sayuriasamaさんの映画レビュー・感想・評価

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Ryuichi Sakamoto | Opus(2023年製作の映画)

4.0

命を燃やして演奏した、息遣いや弦の響きまで伝わってくる珠玉の名演奏の記録

音楽鑑賞好きな知人たっての希望で観に行きました。坂本龍一の名曲の数々をソロ・ピアノで堪能できる贅沢なプログラムである反面、人
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タイガー 裏切りのスパイ(2023年製作の映画)

3.9

火薬!爆破!スパイ!
いつも通りスターをかっこよくみせるボリウッドアクション映画

お腹いっぱいになるほど火薬に爆破に裏切りに色々あるボリウッドスパイユニバース。地政学上、独特の利害関係があるせいか、
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恋するプリテンダー(2023年製作の映画)

3.9

肩のこらないハッピーバカンスラブコメ
サクッと観られる安心の洋画

あまり話題になってなさそうな洋画枠で期待薄で観ましたが、予想以上に面白かったです。ベタというか、王道の展開続きなのですが、その安心感
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母のおもかげ(1959年製作の映画)

3.9

ステップファミリーの難しさを少年の視点から描く繊細な作品

やたらと横移動の多いシネスコ構図が印象的だが、生活感のある風景が広がっていることは印象的。小5の息子を持つ水上バス運転手の根上淳と、4,5歳
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乙女ごころ三人姉妹(1935年製作の映画)

3.8

戦前の浅草が垣間見られる中、ストーリーは切なく重たい作品

1935年の作品なので、約90年前の浅草になるんですね…関東大震災から復活し、松屋浅草の存在がキラキラしていました。

ストーリーは成瀬巳喜
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喜劇 冠婚葬祭入門(1970年製作の映画)

3.6

ハウツー本からよくこの脚本ができたな!?と思う、父娘ドタバタ家族もの

三木のり平演じる定年間近のうだつのがらない社員、実は会社の冠婚葬祭のときには張り切る&信頼の厚い男であった。そんな彼と、その娘(
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三億円をつかまえろ(1975年製作の映画)

3.8

コメディーの中にノワールテイストが効いた佳作

長門勇演じるしがない泥棒稼業の男が、出所後再び昔の仲間を集めて、銀行強盗に挑むストーリー。ただ、内容としては金庫破り職人を演じる有島一郎が主役の活躍。し
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.0

ダークな世界観、時間軸の組み換え、正義とエゴの2面性、物理学的理論…ノーラン監督の集大成いいとこ取りの作品だとしても、心から楽しめない辛さを内包した作品

ノーラン監督作品は大体映画館で見ている自分で
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プリシラ(2023年製作の映画)

3.7

スーパースターの恋人・妻は孤独よ、なソフィア印満載ストーリー

バズ・ラーマン監督作品の「エルヴィス」に対になるように、エルヴィス・プレスリーの妻プリシラのエルヴィスとともにあった時期のエピソードで紡
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

3.9

往年のテーマ曲が出てくればハッピーになる、そこそこ楽しいゴーストバスターズフランチャイズ

前作『ゴーストバスターズアフターライフ』を見ていないのにも関わらず、なんとなくビルマーレイやダンエイクロイド
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愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)

4.0

歴史の大きな軸の中で生きる人間はちっぽけだけど、ひとりひとりの生き様
はダイナミックだ。

午前十時の映画祭にて。

第二次世界大戦から1980年(映画制作時の現代)まで、欧米に暮らす、いくつかの家族
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.8

裁判は真実は映し出す。でも真相は...

久々の投稿になってしまいました。いろいろバタバタしてたので、本作もだいぶ経ってからの投稿に。

ザンドラヒューラー演じるサンドラは、夫の殺害容疑をかけられる。
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カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.0

綾野剛の魅力が爆発してる、笑えて泣ける、スマッシュ娯楽作品

なんとなく時間があったので、思いがけず鑑賞したのですが、おもしろかったです。

ヤクザがカラオケ大会で好成績を収めたいがために、合唱部の中
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燈火(ネオン)は消えず/消えゆく燈火(2022年製作の映画)

3.6

変わりゆく世界の中で、儚くも光続ける惜別のネオン・ストーリー

シルヴィア・チャン懐かしいなあ~彼女の歌が好きでたまに聴くし、最近の香港も変わったしなあ、ということで、楽しみにはしていた作品。

スト
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パンチライン(1988年製作の映画)

4.4

コメディを生み出すことは、血の滲む努力家たちばかりだ。夜な夜な笑いを追究する主婦と青年の切ない交流

「笑いのカイブツ」を観る気になったのは、この作品がすごく好きなことがあるからだ。本作は後にフォレス
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

4.0

人生を「究極」に生きる、究極にしんどい男の生き様

とある深夜ドラマ(名古屋行最終列車)の1エピソードに出演していた岡山天音の演技に魅力されたので、出ずっぱりの映画ときたらとスクリーンで観たいと思い、
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戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版(2002年製作の映画)

4.3

芸術に一寸の生きる希望を託して
凄惨な歴史の荒波を乗り越えた1人のピアニストが目撃し、サバイブした戦場

知人が何十回と観て感動した!と熱弁をふるっていたところ、4Kリバイバルがあったこともあり、観て
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

3.9

偉人伝をコンパクトにまとめる難しさはところどころ感じるものの、ストーリーのつなぎに工夫があって感心させられる野心的な作品

Netflix先行上映作品。

ストーリーは
バーンスタインとフェリシアの出
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きっと、それは愛じゃない(2022年製作の映画)

3.9

現代的なテーマを内包しながら、古今東西の悩みと、意外なる(でも王道の)解決への道のりがやさしくて暖かい"令和のラブコメ"

filmarks試写会にて。ありがとうございます。
本作は有名女性映画監督を
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男性飼育法(1959年製作の映画)

3.9

淡島千景の魅力で引っ張るも、水谷八重子&小林桂樹チームが結構な怪演をみせる怪作

妻チームは、自分たちの言い分を夫に認めさせるために、セックスストライキに突入するというかなり異色のストーリー。

最近
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坊っちゃん(1953年製作の映画)

3.6

キャスティングは良かったけど、小説の良さはあまり出ていない気がする?マドンナ岡田茉莉子の幸せ物語

言わずとしれた『坊っちゃん』の映像化作品。キャスティングは絶妙にいい感じ。爽やかで、前向きで、田舎の
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雪国(1957年製作の映画)

4.1

地方の女性と都会の男性のつれなくて儚い関係が、モノクロに燃える作品

原作小説である川端康成の雪国を読んだのは遥か昔、なんとなくの状態で観たのですが、こんなに情熱的で写実的な美しさに富んだ作品とは思い
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ロスト・フライト(2022年製作の映画)

3.9

飛行機映画のサスペンスに、傭兵映画の煮えたぎる銃撃戦が組み合わさる大娯楽アクションサスペンス

ジェラルドバトラー映画が連続して到着し、飛行機物はスクリーンに映えそうということで観てみたら、アクション
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.4

ガッツリトレンドをおさえたテーマ設定なのに、嫌味がなくて娯楽感満載!レトロ可愛い舞台風映画

あらすじ
業界での権力が抜群のプロデューサーを殺害した疑いのかけられた売れない女優・マドレーヌは、法廷で正
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007/ リビング・デイライツ 4Kレストア(1987年製作の映画)

4.4

映画館のスクリーンで観てこそ!後半のアクションは山場しかない!21世紀のスパイ物への源流も見受けられる、新しくて正統派なダルトンボンド1本目

最初は観る予定にはなかったのですが、第1期の作品を観て「
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007/私を愛したスパイ 4Kレストア(1977年製作の映画)

4.1

ムーアボンド史上最もバランスが取れていて文句なしに面白くてかっこよくて山場が盛りだくさんの娯楽大作

個人的に、歴代ボンドの中で一番ファンなのはロジャー・ムーア。ですが、ムーア作品は、今回のリバイバル
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007は二度死ぬ 4Kレストア(1967年製作の映画)

3.9

トンデモジャパン連発も、日本俳優陣は輝いていた、ゆるめコネリーボント

007の旧作をスクリーンで観れたらなぁと少し前に思っていたところ、4Kレストア版のリバイバル企画がスタート。タイトなスケジュール
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ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

4.1

夢はあきらめない。そして、信頼できる仲間たちの支えがあってこそ。

Netflix劇場公開作品。
マラソンスイムの元選手のダイアナ・ナイアド(アネット・ベニング)は、還暦を迎え、日々に張りあいがないよ
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極楽島物語(1957年製作の映画)

3.6

戦時下を懐かしむような?喜劇と悲劇が入り混じった娯楽作品

船が攻撃され、南方の島に流れ着いた日本兵。そこでサバイバル生活をする中、ある1人の青年兵が、島の娘と思いを通わせるようになる…

要所要所は
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慈悲心鳥(1954年製作の映画)

3.9

人生のすれ違いと伸びしろはわからない、悲しき三角関係悲恋

角梨枝子演じる政治家の娘は、司法試験合格を目指す波多野憲を密かにと思っていたが、彼が惜しくも司法試験に落ちてしまい、その時点で人生が固まりつ
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忠臣蔵(1910年製作の映画)

4.2

最古でも見どころはそのまま!忠臣蔵ダイジェスト決定版

え〜夏頃急に忠臣蔵マイブームが来て、いろんな忠臣蔵を観ていたのですが、今回活動弁士さんが7名もついての上映を観ることが出来で面白かったです。
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森繁のやりくり社員(1955年製作の映画)

3.5

森繁meetsラジオ広告のミュージカルドタバタコメディ

新東宝では社員キャラでサラリーマン喜劇をやっていた50s森繁映画。
ラジオ広告放送局の社員である森繁は、化粧品メーカーや洋酒メーカーといった会
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月が出た出た(1951年製作の映画)

3.3

戦後の雰囲気色濃く残ることのみに集中したほうがいい作品

東宝に移籍直前の小林桂樹の(多分)ラブストーリー&家族モノ。
炭坑を経営する父と折り合いの悪い息子(小林桂樹)は、親子の仲が険悪なまま出征する
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宗方姉妹 デジタルリマスター版(1950年製作の映画)

3.8

姉妹とは、夫婦とは、命とは。人生の痛みに耐える姉と自由過ぎる妹と「新しいもの」

東京国際映画祭旧作企画。一本くらい小津安二郎作品を映画館で観るかぁということで、高峰秀子&田中絹代の顔合わせ顔合わせ作
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がめつい奴(1960年製作の映画)

4.0

しぶとく生きるドヤ街のバイタリティ
と、きらめく東宝スター軍団

ストーリーは大阪・釜ヶ崎のドヤ街で簡易宿泊所を経営しているお婆さん(三益愛子)と息子(高島忠夫)、彼女に可愛がられている戦災孤児(中山
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

端整なルーティンの美学と、ほんのちょっとの変化だけで人生は豊かだ。

2020東京オリンピック開催が決まったすぐ後、2014年あたりのこと。「オリンピックによって東京にもたらされる変化・出来事を予想す
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