ぽんさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

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ドント・ウォーリー・ダーリン(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

古き良き時代と言われる1950年代アメリカの街が舞台。妻たるもの完璧な家政婦たれ、完璧な娼婦たれという保守的な男性の夢?かなえたろか的なプロットは「ステップフォードの妻たち」(1972)に似ている。本>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.2

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1回観ただけではよく分からなかったのでもう1回鑑賞。初見のときに薄っすらと感じた滑稽味が2度目は明確に感じられた。ブラック・ジョークみたいな話。

機能不全家族の家庭で育ち、少年のころ見知らぬ男に襲わ
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かくも長き不在(1960年製作の映画)

4.1

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夏のバカンスの季節、賑わっていたパリ市内からは人々が消え、街は閑散となる。そんな折、カフェの店主テレーズ(アリダ・ヴァリ)は、よく見かける浮浪者の男が16年前にゲシュタポに連行され行方不明になった夫に>>続きを読む

余命10年(2022年製作の映画)

3.5

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実話ベースの闘病モノはメンタル的にキツイの分かってるので観たくなかったのですが、山田裕貴が出てるので鑑賞。

最後の方でヒロインが思い出のビデオの映像を1つずつ消去するのがしんどかった。病気になって以
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

3.3

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「ミッドサマー」(2019)のA24らしいキモ面白い作品。
町山智弘氏の解説が興味深いのでオススメです。(YouTubeで視聴できます)
そこから少し引用しますと監督さんは「進撃の巨人」にインスパイア
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飾り窓の女(1960年製作の映画)

3.7

フリッツ・ラング監督作。なんと脚本がピエル・パオロ・パゾリーニというのが驚き。ヒッチコックのような巻き込まれ型サスペンスの娯楽作でありながら、旧約聖書の「雅歌」がトリガーってところがパゾリーニ風味かw>>続きを読む

アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

4.4

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これはたぶん今まで体験したことがないんじゃないかっていう種類の、実に不思議な感動がありました。

売れない役者の主人公が刑務所の囚人に演劇指導をすることになり、ベケットの『ゴドーを待ちながら』に挑戦す
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地獄の英雄(1951年製作の映画)

4.1

ヤクザ記者のカーク・ダグラスがいいですね。タイプライターのアームがチン!っと動くときにマッチをこすって火をつける仕種なんて、ほんと悪い男だなコイツはって思わせる。
悪行三昧でニューヨークの新聞社をクビ
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夜、鳥たちが啼く(2022年製作の映画)

4.0

原作は佐藤泰志という作家の小説で、自分はこの人のことを全く知らなかった。芥川賞に5回もノミネートされながら受賞は叶わず41歳で自殺したのだそう。たぶん、この映画を評価するにはこの作家や城定秀夫監督のこ>>続きを読む

ステイ・コネクテッド つながりたい僕らの世界(2014年製作の映画)

3.4

ジェイソン・ライトマン監督なんですね。私はこの人の作品に見られる人生観とか価値観にドンピシャで共感はできないけど、何かものすごく「今」を感じさせてくれる作家という印象があります。

ネットやスマホの影
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マイ・ビューティフル・デイズ(2016年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ティミー目当てで観ましたが原題「Miss Stevens」のとおり、これは英語教師レイチェル・スティーヴンスの物語なんですね。

演劇大会に出場する3人の生徒を引率して車で出かけるスティーヴンス先生。
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ビューティフル・ボーイ(2018年製作の映画)

3.8

生きていく、という当たり前のコトが人生のどこかの時点で困難になる。簡単に言うと「生きてくのがシンドイ」と思うようになる。そういう人は少なからずいる。
何が問題かハッキリしている場合もあるし(イジメとか
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スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

私はつねづね女に生まれて良かったと思ってるし、「自分が男だったらなぁ」みたいな悔しい思いをしたこともないのだけど、この作品を観るといつも「少年」という存在に憧れてしまう。ちょっとだけ「少年」ってやって>>続きを読む

美しき冒険旅行(1971年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

ニコラス・ローグ監督はカメラマン出身というだけあって映像美がスゴイ。なんでもないビルを捉えただけの画(え)が、無機質で不気味な文明の醜悪さを曝け出す。男の子が大木の下をトコトコと歩いていく何気ないシー>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

3.0

ストレートで古めかしいストーリーに感じるのは時代が1970年代だからか。
無実の罪で投獄されるファニー。彼を救うために奮闘する恋人ティッシュと、彼女の家族たちの強く暖かな絆が、じんわりと沁みる作品。
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ウイラード(1971年製作の映画)

3.2

ネズミはウィラードの「イド=欲動」のメタファーなのかな。己の欲するままに生きることが出来ない内気な青年の、抑圧された本心があのネズミちゃん達なのかと。
彼は、たびたびネズミを使って自分の思いを遂げる。
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私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

3.5

黒人作家ジェームズ・ボールドウィンの未完の原稿を元に作られたドキュメンタリー。

ボールドウィン自身の生い立ちや、彼が生きてきた時代を彩る映画作品などを紹介しながら、政府やメディアによって黒人に対する
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プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.0

なかなか楽しい作品でした。

ファンタジーは何かしら寓意をはらんでいるもの。本作の場合、仕事に追われて疲弊しきっていた主人公の前に現れたプーという存在は、クリストファーの内面・・・というか「もう一人の
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十二人の怒れる男(1957年製作の映画)

4.5

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カメラワークやミザンセーヌ(画面の中の演出)がよく練られている作品。

まず、陪審員たちが審議のための部屋に入ってくるところは長回しで、雑談を交わし合う男達を捉えている。扇風機を回そうとしたり窓を開け
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らせん階段(1946年製作の映画)

3.5

美女が殺人鬼に追われるクラシカルなスリラーですが、本作の場合、狙われるのが障がい者の女性ばかり、という胸クソ案件。その思考の方が不健康だろうに。
ヒロインのドロシー・マクガイアは緘黙症のため、この病み
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仔鹿物語(1946年製作の映画)

3.9

原作はピューリッツァー賞を受賞しているんだとか。

時代は19世紀末くらいでしょうか、フロリダの奥地で原始林を開拓して暮らしている一家の物語。
演技派女優ジェーン・ワイマンが母親役なのですが、終始しか
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ザ・ロストシティ(2022年製作の映画)

3.2

どこか懐かしい雰囲気のロマンティック・コメディ。
世界観と言いベタな展開と言い、軽佻浮薄な80年代の雰囲気がバブル世代には嬉しい。
チャニング・テイタム出オチのお囃子がヨーロッパのファイナル・カウント
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ロブスター(2015年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

なかなかなトンデモ映画。
ブラック・ジョーク満載のコメディ?

なんの説明もなく進むのでこっちも勝手な憶測でもって解釈。

他者と共生することを厭う人ばかりになった近未来。
結婚する者が減り人口減少は
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断崖(1941年製作の映画)

3.9

ヒッチコック作品は「巻き込まれ型」「サイコ・サスペンス型」「謎解き型」の3つに分類されるのですが、これはサイコ・サスペンス型。ちょ待ってもしかして殺す気?と心理的に追い詰められるやつですね。

ヒロイ
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スペンサー ダイアナの決意(2021年製作の映画)

4.0

最初に「寓話です」と釘を刺している通り、描かれている内容は事実と異なるとは思うが、ダイアナという一人の女性の孤独と苦悩は痛いほど伝わってきた。

冒頭、実家近くの宮殿なのに道に迷うダイアナ。「私はどこ
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ウィリーズ・ワンダーランド(2021年製作の映画)

3.8

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本作は、ちょっと懐かしい匂いがするルックがまず良いのです。
埃っぽい黄色い画面が70年代風。2本立てのオマケの方みたい。
あざといカメラワークもテンポよいカット割りもどこかチープで、
エクスプロイテー
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劇場版 ねこ物件(2022年製作の映画)

2.5

チルいです。
古民家風のレトロモダンな日本家屋で、鰹節を削るところから始める朝食の支度。
猫とたわむれワチャワチャ盛り上がるオシャレ男子たち。
すべてがインスタ的で「映え」を取りそろえましたって感じ。
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四十二番街(1933年製作の映画)

3.9

舞台の初演に向けて演出家やダンサーたちが奮闘するバックステージもの。
主演女優の色恋沙汰や女好きの出資者の私情が絡んでトラブル続きの新作舞台。
そんな中、ラッキーな偶然が重なってモブ・ダンサーの一人と
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恋愛手帖(1940年製作の映画)

3.2

1940制作。ジンジャー・ロジャースがフレッド・アステアとのコンビを解消したすぐ後の作品。
ダンスだけが売りってワケじゃないの女優としての実力を見せたるわって意気込みが見える。(知らんけど)

お話は
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踊らん哉(1937年製作の映画)

3.8

嫌われても追いかけ続ける好き好き攻撃に偽装結婚とワンコ盛り盛り。
個人的なキュンが詰まっていて幸せな映画でした。
ローラースケートのタップダンスは神業。

フローズン(2010年製作の映画)

2.5

週末のスキー場でリフトに取り残された若者のサバイバル。
係員を丸め込んでリフト代浮かしたり、もう停止するよって言われてるのにゴリ押しして乗り込んだり、
主人公らがダメダメちゃんなので自業自得だよねって
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PIG ピッグ(2021年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

世捨て人のように山奥で暮らすトリュフハンターのロブ(ニコラス・ケイジ)が、
強奪されたブタちゃんを探しに町に出て行く物語。
ジャンルはスリラーになっていますが、どちらかと言えばミステリーで、
解き明か
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

3.4

「ある用務員」(2021)に出てた女子二人組の殺し屋が主役になって帰ってきたんですね。
フツーの女子の日常と血みどろのお仕事とのギャップで魅せるバイオレンス・アクション。
コントのネタみたいで最初のほ
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

人喰い族のハナシですが、骨幹はアイデンティティに悩む少女が「受け入れがたい自分を受け入れられるようになるまで」のココロの彷徨の物語でした。

主人公マレンは18歳になった時に父親に捨てられてしまい、そ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

レイプされ自殺した親友ニーナのことが忘れられないヒロインのキャシー(キャリー・マリガン)。
彼女の本名はカサンドラ。カサンドラと言ったらギリシャ神話に出てくる王女ですね。
真実を訴えても信じてもらえな
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