結局ルイス・ウェインという人物は幸福な人生を歩んだと言えるんだろうか。
若いときはちょっと変わってるだけぐらいに見えたルイスが、少しずつ精神病の症状が進んでいく感じがツライ。絵は売れるけど版権のことを知らず実入りは少なくお家は没落の一途。
結婚生活の短いエピソードだけが明るく微笑ましかった。ニャンコも可愛くて。クイーンズ・イングリッシュで語りかけるヘロオゥォゥが愛おしすぎる。愛妻のメアリーがガンになり、彼女を喜ばせたくて描いたのが件のネコの絵というのが泣かせる。愛らしくユーモラスなあの猫たちは、苦しみから生まれた愛の証だったのだ。ルイスと奥さんと猫のピーターが並んで座っているシーンが忘れ難い。
ああいう瞬間があれば、人生を肯定できるのかな。
