azusaさんの映画レビュー・感想・評価

azusa

azusa

  • List view
  • Grid view

大魔神(1966年製作の映画)

-

王道なストーリーながら1966年当時にこれだけの迫力はものすごい衝撃だったのでは。普段特撮は見ないけどとても面白かった。面白さだけでなくしっかりと教訓も与える。60年前に公開されたとは思えないクオリテ>>続きを読む

ピクニック at ハンギング・ロック 4Kレストア版(1975年製作の映画)

-

劇伴が少し過剰な気がした。岩山を映してこれでもかと意味ありげに劇伴を重ねて、まるで生徒たちがハデスに連れ去られたとでも言いた気だ。寝ている生徒に這い寄るトカゲやボッティチェリの天使という言葉選びといい>>続きを読む

ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストア(1987年製作の映画)

-

ラストシーンの展開がとても良かった。溥儀の人生を見てきた鑑賞者にとっても紫禁城は思い入れがあり、久しぶりに戻った溥儀とともに懐かしさを感じていた途端に溥儀が消え、次の瞬間には観光客が押し寄せる。ガイド>>続きを読む

ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

-

タイトルから料理にまつわるサクセスストーリーかと思いきや、実際の主題はより深く料理の範疇を超えて訴えかけてきた。全編に渡り劇伴なし、会話は最小限、聞こえるといえば食器が触れるカチカチ音と調理中のじゅわ>>続きを読む

異人たち(2023年製作の映画)

-

終始、どこか異国を一人で旅するような浮遊感があった。アダムの抱える孤独を本当に繊細に描いている。冒頭のアダムの印象は物書きの自立した男性だが、それは彼を見た目で判断した偏見にすぎないと自省した。それは>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

-

脚本的には最後いい感じに終わらせようとしているが、全くいい話ではない。単に優柔不断な八方美人が決断を先延ばしにした以上、当然の帰結と言わざるを得ない。登場人物全員何かしら隠し事があったり、婉曲な物言い>>続きを読む

変な家(2024年製作の映画)

-

『呪詛』の二番煎じ。いろんな突っ込みどころは棚上げしても何か間延びして感じた。自分が小学生、中学生だったら楽しめたかもしれない。一番怖いのは栗原さんの話し方。

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

想像以上の見応えで大満足。13歳までは何をしても捕まらないと語る様子から朝陽には何か裏があると感じてはいたが、まさかここまで真っ黒とは。真性のサイコパスは隠して、浩みたいなチンピラが許容できる範囲で悪>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

-

任侠の世界の不快な湿気と脚本の面白さが手伝って、前作を超える見応えがあった。鈴木亮平演じる上林が纏う圧倒的な悪がまことに恐ろしかった。目を背けたくなるシーンが多くありつつも、そんな最悪の男に日岡始め警>>続きを読む

ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

-

「神の島」というよりもこの島自体が神の化身、そう感じた。教会を建てる使命からアイスランドを横断するルーカスだがその過程は過酷を極め、そしていつしか牧師としての尊厳よりも人間味が勝るようになる。むき出し>>続きを読む

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

-

アイディアは興味深いものの、事件ものとして結構マイルドだった。一番は閉ざされた雪の山荘という「設定」なのがすこぶる勿体なく思う。本物の雪山の山荘が舞台だったならサスペンス映画としてさぞ良かっただろうに>>続きを読む

12日の殺人(2022年製作の映画)

-

衝撃的な冒頭に始まり、淡々と捜査するヨアンと何かと私情が出やすいマルソーの対比、男ばかりの部署をあえて選んだナディア、まだ世間知らずな新人、どの人間の背後にも覗き込んだら複雑な人間関係がある。殺人事件>>続きを読む

リンダ リンダ リンダ(2005年製作の映画)

-

劇的な展開というわけではないのだけど、すごく笑えてジーンとした。ソンさんがめちゃくちゃ良いキャラクターだった。「みんなパンツ見えてる😂」とか「元彼?😏」とか。高校生の制服の着崩し方も2000年代のそれ>>続きを読む

リンダはチキンがたべたい!(2023年製作の映画)

-

the フランス人って感じの登場人物たち。子ども対大人の二項対立を装いながら最終的には妥協(和解とは言わない)に至る…脚本含めフランス的だなぁ。親だってちゃんと恋愛はします。親である前に男女ですからね>>続きを読む

オッペンハイマー(2023年製作の映画)

-

オッペンハイマーの探究心と苦悩が周囲の熱狂と合わせて描かれていた。とあるネット記事で本作は原爆投下後の広島と長崎の惨劇が描かれていないという指摘を読んだが、私はそうは思わない。最初こそ未知の分野への好>>続きを読む

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

-

私にも忘れ難い人がいるからとても共感したし、だからこそ見送りのシーンは本当にそれでいいの?とも思った。いろんな意味で"大人"になってしまったのだろう。今、彼女はノラであり、かつてはナヨンだった。同じこ>>続きを読む

クロユリ団地(2013年製作の映画)

-

コメディ映画かな?最後まで見るのが苦痛だった。やはり「リング」や「仄暗い水の底から」を撮った中田秀夫監督はもういないのか。まず主人公の演技が拙いと感じる。怖がり方が目を見開いて呼吸を荒くするだけの一辺>>続きを読む

デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

-

SF要素のある学園コメディかな、くらいの気持ちで観たらテーマが深くて驚いた。まず冒頭の母艦?が出現するシーンですごく引き込まれる。カットもそうだし劇伴がテクノっぽくて、これから何が始まるんだろうとわく>>続きを読む

名探偵コナン から紅の恋歌(2017年製作の映画)

-

これを楽しめないのは私が大人になったからなのか、推理小説の読みすぎなのか。一時期と比較して脚本は凝っていると思うけど、サイドストーリーの平次と数葉と紅葉の三角関係が茶番劇すぎて興を削がれた。特に数葉の>>続きを読む

ノマドランド(2020年製作の映画)

-

自分にとって大事なことは何か、すごく考えさせられた。何よりスワンキーの言葉が心に刻まれた。「あまりに美しくて、もうこれで人生が終わってもいいと思った」…なんて素敵な言葉なんだろう。私も近い思いを抱いた>>続きを読む

劇場版 名探偵ホームズ デジタルリマスター版(1984年製作の映画)

-

30分アニメとしては作画やカットの凝りようがものすごい。細かい演出も。それもそのはず、今となっては著名な方がぞろぞろクレジットされていてエンドロール見ながらひえっと声が出た。青いルビーは全体的に宮崎駿>>続きを読む

天使の涙 4Kレストア版(1995年製作の映画)

-

ほしいものは手をすり抜けていき、突然途絶える。教訓めいた印象を受けた。金城武はバチバチに決めた2枚目役よりもモウのように愛嬌も癖もある青年役がハマっていると思う。それにしても期限切れのパインを食べて口>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

-

数年毎に観ているが、何度観ても全く色褪せることがない。無国籍で混沌とした何物にも代えられない90年代の香港。あの唯一無二の雰囲気を永遠に封じ込めたタイムカプセルのような作品だ。本作始め、ウォンカーウァ>>続きを読む

名探偵コナン ハロウィンの花嫁(2022年製作の映画)

-

まず背景美術のクオリティがめちゃくちゃ上がってて驚いた。街中の一人一人がちゃんと動いていて、建物の高さ重厚感も街の写し方も凝っているなという印象。この背景のために没入感は格段に上がった。そして脚本も過>>続きを読む

コール・ジェーン ー女性たちの秘密の電話ー(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

映画としていろんな要素を盛り込みすぎだと思う。まずロジックに少し語弊がある。結果として死者が出なかったから無資格で施術することを肯定的に描いているが、そもそも無資格の人間が施術するということにあまり共>>続きを読む

海がきこえる(1993年製作の映画)

-

👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏90年代の色彩、学生たちの機敏を繊細に描いていて素晴らしかった。起こったことといえば東京から転校生が来て勉強も運動もできる子だったっ>>続きを読む

青い春(2001年製作の映画)

-

音楽がめちゃくちゃかっこいい。なんてくだらないことしてるんだろうと思うけれども、一方で彼らと同じ精神年齢のままの自分もたしかに存在していて複雑な気持ちになった。青い、本当に青い。終盤で冒頭の視線のシー>>続きを読む

GO(2001年製作の映画)

-

初見のつもりだったけど「めっちゃウンコしてえ」のフレーズを聞いて2度目だと思い出した。たぶん前回はDVDが途中で止まって最後までみてないんだよな。十数年越しにやっと観られた。テーマはセンシティブながら>>続きを読む

老人Z(1991年製作の映画)

-

気になっていた大友克洋脚本作品がスクリーンにかかるというので馳せ参じてきた。展開は王道ながら寝たきり老人がロボットに乗って街を闊歩するとか、老人たちがコンピューターを駆使してロボット制御を試みたりとか>>続きを読む

落下の解剖学(2023年製作の映画)

-

相互理解の困難さ、脆さを炙り出している。多くの会話から少しずつ伺い知れる各々の感情やエゴ、それが他者からどう捉えられるか、食い違っていること自体を理解することの難しさ途方もなさ…結局人間はお互いを完全>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

-

自分が何者であるかは自分が決める。そうであったなら彼らもどんなに救われただろうか。罪自体は決して消えることは無くそれはそれとして、罪に近い罪ではない存在を罪と混同していないだろうかと省みる。名前を変え>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

-

見応えあった!笑えるところも涙を誘うところも、熱く燃えたぎるような歌唱シーンも見たいと思う要素が全部詰まってて最高に楽しかった。終始狂児がめちゃくちゃ色っぽかったな。スーツの着こなしと長い足はもとより>>続きを読む

ダブルミンツ(2017年製作の映画)

-

以前原作を読んだときも理解が難しかったが、映画になってもやはり難しかった。何が難しいって登場人物の感情を読み取れないし、理解が及ばない。中村明日美子先生好きだけど、唯一ダブルミンツだけは異色だ。映画に>>続きを読む

ドグラ・マグラ(2010年製作の映画)

-

SF設定思いきったな。でもかえってハマっている気がした。エンディング曲はもっとどうにかならなかったのかな。

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

-

夕暮れどきのシーンを撮らせたら三宅監督の右に出るものはないのではないか。そう思うほど夕日の透明なオレンジの光を物語の中に印象的に取り入れている。互いを知り、補い合うことがどれだけ尊いか考えさせられた。>>続きを読む

御法度(1999年製作の映画)

-

ワダエミの衣装目当て。漆黒の隊服が美しく映えて、まるで影絵のようだった。松田龍平の演技は拙いが、それがかえってオムファタールである加納惣三郎の特異な雰囲気を醸し出していた。先日観た「首」では北野武が一>>続きを読む

>|