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慈悲心鳥のsayuriasamaのレビュー・感想・評価

慈悲心鳥(1954年製作の映画)
3.9
人生のすれ違いと伸びしろはわからない、悲しき三角関係悲恋

角梨枝子演じる政治家の娘は、司法試験合格を目指す波多野憲を密かにと思っていたが、彼が惜しくも司法試験に落ちてしまい、その時点で人生が固まりつつあった波多野の友人である中山昭二と結婚する。順風満帆な生活かと思われたが、夫と舅の経営する会社が汚職疑惑になり、検察の取り調べが入るのだが、その中に、なんと司法試験合格を後に勝ち取り、検察官となっていた波多野がいた…

中山昭二がなんとなくキリヤマ隊長を思わせるところもあったが、かなり楽しめた。そして、一番アクセントになっていたのは学友→弁護士の宇野重吉。飄々としていて面白い。
こんな人生の人、結構いたのかも…と思わせる典型的な悲恋物語の上に、冠婚葬祭での人の輪に、松林宗恵監督の仏心がほのかに漂う佳作。
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