【大胆に盗み散っていく男たち】
黒沢清が好きなフィルム・ノワール、そしてリチャード・フライシャー作品『札束無情』を観た。フィルム・ノワール自体が苦手なのでそこまでピンとは来ないものの、演出の切れ味は…
初期フライシャーの経済的な語りは絶品。少ないカットで必要な情報を提示してみせる手際に加え、中盤の銃殺に代表されるようなウィリアム・タルマンの冷徹な判断力がこの凄まじい速度に寄与している。現金輸送車襲…
>>続きを読む最近になってこのくらいの時代の映画「観るようになって、テンポよく進んで今の映画に慣れてるとカルチャーショックもあったりして。ただあまり内面の心理描写とかなくてさっぱりしすぎてる印象もあったけど、この…
>>続きを読む無駄なく感じるのは、犯行内容そのものがドラマを語っているから。行動のみでグイグイ話を進められるのは犯罪映画というジャンルの旨味。
スリリングなシーンでのクローズアップとロングショットの使い分け、カッ…
このレビューはネタバレを含みます
たまらないなこれ。強盗グループのひとりがしみったれた無能なのがとても良い。簡単な住所が覚えられず、禁止されつつメモを取ってしまうというしょうもなさ(当然そのメモが流出)。その男の殺害シーンの撮影の手…
>>続きを読むシネマテーク・フランセーズからの白紙委任状で黒沢清は本作を選び、「映画史上もっとも「完璧な」映画は何かと聞かれたらきまってこの映画を選ぶ」と、上映前に観客に向けて語っていた。!となってるあいだに終わ…
>>続きを読む刑事と強盗犯がどちらも超絶行動派なので物語が爆速で進む。刑事側が盗聴やら変装やらあの手この手で犯人を追い詰めていくのが面白いし、対する強盗犯側もめちゃくちゃ非情なのが最高。特にリーダーを演じるウィリ…
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