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オール・アバウト・マイ・マザーのtakaoriのレビュー・感想・評価

3.8
2024年110本目

とある事情で宿題となったアルモドバル作品を見ていく。直近の『パラレル・マザーズ』と同じく、父親の不在とシングルマザーたちのシスターフッドの物語である。女性たちのシスターフッドを同性愛的なものととらえるのがアルモドバルの作風であるらしい。事故で亡くなったロラとマヌエラの息子エステバンの名前を、同じ男とシスターの息子にもつけるところは、どこか近親相姦的である。ロラやアグラードといった男性とも女性ともつかないキャラクターを複数配置するあたりも含めて、「線引き」を曖昧にぼかして枠組みを揺るがすような作風の作家のようだ。シスター・ロサを演じるペネロペ・クルスはまだ若いが、さすがにオーラがすごい。黒髪も相まってアン・ハサウェイにどこか似ている。
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