ぽん

拷問男のぽんのレビュー・感想・評価

拷問男(2012年製作の映画)
3.3
mokemokeさんのレビューに惹かれて鑑賞。

私も邦題のせいで迂回させられたクチです。ジャケ写もふざけてると思ったけど、よくよく見たらオットー・プレミンジャーの隠れた名作「バニーレ-クは行方不明」(1965)にちょっと似てて、おぅっ・・・となる。

幼い娘を殺された父親が犯人を監禁して拷問するというストレートなお話。
ゴア描写を娯楽として見せる映画じゃなくて、わりと本気で子どもが犠牲になる犯罪に対しての怒りを表明していると思います。
そこが狙いと思えば、証拠品が余りにも無防備に残されていて、かつ犯行の詳細が分かる仕組みになってるご都合主義も許せる。作り手はストーリーテリングの巧みさで観客を唸らせようなんて1ミリも思っちゃいない。(勝手に言ってます) 現実に存在しているク〇みたいな犯罪者を許せますか?被害者と同じ目に合わせたいと思いませんか?と迫っているのだ。司法に任せたらヌルい結果にしかならない、リアルな社会ではそれも仕方ない、だったらフィクションの世界で徹底的にやってやりましょうよという必殺仕置人の気概で作られた作品なんじゃないでしょうか。(勝手に言ってます)

ただ、グロが苦手な自分は拷問シーンが面白くなかった。(ショボン)飽きちゃう・・・。このお父さんがだんだん嗜虐性に目覚めて楽しんでるみたいになってくの、ちょっと怖いし。誰の心にも悪魔はいるってことなのか。(やめてぇぇぇぇ)

ともあれ、わりと真面目な作品でしたね。娯楽に振り切らないラストの決着の付け方もよき。
ぽん

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