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月が出た出たのsayuriasamaのレビュー・感想・評価

月が出た出た(1951年製作の映画)
3.3
戦後の雰囲気色濃く残ることのみに集中したほうがいい作品

東宝に移籍直前の小林桂樹の(多分)ラブストーリー&家族モノ。
炭坑を経営する父と折り合いの悪い息子(小林桂樹)は、親子の仲が険悪なまま出征することになる。出征直前にある芸者と一夜を明かした。その後、息子は復員したものの、父とは再会をせず、夜の街を流しをしてさまよっていた。あの夜の芸者を探すために…

話の筋を書いてると結構面白そうなんですが、実際の作品は、珍品な出来です…
見どころは戦後間もない池袋(推定)の風景、そして小林桂樹と幼い男の子(実は彼の息子)との交流シーンが暖かで、こんな家族いいなぁと思わせることには成功しているし、等身大市民俳優ぶりを発揮していて見どころはある。(良く考えたら彼は御曹司の役なのに1mmも感じなかった。)芸者役の女優さんもキレイ。そして、タイトル通り炭坑節も聞けて歌謡音楽映画としての記録の面でも見どころなのだが、肝心のストーリーに掘り下げが必要な出来栄え。シーンとシーンの繋がりがブツブツ過ぎてさすがに面白くない。しかもラストも、工夫してほしかった。サイレント映画っぽいアクションは面白かったけど、、
まあ、映画が量産された時代は、こういう中篇作品もドンドコ作らないといけなくて、脚本も練り上げてないものもあって当然でしょうな。
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