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森繁のやりくり社員のsayuriasamaのレビュー・感想・評価

森繁のやりくり社員(1955年製作の映画)
3.5
森繁meetsラジオ広告のミュージカルドタバタコメディ

新東宝では社員キャラでサラリーマン喜劇をやっていた50s森繁映画。
ラジオ広告放送局の社員である森繁は、化粧品メーカーや洋酒メーカーといった会社の提供によるラジオCMや提供番組の企画をする腕利き社員…なのだが、家では1円単位で夢のマイホームのために節約生活にいそしむ。彼のワーク&ライフバランスはいかに?というストーリーもあってないような喜劇。

妻役杉葉子と社交ダンスも一瞬踊ってくれたし、スクリーンから観客に話しかけるし、「森繁久彌に似てるよね?」って映画の中で現実の人気ぶりを語るし、エプロンをつけて家事を頑張るおじさんぶりも披露と輝き続けていて面白かった。ブッポウソウの鳴き声収集をでっち上げたり、録音テープを変につなぎ合わせたせいでウィスキーのCMがとんでもない出来になる、時代を感じるコメディも個人的にはツボにハマった。家庭での妻とのパワーバランスも、1950年代とは思えない、斬新な切り口で興味深い点がたくさんあった。

…が、森繁にはやっぱり社員より社長ポジションのほうが面白いと思わせる存在感があった。
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