takaoriさんの映画レビュー・感想・評価

takaori

takaori

オール・アバウト・マイ・マザー(1999年製作の映画)

3.8

2024年110本目

とある事情で宿題となったアルモドバル作品を見ていく。直近の『パラレル・マザーズ』と同じく、父親の不在とシングルマザーたちのシスターフッドの物語である。女性たちのシスターフッドを
>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

2024年109本目

始まってからしばらくの展開でドタバタコメディかと思わせておいて、要所要所でピリッと痺れるようなシリアス場面を入れてくるバランスが絶妙。ゲシュタポが家を訪ねてくるシーンの「ハイル
>>続きを読む

キリング・オブ・ケネス・チェンバレン(2020年製作の映画)

3.8

2024年108本目

アメリカの警察は何年経っても同じ失敗ばかりやっている、という事実を積み重ねる映画のひとつ。「去年の事件」という言葉が劇中に出てくるので、ついジョージ・フロイド殺害事件のことかと
>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.0

2024年108本目

何と言ってもキャストが素晴らしい。マット・デイモンやベン&ケイシー・アフレックが若い! 彼らも最近の映画では、悪役や重役、軍の将校など貫禄のある役を演じることが多いが、このころ
>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

3.9

2024年107本目
劇場40本目
「午前10時の映画祭」にて

昨年末の『PERFECT DAYS』が大傑作だったヴィム・ヴェンダースによるロードムービー。登場人物はほぼ5人のみで、家族の絆を描く映
>>続きを読む

トラペジウム(2024年製作の映画)

3.6

2024年106本目
劇場39本目

あまりレビューの評価が高くないが、そんなに悪い映画だとは思わない。少なくとも退屈はしなかった。
内容的には「元アイドル」でないと描けない話とまでは思わなかったが、
>>続きを読む

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

4.2

2024年105本目

アンドリュー・ヘイによるリメイクが大変良かったのでこちらも鑑賞。異性愛を同性愛に入れ替えた以外、基本的なプロットは同じなのだが、それでも映画の印象はかなり違っている。
この88
>>続きを読む

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜(2017年製作の映画)

4.5

2024年104本目

パレスチナ問題をめぐるデモが世界中で激化し、一方で「デモに効果なんてあるの?」という冷笑が幅を効かせる今こそ見たい映画である。こういう「普通の人が見せる勇気と正義」を描く映画は
>>続きを読む

捜索者(1956年製作の映画)

3.8

2024年103本目

巨匠ジョン・フォードと名優ジョン・ウェインのコンビによる「これぞ西部劇」という古典的名作。英雄の挫折と苦悩、復権を描くストーリーや、雄大なモニュメントバレーの自然の風景をバック
>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

4.3

2024年102本目
劇場38本目

原作も未読、日本での映画版『異人たちの夏』も未見で、予備知識なしのまま見たので、「ゲイカップルのラブストーリー」ぐらいの印象で見に行ったのだが、もっとはるかに深く
>>続きを読む

キャビン・フィーバー(2002年製作の映画)

3.6

2024年101本目

グロ映画でおなじみイーライ・ロスの長編デビュー作にあたるホラー映画。バカな若者が山中のキャビンに泊まって⚪︎ックス三昧…というホラーの定番展開だが、そこで襲ってくる怪物が「感染
>>続きを読む

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

3.7

2024年100本目
劇場37本目

ラブストーリーとしてはベタベタの展開で、オチも読めるし、これで「泣かせよう」とするのは好きじゃない。ネタばらしの後でモノローグをダラダラやるのも構成としてはイマイ
>>続きを読む

パラレル・マザーズ(2021年製作の映画)

3.8

2024年99本目

同時に出産した2人の母親の赤ん坊が、産院でたまたま取り違えられるという展開は映画でよく使われる手法で、是枝裕和の『そして父になる』なども有名だ。しかしこの映画は、それとスペインの
>>続きを読む

VESPER/ヴェスパー(2022年製作の映画)

3.9

2024年98本目

グロテスクかつ幻想的で美しいディストピアSF映画で、呼吸するように蠢く植物のビジュアルが『風の谷のナウシカ』の腐海を思わせる。こういう崩壊した世界の断片を見せる映画は好き。お話を
>>続きを読む

監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(2020年製作の映画)

-

2024年96本目

ソーシャルメディアがもたらす中毒症状や陰謀論の拡散が、いかに現代の社会を損なっているかを示す優れたドキュメンタリーだが、これを他でもない中毒ビジネスモデルのプラットフォームである
>>続きを読む

ゴジラxコング 新たなる帝国(2024年製作の映画)

3.0

2024年95本目
劇場36本目

予告編の印象通り退屈な映画だったなぁ、という感想。IMAXの大画面で映像の迫力があったから見ていられたようなもので、家のテレビで見たら星2つぐらいかも。ストーリーも
>>続きを読む

ウォーム・ボディーズ(2013年製作の映画)

3.7

2024年94本目

イケメンな青年のゾンビが、生き残りの人間集団のリーダー的な美女と恋に落ち、ゾンビと人間との和解につながっていくというやや異色のゾンビコメディ。この映画では、ゾンビがなんと愛の力で
>>続きを読む

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.8

2024年93本目
これも配信に回るのが早い!

家族や学校の友人とうまくいかず、孤独に過ごす少女コットが親戚の家に預けられ、紆余曲折を経て成長する…という、ありがちなストーリーの小ぢんまりとした映画
>>続きを読む

ぼくは君たちを憎まないことにした(2022年製作の映画)

4.0

2024年92本目
今年の映画なのに、配信に回るのが早い!

2015年の自称イスラム国によるテロで妻を亡くし、幼い息子と2人残されたジャーナリストが「僕は君たち(テロリスト)を憎まないことにした。君
>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.5

2024年91本目

列車内でのテロ事件を阻止した勇気ある3人の実話を、乗客も含めて本人たちが実演しているという異色の映画で、半分フィクション、半分ドキュメンタリーのような仕立てになっている。この設定
>>続きを読む

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)

3.8

2024年90本目

タイトル「ノセボ」は「プラセボ(偽薬)」の逆で、本来薬ではないものを服用しているのに、思いこみによって有害事象が生じる効果を言うようだ。ポスタービジュアルでモンスターもののホラー
>>続きを読む

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.5

2024年89本目
劇場35本目

毎年この時期の風物詩となったコナン。前作『黒鉄の魚影』が下手なハリウッド映画顔負けのクオリティで大変面白かったので、今年も期待していたが、うーん去年には劣るなぁ…と
>>続きを読む

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

3.4

2024年88本目
劇場33本目

遅ればせながらようやく鑑賞。ずいぶん息の長いロングラン上映である。劇場には自分を含めて10数人の観客がいて、年配の夫婦連れが多かったように感じた。
2023年は「新
>>続きを読む

ザ・スクエア 思いやりの聖域(2017年製作の映画)

4.0

2024年87本目

Filmarksの表記ではAmazonプライム・ビデオでも見放題となっているが、2024年4月現在は有料レンタルに移行している。U-NEXTは相変わらず見放題配信中。
全編通して
>>続きを読む

夕陽に向って走れ(1969年製作の映画)

3.5

2024年87本目

原題は "Tell Them Willie Boy Is Here"「ウィリーボーイはここにいると伝えろ」だが、邦題の「夕陽に向って走れ」はいかにもアメリカン・ニュー・シネマとい
>>続きを読む

マリリンとアインシュタイン(1985年製作の映画)

3.7

2024年86本目

邦題は「マリリンとアインシュタイン」となっているが、原題 "Insignificance" は「取るに足らないこと」という意味で、劇中では4人の登場人物は「教授」「女優」「上院議
>>続きを読む

アイアンクロー(2023年製作の映画)

4.0

2024年85本目
劇場33本目

実在のプロレスラー一家、フォン・エリック家の実話を元にした映画。プロレスに興味を持ったことがないので、楽しめるか不安もあったが、蓋を開けてみると映画の主題は機能不全
>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.8

2024年84本目
劇場32本目

「12歳、24歳、36歳」と3つの時代での2人の男女のドラマを描く…という展開。この前『オッペンハイマー』を見て大ハマりしたばかりなので、ついつい「時系列が入り乱れ
>>続きを読む

炎628(1985年製作の映画)

4.2

2024年83本目

第二次世界大戦中の白ロシア(現在のベラルーシ)で行われた、ナチスの特別部隊「アインザッツグルッペン」による凶行を描いた、とても陰惨な戦争映画。ロシアによるウクライナ侵攻、イスラエ
>>続きを読む

ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.4

2024年83本目
劇場31本目

84年の初代『ゴーストバスターズ』が大好きで、子どものころにレンタルビデオで何回も見たので、このシリーズは面白いと期待していなくてもついつい見てしまう。わざわざドル
>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.7

2024年82本目
劇場30本目

大傑作! アカデミー賞最多7部門も納得の素晴らしい映画で、間違いなくノーランの最高傑作であり、これまでの彼のフィルモグラフィの集大成だと思う。VFXの派手さやトンチ
>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

3.9

2024年81本目

トランスジェンダーの女性とネグレクトされた中学生の少女、それに親のアクセサリーとしか見られず、人間扱いされない少女など、社会の中で疎外され傷ついた女性たちのシスターフッドの物語。
>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.8

2024年80本目

アカデミー賞に輝いたウェス・アンダーソンの短編映画。作品の時間も含めて「41」という数字がやたらと強調されている。
短編でもウェスワールドって感じで、原色のカラフルな色遣いや幾何
>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.3

2024年79本目
劇場29本目

ゼロ年代のセカイ系と決断主義のサブカル文化に、ポスト3.11の文学を悪魔合体させた「地獄の風景詰め合わせよくばりセット」って感じですごかった。一番大きいのは「8.3
>>続きを読む

瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.0

2024年78本目
劇場28本目

映画の撮影中に失踪した俳優を、20年以上経ってからかつての仲間が探しだそうとする…というプロットは、ウラジーミル・ナボコフの小説『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』
>>続きを読む

>|