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グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちのtakaoriのレビュー・感想・評価

4.0
2024年108本目

何と言ってもキャストが素晴らしい。マット・デイモンやベン&ケイシー・アフレックが若い! 彼らも最近の映画では、悪役や重役、軍の将校など貫禄のある役を演じることが多いが、このころはまだ少年のような初々しさである。若いといっても演技はもちろん抜群で、マットが知性あふれる長台詞を滔々と話すシーンや、飄々としていたベンがマットを真剣に諭すシーンの痛快さが実に良い。そして今は亡き名優ロビン・ウィリアムズの温かい親父ぶりに、見ているこちらも癒される。こういうクサイ説教を真顔で若者にできる親父も、今はすっかり少なくなったように感じる。
親に捨てられたトラウマを描く映画ではあるが、90年代という時代もあってかそこまでシリアスで暗いトーンではなく、明るい印象の映画である。2020年代の今は、虐待サバイバーを主人公にした映画を撮れば、喪失感や不信感が痛々しいほど切実に描かれたものになるだろう。
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