しなので、観るたびに、「ちょっとでいいから、こんな粋なバーに毎日入り浸れる生活をしてみたかったな…」という思いにかられる映画。
やりかけのオセロはそのままにしてもらってあり、定位置に座る>>続きを読む
今になってみれば「エッ?」と思う表現がたくさん出てくるが、そういえば当時はこれがリアルだったかもなぁと思い出した。ほんの数年前の出来事なのに、当時の空気感を忘れかけている自分に驚く。
例えば、「大学>>続きを読む
ライカートの長編デビュー作らしい。
舞台は、自分が生まれ育ったマイアミ。ライカートの実際の父母も警察関係者だったようなので、主人公の父も刑事という設定。
デビュー作ということで、満を持して勝手知ったる>>続きを読む
amazon primeの「90分以下の映画」を眺めていたら、目に止まったタイトル。
そういえば、昔見たなぁ…。走ってるシーンが記憶にあるけど、どんな話だっけ…。
そう思って見始めたたら、少しずつ記憶>>続きを読む
実際に旧友と2人でキャンプに行ったことはないのだが、山歩きを誘ったことはある。
結果的には実現しなかったが、この映画に流れる空気が、それが実現していたとしたらこんな感じだったかもというリアリティを感じ>>続きを読む
「ここの坂は険しい。新しい段ボールほどよく滑る。」
闇の中で、男がウェンディに囁く言葉は、まるで彼女自身の境遇を言い当てているかのようだ。
「ここが嫌いだ。ここの奴らが。」「俺はのけ者。礼儀よくしたい>>続きを読む
多くの人は体験していないものの、どちらかと言えば直視を避けていたのかも…と思わされる設定に、最初は少しどう観ていけばいいのか迷った。
特に、主人公たち2人の最初の出会いや、花束を持った訪問の場面などは>>続きを読む
キム・ヨンホという男の人生が巻き戻されていく映画。彼の人生をぶち壊した「道連れにしたい1人」(本人は絞れないと言っているが)は一体誰なのか。彼の20年分の走馬灯を共に観ながら考えさせられる仕掛けになっ>>続きを読む
例えば、独立戦争の時に核兵器開発の技術があったとして、アメリカはイギリスに、またはイギリスはアメリカに原子爆弾を落としただろうか。
同様に、南北戦争の時に、核兵器開発競争をしていたとしたら、南部は北>>続きを読む
「大丈夫大丈夫。あと何年生きると思ってんの」
同じ年頃の娘を持つ身として、上記の母親のセリフに救われた気持ちになった。娘からの思い詰めた告白があった時には、こうした受け答えができる自分でありたいが、ま>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ファーストシーンで発見される2体の並んだ人骨。現代が描かれているのは、このファーストシーンだけなのだが、これが後々とても重要になってくるという仕掛けがすごい。
直後、時代が1800年代に飛ぶのが唐突>>続きを読む
主人公の静秋役のチョウ・ドンユィが、「少年の君」のヒロインだったことを後で知り、納得しました。とにかく、可憐で初々しい。
そして、孫役のショーン・ドウがまたいい!あの嫌味のない爽やかさ。
この奥手な2>>続きを読む