みや

日日是好日のみやのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
5.0
BSプレミアムにて鑑賞。
お茶の世界を通しながら、四季二十四節気の移り変わりを、登場人物たちの日々の暮らしと重ねつつ味わう、とってもとっても美しい映画。
原作は未読なのだが、プロデューサーや大森監督が心からこの原作に惚れ込んで、大切に脚本を書き、映画化したのだろうということがあふれ出ている。
観ているうちに、映画の向こう側に、原作者の森下典子さんそのものの姿が立ち上がってくる感覚を覚えた。

それにしても、黒木華、多部未華子、樹木希林の表情や立ち居振る舞いを観ているだけで、自然と涙が滲んできてしまったのは、自分でも驚いた。

形の美しさが、こんなにもこちらの心を動かしてくるとは…。

この映画で何よりも大切にされているのは、観客の五感が最大限に働くようにすること。特に音を本当に大切にしているところが素晴らしく、自分も記憶を揺さぶられた。

公開時に、タイミングが合わず鑑賞機会を逃していたので、今日こうして出会えたことにも感謝。
これもまた、大切な一期一会。

<追記>
妻が原作を持っていたので、早速読了。
原作も間違いなく素晴らしかったし、今度は、黒木華と多部未華子と樹木希林と…というように、映画の登場人物たちの声と姿が浮かび上がってきた。
森下さんの文は、すうっと心に入り込んでくる。
原作未読の方は、是非。
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