ぽんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

4.0

「何者かにならねば」っていうのは多くの若者がかかる呪いでしょう。主人公ユリアの自分探しの道程に恋愛が絡んでくる、一見ラブコメ調の物語。でも、愛だけでは彼女が救われない、満たされないのは当たり前で、その>>続きを読む

ヒットマンズ・レクイエム(2008年製作の映画)

3.9

マーティン・マクドナーはかなり好きな映画作家なのですが、なぜかこの作品だけはボンヤリとした印象しかなく。再評価のつもりで再見しました。結果、やっぱり面白かった。10年前の自分はどうかしてた。コリン・フ>>続きを読む

イントゥ・ザ・ワイルド(2007年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

アニエス・ヴァルダの「冬の旅」(1985)のようなお話。でもこっちは実話なんですね。ジョン・クラカワーのノンフィクション小説の映画化。

「冬の旅」はフィクションだけど、凍死した放浪者の青年の話(実話
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四月になれば彼女は(2024年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

藤井風が歌う主題歌「満ちてゆく」の一人勝ちかな。本編は1ミリも泣けなかったのに最後にこの曲のイントロが流れた瞬間、涙があふれてきた。作品のメッセージも歌に込められている。曰く

明けてゆく空も暮れてゆ
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ティル(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

1955年のアメリカ、ミシシッピー州で起きたリンチ事件を取り上げた作品。
黒人の少年が白人女性に口笛を吹いただけで殺されるという怒髪天のハナシで、しんどかった。しんどかったけど、メインで描かれているの
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ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ(2021年製作の映画)

3.5

結局ルイス・ウェインという人物は幸福な人生を歩んだと言えるんだろうか。

若いときはちょっと変わってるだけぐらいに見えたルイスが、少しずつ精神病の症状が進んでいく感じがツライ。絵は売れるけど版権のこと
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彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)

3.7

「女性はケアを担う性別」というステレオタイプに過剰なまでに適応しているリンコさんは、女性だなーっとしみじみ思った。昭和世代の自分が馴染んできた理想の女性像ですね。甘えてお布団にもぐりこんできた小学5年>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.2

自宅で転落死した夫。殺人容疑で裁判にかけられる妻。殺したのかい?それとも自殺なのかい?どっちなんだーい?パワーーーーッ!っていう映画。(ちょっと違う)

フーダニット(誰がやったか)のミステリーかと思
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拷問男(2012年製作の映画)

3.3

mokemokeさんのレビューに惹かれて鑑賞。

私も邦題のせいで迂回させられたクチです。ジャケ写もふざけてると思ったけど、よくよく見たらオットー・プレミンジャーの隠れた名作「バニーレ-クは行方不明」
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カムバック・トゥ・ハリウッド!!(2020年製作の映画)

3.2

自分はこの手のゆるいコメディが好きなハズなのに何故かさほど楽しめなかったのは、やっぱり主演の3大スターのせいかなぁ。いや彼らが悪い訳じゃないと思うけど。ビッグネーム3人がせっかく揃ったのに、特に化学反>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.1

ティモ担(ニノ担みたいに言うな)としては前作もアリでしたが、このPART2は箱推し出来る。
豪華キャストが入れ代わり立ち代わり登場して、最後にティモシー・シャラメが雄たけびを上げると盛り上がる民衆リサ
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ビューティフル(2000年製作の映画)

3.7

サリー・フィールド初監督作と聞いて興味を惹かれ鑑賞。
予定調和でご都合主義だけどイイ映画。

ミスコンに血道をあげる女子のオハナシです。毒親育ちで承認欲求モンスターになったヒロインって、たぶん本作が制
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ノーマ・レイ(1979年製作の映画)

4.0

先日のアカデミー賞授賞式で“アジア人の透明化”が可視化されたとSNSで話題になった。プレゼンターのミシェル・ヨーに失礼な態度をとった(ように見えた)エマ・ストーンとジェニファー・ローレンス。その時、同>>続きを読む

ファイナル・デッド・ツアー(2020年製作の映画)

3.2

音楽青春映画とスプラッタホラーが合体した感じ?青春と言うにはちょっとトウが立ったヒロインなのだけど、バンドでツアー回ってだんだん人気が出て大きいハコでライブやったるぜっていう流れはアオハル展開です。音>>続きを読む

愛のように感じた(2013年製作の映画)

3.1

「17歳の瞳に映る世界」(2020)の監督さんということで期待して鑑賞しましたが。うーむ。
女の子の苦難を素描する、みたいな筆致の人なのかな、この監督さん。少女が背伸びしてビッチになりたがる、ビッチの
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.7

ジャケ写で絶対無理!って感じでしたが、フォローしてる方のレビューが面白かったので鑑賞。
金塊を掘り当てた爺さんがそれを狙うナチスと死闘を繰り広げるって、それだけの映画。
大勢の敵を相手に無双する最強ジ
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ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

皆さんが仰るように普通にアクション・エンタメですね。ヒーローものとかバディものとかの。
ラッセル・クロウ演じるアモルト神父は実在の人物のようですが、アニメの「一休さん」みたいな(古い)、二次創作的なフ
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

怪物じゃなくて博士の名前かーい!ってなるのは「怪物くん」の刷り込みのせいかと。藤子センセイ責任とってください。

「哀れなるもの」鑑賞時にコレってフランケンシュタインの話っぽいなと思ったものの、作品自
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シェラ・デ・コブレの幽霊(1964年製作の映画)

3.3

なんだか疲れてて映画観る気もしないけど短め軽めなら行けるかなーとチョイス。疲れて選んだのが憑かれる映画とはこれ如何に。レトロな幽霊譚です。

1964年の作品らしくゆったりまったりなテンポ。撮影がコン
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星の旅人たち(2010年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

映画なんて観る人の主観によっていくらでも見え方が変わるので、評価としてこういう言葉使いをしていいのか分からないけど、ここで描かれた巡礼は“本物”に見えた。
サンティアゴ大聖堂の内部を歩く登場人物たちと
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

4.2

小学生のとき国語の授業で書いた詩が先生に褒められ、コンクールに出すことになった。出品する際に、先生が考えた一文を最終行に加筆させられ、それが私は大いに気にくわなかったが、結果的に入選した。審査員の評に>>続きを読む

ヴィヨンの妻 桜桃とタンポポ(2009年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

『津軽』の幼少期の回想シーンが枕で、冒頭から途中までは話の展開もセリフも『ヴィヨンの妻』をきっちりトレース。中盤以後、見知らぬ展開wになってここから脚色かーと思ったのだけど、ところどころで妙に太宰っぽ>>続きを読む

Love,サイモン 17歳の告白(2018年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

とってもイイお話なので多くの人に観てほしい作品。

自分がゲイであることを秘密にしている高校生サイモンのお話。2018年の作品で今さらソレ?って最初は思ったけど、たぶん、LGBTQが浸透してきた今だか
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人間失格 太宰治と3人の女たち(2019年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

太宰治は思い入れのある作家なので、ガッカリするのが怖くて避けていた作品。いや、思いのほか良かったです。

副題にある3人の女たちとは、奥さんの美知子さん、『斜陽』のモデルになった太田静子、そして玉川上
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ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

オカルト系なのか心霊系なのか、はたまた精神病理の話なのか、物語の骨子が終盤までよく分からない。その訳分からなさが不安を掻き立てられてイイと思った。
なにしろ画がとってもキレイで、カメラワークと美術がス
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僕たちは希望という名の列車に乗った(2018年製作の映画)

3.9

ベルリンの壁が建設される5年前の東ドイツのお話。実話ベースなんだとか。
正直、勉強不足で社会主義国とはなんぞやってところからして分かったようで分かってない気がするけれども、ともあれ本作の若者たちのパッ
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ウィーナー 懲りない男の選挙ウォーズ(2016年製作の映画)

3.4

アメリカ民主党のお騒がせ議員アンソニー・ウィーナーを追ったドキュメンタリー。

2016年のアメリカ大統領選に影響を与えてトランプ勝利の一因を作ってしまったと言われているらしい。
下半身スキャンダルで
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Never Goin' Back ネバー・ゴーイン・バック(2018年製作の映画)

3.2

先日鑑賞した「レッド・ロケット」(2021)のページに「似ている作品」として上がっていて興味を持った作品。
アメリカの片田舎でサバイブするホワイト・トラッシュ系の人々・・・ってあたりが共通点か。

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ブレイク・ビーターズ(2014年製作の映画)

3.6

これは拾い物。青春ダンス映画だけど、舞台がベルリンの壁崩壊前の東ドイツなので、政治が絡んできてちょっと複雑な味わいに。

ブレイクダンスを路上で踊ってると、資本主義称揚のプロパガンダみたいでけしからん
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レッド・ロケット(2021年製作の映画)

4.0

「フロリダ・プロジェクト」(2017)のショーン・ベイカー監督作ということで興味を惹かれ鑑賞。

この監督さんの作品って下層の人々を赤裸々かつカラッと描いて断罪はしないって風に思えるのですね。そこが好
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揺れるとき(2021年製作の映画)

3.4

(少しネタバレあります)

ヤングケアラーの少年が、自分に目をかけてくれる担任の男性教師に恋心を抱くという話。
主人公の男の子がブロンドの長髪でキレ~イな顔してる。なかなかのオーラを放っていて目を奪わ
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42〜世界を変えた男〜(2013年製作の映画)

3.4

録画してあったやつを何気なく観てみたって感じの鑑賞だったのですが。黒人初のメジャー・リーガー、ジャッキー・ロビンソンが入団したのがドジャースだったと知って、おぉ!っとなる。ちょうど今朝のワイドショーで>>続きを読む

罪と悪(2024年製作の映画)

3.1

完全オリジナル脚本の気合を感じた。
あと、この雰囲気、好きな人はすごく好きなんだろうなぁと。
ヤクザ、半グレ、警察が群れ合い馴れ合いのザ・漢(おとこ)ワンダーランド。ふと思ったけど、バービーランドを性
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

自殺した女性が胎児の脳を移植され蘇生し、新たな人生を生き直すというオハナシ。本来、心と身体は連動して成長していくものだろうが、ベラの場合は身体が先に出来上がっていて、心が後から追いつく?というアンバラ>>続きを読む

少年の君(2019年製作の映画)

3.8

フォロワーさんのお薦めで鑑賞。イイ作品でした。
この監督さん、ストーリーテリングが巧みだなぁと思います。「ソウルメイト/七月と安生」(2016)を観たときも思ったのですが、ドラマ1クール一気見したぐら
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

「ロブスター」(2015)のヨルゴス・ランティモス監督作ということで、こちらの作品も「ロブスター」みたいな“悪い冗談”系。そんな括り(くくり)が有るのか知らんけど。

「聖なる鹿殺し」って何だろ~とグ
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